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怪異・妖怪伝承データベース
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検索対象事例

エヅナ,キツネツキ
1954年 青森県
昭和21年、部落の17歳の男が胸の痛みを訴え、夜通し喋るようになった。同じ家に住む女の教師は、毎晩9時頃、鼡(ねずみ)のようなものが部屋の上を横切るのを見た。男に狐が憑いたのだと言われ、男は異常な食欲を示し、金品を盗ったりするようになった。親戚の一人が折檻すると、狐は出ていった。教師はエヅナ(狐)を見ていたのであった。

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キツネツキ
1922年 兵庫県
狐がついた事例は明治20年ごろにあった。3、40歳の男が狐につままれて家出したのを、村人が捜索した。その人は木陰に蹲っていたが、目はつり上がり、手足も縮まって狐の形に似ていた。家に帰ってからはいわゆる狐憑きになって、油揚げや豆腐ならばいくらでも食べた。その人の父が狐を攻めて、出ねば捻り殺すというと狐は瘤の形になり手先に進んで行った。指先に追い詰められ、男は「出る出る」と連呼しながら倒れ、手の瘤は消えていた。その後3日寝つづけて、1ヶ月はぼんやりしていたという。
類似事例

キツネ
1954年 三重県
明治末期頃、伊勢から尾張三河の海岸地帯にある農家の中年男子に、原因は不明だが狐が憑いたと言われ、油揚げを急に好むようになり、目がつり上がり、変なことを口走ったという。祈祷師に頼んで狐を追い出してもらったら治ったという。
類似事例

キツネ
1944年 福井県
ある男が死に、棺に入れて通夜をしていた。すると死者が呼ばったり、鍋で煮ている豆を知らぬ間に食べてしまったりした。狐が憑いたということである。
類似事例

キツネ
1974年 東京都
午八月二十七日早朝、ある男が道で寝ていた4匹の白狐を驚かし、狐は逃げていった。すると雨が降り出したのでいつも休む家へ行くと、女房の棺桶を主人が担い出すところであり、留守を頼まれた。家の中にいるとその女房の霊が出てきて、男の腕に食らいついた。近くの百姓が、その男が川の堤を上り下りしており、血だらけであるのを見た。狐に化かされていると思い、水をかけると、男は正気に戻った。そして小豆飯に油あげをそえて狐に謝りに行った。実際には雨は降っていなかったが、腕の傷は本物で、その後も痛みに難儀した。
類似事例

キツネ
1939年 秋田県
ある男が祭りを見に行った帰り夜も遅く、大平山の社のあたりで寒気を催し、目に見えない何者か大きな物に掴まれるような心地がした。次の日は稲荷の祭りの後片付けから戻る時に、気分が荒く募り、3日ばかり狂い続けて鎮まらなかった。それから半月、油揚げを欲しがり、飯も多く食べ、後に癒えた。大平山の社にノレキが住んでおり、それが狐を憑けたそうだ。狐憑きはノレキに頼んで離してもらうよりほかない。
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キツネツキ
1942年 長野県
ある人が病気になったので御嶽講の先達に占ってもらうと、狐憑きといわれた。その後、村に2、3軒狐憑きがでた。狐がいうには、上垣という屋号の家で、食べ物をくれないので来たのだという。そこで村の者が上垣に掛け合ったが、上垣は狐など飼っていないと言った。その家の大黒さんを怪しんで川へ流したが、依然狐憑きは治らなかった。村の者は収まらず、ある夜大挙して上垣に押しかけて乱暴狼藉の限りを尽くした。上垣は代官所に訴えて勝訴したが、この件以来けちがついて家は絶えてしまった。
類似事例

