ヌレヨメジョー 1960年 鹿児島県 黒石平、無線入口という所にはヌレヨメジョーがでる。これはきれいな着物を着て、美人長髪で微笑みながら佇んでいるという。中には赤ん坊を抱いている者もいて、これは難産で死んだ者が成仏できず出歩いているのであるという。特に、雨のしょぼしょぼ降る杉山付近に出るという。
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カワジョロ 1981年 香川県 大雨が降って水かさが増えると川で女の泣く声がするが、カワジョロだという。また、夜になると渕でカワジョロが髪をとき、こちらを向いて笑うとウマンガ(馬鍬)のような歯が生えていたという。
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ヌレオナゴ 1983年 愛媛県 越の尻の山沿いの道で、長洲村の庄屋佐藤家へ行く飛脚がヌレオナゴに出合った。赤ん坊を抱かされたがその赤ん坊が石に変じ、捨てて逃げた為に追いかけられた。ヌレオナゴの髪は釣針のようになっており、飛脚が飛び込んだ佐藤家の板戸には、その髪の毛でひっかいた跡がついていた。
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ヤマウバ 1981年 鹿児島県 ヤマウバ(山姥)は山羊のような匂いがして、娘に化けれ樵夫を誘いに来る。長い髪を振り乱した格好をしているのが普通である。
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カワジョロ 1984年 香川県 カワジョロは、大水が出る前に河のほとりで哀れな声で泣く。子が流れぬようにと言って泣いているのだという。
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カワジョロ 1983年 香川県 大束川にカワジョロがよく出た。晴天の晩に子供の泣く声がするので見に行くと、先の方でなく。声のする方に追っていくと、更に先の方で泣く。こうして1里弱追ったところであわてて引き返した。カワジョロは「子が流れたのーオーイオイオイ」と泣くと言い、これが泣くと川に大水が出るという。
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オジヤモ 1985年 香川県 勝賀山と串の山を両足にふまえたオジヤモは、長くたらした髪をおもしろそうに左右にうちふる。そこへ人が通りかかると、長い髪を投げつけて、人間をからみ取ったという。
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ヌレオナゴ 1985年 愛媛県 昔、飛脚がヌレオナゴに出会い、赤ん坊を抱かされたが、石に変じたので投げ捨てて逃げた。追いかけてくるオナゴの髪の毛の先は釣り針のようになっており、飛脚が飛び込んだ佐藤家の板戸には髪の毛でひっかいた跡があったという。
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ヌレヨメジョウ 1960年 鹿児島県 きんごという所では、雨のしとしと降る日にはヌレヨメジョウがでるという。
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ユナーメー 1931年 ユナーメーは髪の毛がぼうぼう生えた怪物である。あるいは石川家に保管されている木面のことで、この木面をかぶって幼児を脅すと夜泣きが治るという。
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ヤマウバ,ヤマジョロウ,カワジョロウ 1983年 香川県 山で山姥に会ってもにこにこと笑ってはいけない。笑っていると山姥にやられてしまうので、知らぬ顔をして通り過ぎるとよい。山姥は山にいればヤマジョロウ、川にいればカワジョロウという。カワジョロウを見つけた子供が追いかけると、ウマングワ(馬鍬)のような歯を剥いたので驚いて逃げ帰ったという。
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オボ,ユウレイ 1990年 福島県 オボ沢という沢にオボという幽霊が出る。お腹に子供がいて死んだ女の幽霊で、夕方、旅人に「子を抱いてくれ」と出る。抱くと消え、待っても出てこない。オボを避けるには、荷縄の長さを揃えずにいて「子を抱いてくれ」と出たら、オボに「紐を揃えてくれ」と頼み、揃わぬ紐を揃えているうちに逃げればいい。オボの子は抱いた人の首に噛み付くので、首と反対に抱くとよい、ともいう。
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カワジョロウ 1958年 香川県 川女郎は川岸の岩と岩の間に子をもうける。川幅いっぱいに水があふれそうになると赤ん坊が流されてしまうと泣く。サバエ髪の川女郎と行き会うと、馬鍬のこのような歯を出して笑う。ナゲガミに出会うと恐ろしい。
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オコジョ 1959年 長野県 オコジョは山の神の使いである。水の近くにいて、群れになっていることもある。放すような声を出すこともある。人には平気だが、犬にも捕まえられないほどすばしっこい。山の神の使いなので、討ってはいけない。
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ウブメ 1986年 大分県 ウブメから「草履の鼻緒が切れるまでこの子を抱いてくれ」と頼まれたら,鎌で草履の鼻緒を切るのがよい。
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ヌレオナゴ 1983年 愛媛県 道を通る男に笑いかける。ヌレオナゴに出合った時は笑顔は禁物で、もしそうすると一生つきまとわれる。「やかましい」とどなると消えてしまうともいう。
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ノツコ 1942年 高知県 夜の山路で幼児の泣き声のしてくる怪異がノッコである。草鞋のチボ(乳首)か、草をちぎってチボにして投げると退く。
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ヤマワロウ,ヤジン 1979年 宮崎県 むかし豊後国日田の伏木村で、ある親が泣き止まない子を家から出していたら、声が次第に山の方へ消え入り、子が行方不明になった。10年ほど後に日田に住む小一という者が日向の梓越嶺を歩行中、満身に毛が生えた7~8尺の動物と遭遇した。それは人語を話し、我は伏木で行方不明となった子で、今はある者に仕えて数山の主となっていると告げて別れた。これは山童・野人の類である。
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ヤマワロ 1950年 熊本県 ヤマワロは人里近い山に群れをなして住んでいて、好んで山桃を食う。ヒューヒューと啼く。大きさは子供ぐらいで、全身に毛があり、後肢で歩行し、人間のような声を出すが、聞いても意味はわからない。樵や漁師、炭焼きのよい仲間で、いろいろと助ける。助けてもらったら必ず酒を飲ませてお礼をする。この礼さえ欠かなければ、わるさをすることはない。
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フルダヌキ 1979年 徳島県 昔、性の悪い白髪の古ダヌキがいた。ある朝、馬追いのヒコシドンがかわいい子供に化けた狸に「馬の乗せてくれ」と声をかけられた。ヒコシドンは落ちてはいけないと子供を鞍の上に縛り付けた。古ダヌキは「降ろしてくれ」と泣きだし、「もう二度と悪いことはしない」と言ったので、ほどいてやった。翌朝、同じ場所に行くと狸は「夕べのことは、こわいこと」と岩屋から叫んだという。
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