エンコウ 1939年 島根県 えんこうは海にもいる。漁夫が沖で釣りをしていたら、えんこうが現れた。漁夫は糸目算に船を漕いで逃げ帰り、汀に乗り上げてから後ろを見るとえんこうがついて来ている。漁夫は家に帰り、翌朝汀に行ってみると、船が木っ端微塵に砕けていた。
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カッパ 1955年 島根県 浜田市周布川のかっぱが、侍の馬をとろうとしたが、自分が捕まえられてしまった。
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カッパ 1928年 島根県 2度ばかり漁夫の網に河童がかかったことがある。漁夫はいつも河童に酒を飲ませて海に放した。河童が来ると漁労が多いからだという。
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カワテング 1973年 山梨県 精進湖には昔から河童が住んでおり、土地の人はこれを川天狗と呼んだ。川天狗は何にでも化ける。ある日漁夫が魚釣りに行くと向こうから小学生くらいの大きさで、あばた面の見知らぬ顔の者が歩いてきた。子供は漁夫に「どこに行く」と言葉をかけて行ってしまった。漁夫はぞっとして川天狗じゃないかと思った。その日は不思議と漁があたったという。
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ゴクソツ,ギョフ 1940年 新潟県 漁夫が、漁をしていると若い女が火の車のようなものに乗せられて、悲鳴を上げて苦しんでいる姿で目の前を通りかかった。この地獄の様子を見た漁夫は、反省してこれまでの罪業を悔やんで称名念仏をするようになった。
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ケンムン 1974年 鹿児島県 昔、ある漁夫が釣りに出かけ、とった魚の目玉を取られた。ケンムンの仕業だと悪口を言うとケンムンが沢山出て来たので、集会所に逃げた。漁夫はセーロ(蒸し器)の中に入って隠れていると、間もなくケンムンがやってきて、あたりのものを手当たり次第に壊した。しかし、セーロには近寄らず、帰りがけに敷居を枕にして寝ていた人を殺して出ていった。
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ロウバ 1934年 東京都 船が錨を上げようとするが、どうしても上がらない。一人の漁師が潜ってみると、白髪の老婆が腰をかけていた。驚いた船の者は錨綱を切って逃げた。それ以来、絶対にそこで魚を取らないことにした。
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ビジョ,シンセキ 1939年 香川県 漁夫が不思議な石を拾い、卜者に見せると海神から賜った神石だと言われた。その玉は理想の夫が見つからずに入水した美女の魂が小石になって漁夫に拾われたのだという。
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エンコウ,カッパ 1976年 山口県 河童をえんこうと言う。
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テング,カミサマ 1933年 神奈川県 叶明神社の山頂の松の木は天狗のとまるところと言われている。石段も、幾度修理しても崩れるので、天狗が歩くのだと言う。房州の漁夫が、夕方上に登って天狗かくしにあったとも言う。たそがれ時神様が境内を散歩し、その姿を見た漁夫が熱を出して死んだとも言う。
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ユウレイセン,ボウコン 1929年 鹿児島県 大島では、毎年二百十日前後に、暴風がある。その時沖に出ていると漁夫は突然のストームに襲われ、毎年死ぬものが出てくる。夜の航海は幽霊船や亡魂がつきまとうので、たいていの島の人たちは之を怖れている。しかし中には幽霊船に慣れて、少しも驚かぬ者もいる。
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マツ,カイブツ 1922年 岩手県 上閉伊郡栗橋村字古里に大きな松の木があり、日光を遮っていた。耕作物の邪魔になるので伐り倒そうとしたが、次の日になると元に戻っていて伐ることができなかった。ある日夢に一人の翁が現れ、木の伐屑を毎夕方に焼き棄てれば成就すると告げた。言うとおりにすると木は倒れ、それを用いて船を造った。しかし、不思議なことに船は一夜のうちに姿を消してしまった。あるとき、漁夫が橋野川の川上で得体の知れないものを見つけ、大权で突き刺した。一度帰り、次の日再び現場に行くと何もいなかった。探している内に漁夫は狂い、あたりは風雨となり大洪水が起こった。一夜たつと河口に突如として奇岩が現れた。人々は、漁夫の突き刺した怪物の化身だと言い囃した。
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フネ 1990年 沖縄県 人が死ぬ前には「船が来る、船が来る」という。
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(ゾクシン) 1942年 不明 漁夫が、水死人を大切にあつかい、必ず船に積んで帰って、手厚く葬ると大漁になるという。
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フルダヌキ 1956年 宮城県 鯨島には昔、古狸が住んでいた。朴島の漁夫が夜釣りをしていると、鼓の音がして名を呼び、屋島の戦や壇ノ浦の戦の浄瑠璃を聴かせ、続きは明日の晩聴かせてやるといった。翌日村の仲間一同で島の近くへ夜釣りに出たが何事もなく、漁夫はみんなから冷笑される。次の夜独りで行ったら後段を聞かせてくれた。以後、独りで行けば誰でも聞けたという。島の東南中腹に奥深い洞穴があって、古狸のすみ家という。
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カメ 1932年 長野県 昔、ある漁夫が千曲川で魚を釣っていると、前を亀が通った。漁夫は亀についていった。しばらく行くと亀は止まり、そこに近づいてみると温みを感じた。掘ると温泉が涌き出した。これが今日の戸倉温泉。
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カミサマ,ハチマンサマ 2001年 青森県 網を積んだまま止めていたある漁夫の船が、5分ほどの内になくなってしまった。神様に伺ってみたところ、船は八幡様が満州へ渡る為に借りていったということであった。
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(ゾクシン) 1942年 漁夫が、産火を忌み、赤不浄と言う。乗船して漁に出る事を禁じられる。
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モウレイ 1992年 宮崎県 海上の亡霊は単なる声としても出る。櫓の音、「ヨウヤ、ヨウヤ」という声、「エヘン、エヘン」という櫓を漕ぐ掛け声などを出す。
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カッパタヌキ 1985年 愛媛県 昔、島に船が仮泊すると必ず錨が切られた。それは狸の一族にカッパ狸がいて、水泳が得意で利口者だったからだ。ある時船頭が錨づなに鈴をつければ良いと考えたが、カッパ狸は藻をからませるなどして鈴をならさぬようにして錨綱を切断した。
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ヒトダマ 1966年 三重県 漁師が沖で釣りをしていると、「シャクヲカセ」という声がする。掛け声をかけるとその声は消えた。しばらくして、「ナンジヤロ」と声がするので、「(夜中の)2ジカ3ジヤロ」というと、そのまま沖のほうへ行った。黙っていると人魂に一緒に連れて行かれる。
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