キツネ,トビサカイナリ 1922年 東京都 東京のある氏族が、小間使いを雇い、ある日使いに出したところ帰ってこなくなったので探すと、富坂稲荷の祠の前で踞っていた。狐に憑かれ顔つきも変わり、大食いになり、正気を失った。主家では小間使いを家に返したが、今度は主家の妻が狐に憑かれ、以前の小間使いのようになった。場所が悪いのかと転居したが、今度は長女が狐憑きとなった。家は没落し、次女は大変な苦労をした。二人の狐憑きは白昼提灯を下げて歩く等の奇行をするので、あらゆる加持祈祷を行ない、医者にもかけたが、一生正気に戻ることはなかった。
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ダイジャ 1991年 香川県 村人が竜王神社に雨乞いすると、小さい蛇が出てきたが、村人舘は小ささを不満に思ってあざけったところ、たちまち大蛇に変身し、尾は向かいの谷に、頭は社の大松にあごをかけていたという。
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クズリュウ 1932年 長野県 昔、諏訪様が女に化けてある人の妻になっていた。お産をする時その男にするすると匐って行った。諏訪様は9つの頭を持った蛇で九頭龍と呼ばれ戸隠に祭られている。
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カタメシイアルヘビ 1976年 京都府 一病僧が宇治に安居していたところに、ある日、いつも出入りしている芋売りの男が行ったところ、門から片目盲ある蛇が入っていった。男は何となく恐ろしく思い、近くの家に入った。その時病僧は死んだ。その因縁とは、この僧が某国で醜い眇めの女と馴染んだが、僧はその内女が疎ましくなりその地を去った。しかし、その後も尼になり付きまとった。その後に僧は宇治に来たのだと言うことだった。
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ウワバミ 1933年 山口県 爺と婆の間には子供がなかったが、ある日、明神様の境内で拾った玉子からうわばみ(大蛇)が生まれた。一と名づけられ大切に育てられたが、村人が恐れるので捨てることになった。一は化物を退治したが自分も死んでしまった。
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ヘビ 1931年 長野県 高井高明神の斎宮は11~12歳の女で、深夜に独りになっても畏れることなく神に仕えていたが、月水(月経)が始まると小蛇が出てきて女を追いかけてきたので女は家に戻り、新女と交代したという。この蛇は里宮の地主で、年をとっても大きくならず、神木の空洞に隠れていると古老は伝えている。
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メヒトツコゾウ 1978年 静岡県 目一つ小僧の正体は、厄災をなす怪物として語られるのみで定かではないが、山の神をまつるもので、目が1つで足が1本しかない天狗だといわれた。下田では、目一つ小僧である山の神が来ないようにメカゴを立てる。沼津市岡宮では、目一つ小僧が山から降りて来て、人々に不幸をもたらすとされた。
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タマツヒメ,タマヨリヒメ 1928年 福岡県 玉津姫(もしくは玉依姫)は身分の高い姫であったが、顔に痣があったので、なかなか縁がなかった。悲嘆の思いを込めて縁の神様と呼ばれた三輪大明神に7日7夜の時詣りをした。満願の夜、社殿で伏していると神さびだ声が聞こえてきて、夫は三重の炭焼き小五郎で、夫婦になると大長者になるといわれた。朝起きると、姫は信託のとおりにした。
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ヘビ 1974年 宮崎県 阿州の二宮久太夫が日向国で宿を求めたところ、ある家に泊めてもらう事になった。しかしそこの亭主は病んでいて、首に細い2匹の蛇が巻き付き、その傍らに18、9歳の女2人が双六をしていた。主人が言うには、この蛇はこの女の執心で、1人が怒れば1匹の蛇が首を絞め、2人が怒れば2匹とも絞めるという。翌朝その家を出た久太夫は、お礼を言おうと数日後に戻ったところ家はなく淵になっていた。里人に聞けば、地震や風雨によって無くなったという。
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ジャタイ,フチノヌシ 1929年 高知県 四百年前、高岡郡志和城主の娘御萬御寮は、鵜の巣の淵の主である蛇にとりつかれた。日夜加持祈祷を行ったが其の甲斐もなく娘は淵に身を投じて姿を消した。下郎次郎介が命を受けて行方を探ると、もはや人間ではなく蛇体となった御満御寮に再会した。泣く泣く別れて父上に報告すると、社を建て御萬の追善を営んだ。
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ダイジャ 1936年 京都府 綱宮という小社には昔、大蛇が出て人畜を害したのを人見、中川両氏の祖が退治したという伝説がある。
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リョウグチヘビ 1936年 新潟県 両口蛇が殿様から家臣に下付された。その家臣が借金の抵当としてこの両口蛇を差し出した。それは骨ばかりであったが、尾がなくて両先が頭であり歯のようなものがあった。
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タヌキ 1965年 高知県 天満宮にある地蔵様は、狸にワザをされて死んだ人が祀った。目の病に霊験がある。
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ダイジャ,ナハハチロウ 1982年 群馬県 みどろが池の大蛇が毎年暴れて洪水を出すので人身御供に娘を出していた。小幡氏の娘、梅津姫が人身御供になったとき、公家の若様が通りかかり、二人で池の岩屋に行った。若君が問い掛けると大蛇は「私は那波八郎という者で、榛名の郡司の若者だったが、兄弟に図られた恨みで蛇になったのだ」と言ったので、2人でお経を唱えると、蛇は成仏して那波大明神になった。若君は姫と結ばれ、2人は白倉神社に祀られた。
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ダイジャ 1928年 千葉県 船越の宮、鉈切の宮と呼ばれるお宮がある。鉈切明神は使神が洞窟から出てこないので見に行った。そこに使神はすでになく、大蛇がいた。鉈切明神はこれを斬り殺して民への害を防いだといわれている。
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ゲンゴロウギツネ,コジョロウギツネ 1975年 奈良県・三重県 大和国宇多に人の手助けをする源五郎狐がいた。あるとき飛脚に頼まれ文箱を運んでいるとき山中で犬に殺された。伊賀国上野の広禅寺にその妻だと言われる小女郎狐というものがおり、寺の手伝いをしていた。延宝のころのことだがいつの間にかいなくなった。
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ダイジャ 1982年 群馬県 木部というお殿様の妻が、伊香保の沼に入って大蛇になった。木部氏が会いに行くと、元々自分は蛇身であって、人間に化して人の妻となっていたものであり、もう一緒に帰ることはできないと言った。侍女も沼に入ってカニになった。木部氏は金子の宮を作って沼に沈めた。夏の夕立の後などに、水中に見えるという。また、木部氏の創設した善導寺は、4月8日に供物を流す。
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ヘビ 1927年 岐阜県 諏訪神社を遷して城を築こうとしたときに、霊蛇が出現した。道にいて動かなかったので、梅の枝で打つと、目を傷つけて去った。それ以来氏子は梅の木を栽えない。
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コウジン,ダイジャ 1944年 鳥取県 現在はお宮参りは賀茂神社にするが、小さいころは荒神様にしていた。この荒神様はもとは奥の位置にあったが、大蛇に追われて出てきて、今の地にふみとどまった。
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ダイジャ 1959年 島根県 馬橋川河口にある馬橋畑という場所に住んでいた馬橋長者の土藏は、不思議なことにいくら米俵を出しても翌朝にはいっぱいであった。ある朝、いつもより早く起きてきた女中が、土藏の窓から頭を突っこんでいる大蛇を見た。躰は川を渡り、尾は社にあった。その途端に雷鳴がして女中は気絶した。その後、長者の家は滅んでしまったという。また、社の祭神は蛇体であるという。
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