イヌガミツキ 1976年 山口県 犬神に憑かれると、寿司の味がわからなくなる、豆腐が水になる、もち米を搗いても餅にならないなどのことが起き、妬んだ人のことを口走る、雪中を駆け出す、妊婦が鳥を殺す、などの行動をとる。
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イヌガミ 1996年 徳島県 犬神持ちの家筋は3年3月の間同じ釜の飯を食べるとうつる。嫁が持ってくればその家が筋になる。女性だけが持っている。持っている女性は1家に1人でその人が亡くなれば次の女性に受け継がれる。道筋の家ではそれをどこかにまつっている。感情の起伏によって憑く。持ち筋の女性にたけのこをくれと言われたが、あげることが出来なかった時に嫁に憑いた。その後子供にも憑き、熱が出てうわ言を言った。層や祈祷師に頼んで伏せてもらうのが普通である。予防の方法も伝えられる。
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イヌガミ,イノガミ 1939年 島根県 犬神のことをいのがみと呼ぶ。多くの場合、女性に憑く。憑かれると、その人は憑いた犬神持ちの人の言動をするようになる。20分ぐらいで倒れ、昏睡する。2・3日は浮かぬ顔をして過ごすが、次第に平静に戻る。
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キツネツキ 1922年 島根県 狐憑きは一般に男よりも女の方に多い。一人の女が病気にかかって、熱でも高いと普段衝突している人が狐になってその体内に入りこみ苦しめるという。色々なことを大騒ぎするが、付き添いのものはそれを信じ狐になって来たと言う人の家に憑かれた人を負って行ったり、その人を呼んできて責めたりする。ついにはその人が詫びるということもある。
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イヌガミツキ 1954年 島根県 犬神に憑かれると、1升飯ぐらいは平気で食べるという。犬神憑きだというのを見極めるには、寝ているときに寝床の下に差し金や物差しを入れる。目の多いものを魔物は嫌うので、病人は痛いと言い出すという。
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イヌガミツキ,キツネツキ,トウビョウツキ 1954年 山口県 犬神はネズミ位の小動物で、憑く者に使われ、その数は74匹とも75匹とも言われる。犬神の姿は憑く者にしか見えず、憑く動機は怨恨、物欲、偶然等と信じられている。犬神憑の家筋は栄えるのも早いが凋落も早い。憑かれると犬の真似をしたり、口から泡を吹いてテンカンに似た症状を起こすとも言われる。犬神筋から嫁を貰えば、貰った家も犬神筋になる。狐憑きやとうびょう憑きも同様のことが言われており、また狐憑の家筋の床下か屋敷内には必ず狐穴があると信じられている。
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イヌガミ 1986年 大分県 犬神に憑かれると胸・足・手などが痛み,急に肩を揺すったり犬の真似をしたりする。犬神が憑いた家は金持ちになる。男女問わず,物を欲しがっている人,執念深い人,喜びや悲しみの中にいる人に憑きやすい。犬神持ちの人に対して喜怒哀楽の感情を表すと憑かれるので,彼らは恐れられ嫌われていた。犬神は原則的に個人に憑くが,犬神の憑き易い筋がある。犬神筋と結婚するとすぐに憑かれると言われ,縁組を嫌われた。
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キツネ,タヌキ,ツビョウ,トマッコ,イヌガミ,ツキモノオトシ 1983年 岡山県 憑き物といわれるものには、狐、狸、トウビョウ、トマッコ、犬神などがある。
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イヌガミツキ 1954年 島根県 病人が犬神憑きだとわかると、雨戸を閉めて外部と隔離する。どこからなぜ来たのかを聞いても言わない場合は、小豆飯で機嫌をとるとしゃべりだす。それでも病気が治らないときは、青竹で「帰れ」と責め立てる。すると狐のような恰好で飛び回る。出ていくときに伏せて倒れるが、その時手の平を開いていれば、犬神はその人から離れて帰っていくという。
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トウビョウギツネ 1950年 鳥取県 とうびょう狐がいろいろなものを取っていく。狐が憑くと、拝んで取ってもらうが、それが効かないことがあり、死んでしまう。とうびょう狐と人に憑く狐は違うのではないか。
