テング 1963年 愛媛県 キノコ狩りをしていた1人の女が岩の上で涼んでいると、天狗が現れて岩の上から女を落とした。女は髪の毛がなくなり、坊主頭になった。以来、この岩を「天狗岩」という。また、この天狗が日向の鼻の松の木の上で常に見張りをしていたので、この木は平らで上に延びないのだといわれている。
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フルムジナ 1934年 兵庫県 昔は人身御供があった。霜月の初めに、美しい娘の家に怪しい装束が立てられる。その娘を潔斎させ、白木の箱に入れ、川を渡って岩の上に置かなくてはならない。御供になった長者の娘を愛犬が追い、山中で激しく格闘した。翌日愛犬と狢が死んでおり、娘は無事だった。
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ジョロウイシ 1976年 神奈川県 三河国宮地山の麓の三頭山長福寺の境内に、女の形の高さ4尺程の石がある。それは昔、男を恋い慕って死んだ女の魂が石になったものだという。
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オオイワ,サムライ 1985年 和歌山県 昔、美男の侍が娘のところに毎夜通ってきた。素性がわからないので、男の帰るときに着物の裾に糸をつけた針をさしておいた。翌朝糸をたどっていくと、岩穴の中に糸の端が入っていた。岩の側によると声がして「頭に金を刺されて、もう助からない。子供を作っておいたけど」と言われた。
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オンナノユウレイ 1931年 大阪府 明治以前の事、不縁となって実家に戻った娘が、煩悶した挙句入水自殺を遂げた。以来、夜暗くなると、身投げした浜から女の幽霊が出没するという。そればかりでなく、姑を呪う声まで聞こえるそうで、見物客や商店が出るほど盛況になったことがあるという。
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バケイシ 1987年 山形県 化け石という石は、若い女に化けて侍を騙して斬りつけられた。その石が今でもある。
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キノセイ,ケンムン 1977年 鹿児島県 昔、二組の夫婦がいた。一方の夫婦の男が、もう一方の女に惚れていた。その男は、惚れていた女の夫を海で殺し、女に自分の妻になるように頼んだ。女は男に一抱えできる木を抱えたら結婚すると約束した。男が木を見つけ抱えると、女は亡き夫の恨みを晴らすために男の掌に釘を打ち込んで殺した。その死霊が木の精(ケンムン)になったという。
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ゴエモンイシ 1930年 岩手県 ある夜、深夜にもかかわらず一人の美女が男の行く手を遮った。怪しいと思った男が刀で斬りつけると、女の姿は消えてしまった。後日、当所にあった巨石が2つに割れていたので、美女はこの石が化けたのだということになった。この石は五右衛門石と呼ばれる。
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ビジョ,シンセキ 1939年 香川県 漁夫が不思議な石を拾い、卜者に見せると海神から賜った神石だと言われた。その玉は理想の夫が見つからずに入水した美女の魂が小石になって漁夫に拾われたのだという。
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ジャタイノマツ 1967年 福島県 海岸に蛇体の松と呼ばれる二股の老木がある。昔、慶長の頃、与吉という百姓がおり、お松という娘があった。ある時、殿様が与吉の家で休んだ際に、お松を侍女にすると城へ連れ帰った。ところがお松は家に帰りたがって言うことを聞かないので、小船に乗せて竜神の淵に捨ててしまった。お松は海岸に泳ぎ着いたが、力尽きて女面蛇体の死体となって海岸に打ち上げられた。親たちはこれを見て悲しみ、娘の名にちなんで松を植えた。この松が大きくなったものが蛇体の松である。この松は霊験があるという。
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タヌキ 1973年 岩手県 昔、ある人が山仕事で火を焚いていたら、狸が化けた女が来て火に当たった。狸は気持ちがよくなって正体を現してしまい、殺された。
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カミカクシ 1978年 山梨県 女の人が行方不明になり、大勢で探したら岩の上に座っていた。3日間座っていたという。その間のことは何も覚えておらず、神様に連れて行かれたのだといわれた。
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ナキイシ 1981年 山形県 小野小町は小野川で湯治しているうちに、醜い顔が直って美人になった。すると今度は若い者においかけられ、ついには生き埋めにされた。そのときつまずいた石を泣き石といい、天気のよい日にも濡れていた。
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ツシロヒメ 1971年 鹿児島県 数百年の昔、敵の軍勢に囲まれた津城から逃れ長瀬まで逃れた姫が海に身を投げた。毎年その時期になると姫の霊魂が白鷺になってドンドロの松の木に来るといわれる。明治中期に硫黄鉱山の仕事をしていた谷山出身の男が人知れずこの姫のもとに通っていた男がいたが、財宝を掘り当てこの男は姿を消した。また二十六年前、長瀬では姫の宝物が光を放っており、これを探しに行った男二人がどこからともなく現れた姫や侍女の乗った舟にさらわれ地球上から消えた。姫のいる幸の国に行ったものか。
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キツネ 1938年 長野県 きれいな娘が田の側の道を通った男の人に嫁に来ればこのお札をやる、とたくさんのお金を見せられた。娘は嫁に行き、子供が生まれると胴から下は毛が生えていて、尾があり、後の半身は人間であった。たんすの下にあった金は木の葉になっていた。娘はびっくりして死んでしまった。
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ダイジャ 1976年 京都府 昔、大原の里のおつうという美しい娘が殿様の寵愛を受けた。殿様に見限られた後もおつうは殿様を思い、行列を待っていたが、うるさがられ、埋められてしまった。恋に狂ったおつうは蛇体となって再び現れたが、頭・胴・尻尾に切り分けて埋められてしまった。
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オンナ 1921年 岩手県 上閉伊郡上郷村に住んでいた美しい娘が急病で死んだ。その3年後、六角牛山という深山に狩りに行くと、女がいて、死んだようにみせかけられ、人ではない夫に連れてこられたのだという。狩人はこの話を他の人にすると、女の命も自分の命もなくなると言われた。
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ゴゼ,タタリ 1985年 愛媛県 昔一人の瞽女が道に迷って村に来たが、村人が親切に遇さなかったため石の近くで餓死した。その石を瞽女石と呼んでいる。瞽女死後祟ったので、村人は修験者に頼み鎮めてもらった。
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ダイジャ 1931年 長野県 昔、おかんという女性が沼に身を投げた。死骸が見つからず、沼の主の大蛇になったと言われた。ある人がこの沼を干そうとしたら、雷雨が襲来し、大蛇の祟りだと言われた。この沼はおかんが沼と呼ばれている。
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オバケイワ 2002年 滋賀県 鏡岩の上方にお化け岩とよばれる大岩がある。鏡岩には絶えず女人が近づいて髪や顔の手入れをするので、それを嫉妬してお化けとなって旅人を困らせたという。
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