キツネ
1991年 奈良県
一軒屋に1人で住んでいた人がいた。その人は、晩になると狐が化けて出てくると、いつも話していた。
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キツネツキ
1954年 岡山県
隣家の50歳ぐらいの婆さんに狐が憑いたことがあった。朝早く着て、「今私のうちには五千の眷族を飼っているが食べ物が無いので下さい」などと語った。祈祷者に拝んでもらうと、「わしが住んでいた穴を埋めただろう」などと、有る事無い事をしゃべった。また宮に参らない人に憑き、狂言妄語させたと書かれたものもある。
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キツネ
1972年 千葉県
1920年ごろの話。男の人が2人、急病人で医者を呼びに行った帰り、夜の山道で女の人に温かい握り飯をもらった。家に帰ってから、あんなところに女の人がいるのはおかしい、狐だ、と気付いた。
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イズナ,イゾナ,イヅナ,キツネ
1969年 長野県
イヅナか狐に憑かれ精神病の状態になったものをイヅナ憑きと言う。昭和12年から次々にイヅナに憑かれ、今でも大きな問題になっている。
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キツネ
1978年 山梨県
山に薪取りに行った男が、馬頭観音の前で転んだ拍子に狐が憑いておかしくなった。着物の裾を狐の尻尾にしたり、囲炉裏の炭で顔に落書きしたり、何も食べずに夜な夜な座敷を飛び回ったりした。拝んでもらうと狐は離れた。女狐で、自分の子どもが心配になったから出て行ったのだという。
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キツネ
1971年 岐阜県
病人が長い事寝付いていると狐が取り憑く。話者が子守りをしながら見に行ったら、布団を被ってそこから覗いていて気味が悪かった。家に帰ってみてみたら、半纏の袖に狐の白い気が付いていた。
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オサキ,キツネ
1975年 群馬県
Y部落での憑依事件は明治8例、大正7例、昭和14例ある。オサキ、キツネに憑かれた人は忘我・狂乱状態となり、憑いた理由や持筋の家名を喋り、動物的な振舞をし、予言など常人以上の能力を発揮する。突然そうなる場合と病気が悪化してなる場合がある。重症の時には木曽御岳行者が祈祷するが、オサキに憑かれたかどうかは被害者自身のうわ言か家族の診断で判明する。原因は被害者側と持ち筋側の対立や恨みが6件、妬みなどが4件、両方によるものが2件である。被害者側は経済的に中以下が多く、憑いた側は中以上が多い。
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クダキツネ
1982年 神奈川県
クダ狐に憑かれると飯を何人前も食べるのに身体はやせてしまう。ある家の娘が毎晩騒ぐニワトリをある夜棒で打つと、ニワトリの巣から茄子のようなものが落ち、拾おうと思ったら消え、狐が憑いて色々なことを言った。
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キツネ
1959年 宮城県
母が子供の頃、庭先の藪で、狐が長い尾でパタパタと調子を取って赤子の泣きまねをするのを聞いたという。また、原吉という男が、道で会った美しい女を叔母の家に泊まらせると、原吉に狐が取り憑いた。家の護り神としてやって来たが、75年間、誰も顧みないからだと狐は言った。毎年1月15日に祭ることを約束すると、狐は離れ、原吉も快復したという。
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キツネツキ
1922年 山口県
大正2年1月に、筆者宅にある婦人が狐憑きになりやって来た。その狐と問答をして、ある坊主がある女から金を貰い、この狐を使っていることが分かった。狐の子供が坊主の出した油揚を食べてしまったため、仕方なく使役されているという。明治天皇の御影を使い、天子の御家来に害を成すではないと諌め、憑かれた女に給養させることを約束し、退散させた。しかし数日後また婦人がやってきた。問答すると坊主に弓で威嚇され、再び憑いたという。筆者は狐を神の眷属とすることを約束し、立石大明神を招いて吉松稲荷大明神の眷属となる許可を得、解決した。
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ロウバ,キツネ
1955年 静岡県
常に揉め事があった家で、嫁が寝込んでいると、老婆が入ってきて嫁を押さえた。押さえられた所は団子のように高く腫れあがり、治らなかった。こうしたことが度重なり、嫁は「婆さんが来た」と騒ぐ様になった。むごくした婆さんの祟りとも、狐憑きともいった。
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キツネ(ゾクシン)
1916年 岐阜県
精神に異常をきたした者あると、狐が憑いたという。油揚げや赤飯を欲し、目が狐のようにつり上がる。身体に腫れた部分があると、そこに狐が入っているのだといって、その部分を打ったりした。青松葉で燻すと狐が逃げ去ることがある。
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トヤゾネキツネ,キツネモチ
1922年 島根県
数十年前、ある家に恨みを持った女が、トヤゾネの狐に油揚げを持っていって、「あの家へ行って悩ましてくれ」と頼んだ。するとその家の主婦が狐憑きになった。大社に行って弓を引いてもらうなどしたが離れず、狐の言うには「子供が2、3匹いるし、自分の体は犬に食われて帰ることが出来ない」という。その家はそれ以来狐持といわれることになった。
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キツネツキ,キツネ
1976年 新潟県
1910年代のこと。13,14歳の子が狐憑きになった。飲まず食わずで狐の鳴きまねや跳びまねをした。ワカサマに見てもらったら、揚城の狐がついたと言われた。拝んでもらっても追い出せず、3,4ヶ月してその子は死んだ。
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