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イヌガミ 2002年 山口県 犬神持ちは人にも憑くという。いわゆる狐つきのようである。憑かれた人は犬神の持ち主のような言葉を使い、種々な事を口走るという。祈祷してもらいその霊が落ちる時には四足で飛ぶ真似をし、倒れて初めて正気がつくという。
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キツネ 1963年 茨城県 狐に憑かれた人は布団の三角の端をかぶって寝たりして、人が来ると隠れる。誰もいないときに生臭物を食う。神主に祈祷して貰って離す。憑かれた人は稲荷を信仰し出すことが多い。
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イヌガミ 1996年 徳島県 集落に1・2件は犬神筋の家がある。嫁が持っていればついてくる。憑かれた人に太夫が御幣を持たせるとピョンピョンとんで、ばたっと倒れ仮死状態になった。憑かれるのはおっちょこちょいの人が多い。憑くと目つきが変わる。太夫が拝むとどこから来たか答える。予防には出雲大社がよく効くという。持っている人と喧嘩をすると追いかけられる。その家で生まれた女性は全部持っており、その家に嫁に行くとうつる。何か特別の神を祀っている。先祖のようだがよくわからない。
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キツネツキ,キツネモチ 1937年 狐憑きは一種の精神病で、治すには小豆飯や豆腐を村境に置いたり神様に供える。サンジョサンオガミと呼ばれる祈祷師(大峯行者やその崇拝者)に頼むこともある。一方、狐持ちは、一族の者全員が人狐を持っており、一般の家とはほとんど縁談がまとまらない。
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タヌキ,キツネ 1973年 香川県 狸・狐が憑くと走り回る。神社に拝んでもらったり、巫女さんに祓ってもらったりする。油揚げ・小豆飯を供えると落ちるという。また、道端に油揚げを落とすという。
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キツネ 1961年 島根県 人に憑く狐は普通の狐とは違う。狐を憑けるには丑の刻参りをする。憑かれると病気になり、その人の口を通じて狐が「○○から来た」と語る。この狐を落とすには小豆飯や油揚げを食べさせたりするか、病人を打ったり叩いたりする。
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イヌガミ 1964年 高知県 犬神に憑かれた人は、犬神が体を縫い通し、体の中で通っているところが腫れてくるという。全く知るはずのないことを口走ったりする。親指を握り締めて絶対放さないので、憑かれているとわかる。
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タヌキツキ 1922年 徳島県 一般に狸が憑くのは本人が狸に悪戯をしたとか、不景気で食べ物が得られぬからという。また憑かれた人は食事の量が急に増したり、嗜好が変わったりする。ある下女が薪刈りに行って一休みし、再び薪を背負うと非常に重くなり、家に帰ってみると家に居た婆さんにご苦労様と言われた。狸が薪に乗ってきて婆さんについていたのである。狸が憑くとまず陰陽師や修験者を頼む。神様の護符を頂かせて祈祷者が退散させるがその時に大抵要求を出す。狸に関する俗信あり。
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キツネ 1977年 和歌山県 村に狐憑きが出たときは、道の辻に小豆団子と油揚げを置いておくと治るという。祈祷師に祝詞をあげてもらうと抜けるが、2・3日安静にして眠っていると死んでしまうという。田辺の祈祷師を呼んで、カラシをたいて家の口からいぶしだしたという。
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キツネ 1987年 奈良県 狐に憑かれると病気になって死ぬ。憑かれると、自分の顔をまたぐらに突っ込んだり、手拭を被ったり、隠れたりする。村の衆が心経を繰り、拝んであげると治る人もいる。
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