シノゼンチョウ,ハカアナホリニンソクノゲンエイ 1930年 鹿児島県 1895年ごろ、半物識り(物識り:ユタの別名)だった伯母さんが墓穴を掘っている人足を見たといったが、その場所が掘られた形跡は無かった。そのとき、伯母さんは某の家で近いうちに葬式があると言った。それから1週間ほどたって伯母さんが言った家から急な葬式があったが、そのとき墓穴堀をしていた人足は伯母さんが指摘した人々であったという。
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ヒノタマ,モーレイ 1969年 鹿児島県 宇検村のイザトバナレという小島に、イザトコという墓地がある。そのイザトコに火の玉が通うという話があった。ある日小船をしたててヨロの人が御馳走を持ってイザトコの墓に行き、ちょうどいた人にも御馳走をした。そのヨロの人達は棺をあけてそのまま船に乗って沖へ立ち去った。あとでヨロ島のモーレイがその洞窟へ出入りするという話を聞き、それはヨロの人達のモーレイであるとわかった。
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ヒノタマ,モーレイ 1968年 鹿児島県 宇検村のイザトバナレという小島にあるイザトコという墓地にはよく火の玉が通う。テンマが入るような洞窟も海辺にある。ご馳走をもってイザトコの墓へ行って、ちょうどいた人たちにご馳走すると、その人たちは棺を開けて船に乗って沖へ立ち去った。モーレイであった。
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エンマドウヨコチョウノカイ 1956年 宮城県 明治の中頃,附近一帯の道路工事に伴って泥沼を埋め立てた。工事完成の数日後,夕方そこを歩いたら髪を振り乱した白い葬衣の女が現れて,何か訴えたげにしていたのを見た者が出た。昔塩竃明神の火災の時,この池にお釜が飛んできて埋まった。明神を信仰していた門前町の妓楼の遊女も焼け死んで,その魂がお釜に縋ってここに埋まったので,今回現れた女はその幽霊だということであった。一方,その幽霊は塩竃の遊女ではなく,近くの弓ノ町が遊女町であった頃無残な死に方をした女があり,その墓石が道路工事で古池の傍らに埋められてしまったために怨んで現れたという噂もあった。円福時近くに住む丹野某と言う請負師がこれを聞いて古池近くを掘らせるとそれらしい墓石が出土,これを厚く弔うとその後幽霊は現れなかったと言う話も行われている。
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ヤマノカミ 1994年 岩手県 山の神が乗り移って占いをなす人がいて、ふしぎに人の心中をよむことができる。たとえばお前のうちの床下を掘れば古い鏡か刀の折れたものがある、それを取り出さねば近いうちに死人が出るか家が焼けると言うので、帰って掘ってみると必ずあったという。
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ユウレイ 1976年 大分県 色利浦の庵から下ってくるところに、綺麗に髪を結った若い女の幽霊が出た。周りの人が墓を建てると、出なくなったという。
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ミコヨセ,クチヨセ 1972年 長崎県 形上に老婆のモノシリがいて、巫女寄せをした。病気になると死霊にさわったのではないかといって見てもらった。死者の言葉をそのままに、死後の世界を語った。どこで死んでいるのか分からないので見てもらうと、掘れといわれた場所に死体があったこともある。
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コソダテユウレイ 1976年 香川県 昔、女の人が妊娠中に子供を産まずに死んだ。土葬にしたら、中で子供が産まれた。母親は幽霊になり、毎晩12時頃にあめ屋であめを買った。跡をつけたら、墓場へ行って消えた。穴を掘ったら子供があめを食べて生きていた。
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オオドロドジョウ 1939年 新潟県 情深い男が、川で大泥鰌を釣って驚いてすぐに墓を立てたが、その夜に美しい娘が現れ、今日は成仏ができてうれしかったと礼を言った。この男は長生きしたと言う。
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タマシイ 1944年 山梨県 末の弟が水死した。不思議に身体は暖かかく、母親は埋めるのを嫌がった。葬式の晩、母親が急にいなくなり、探すと墓場を手で掘っていた。ある日、またいなくなり、探すと浜にいた。「死んだ息子が波の上に立っている」といい張り、まもなく母は死んだ。
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シシャノチカラ 2000年 鹿児島県 ムヤ(風葬洞)に棺を納めると、家人は四十九日までは前の庭で番をするものであった。そのとき、死臭がひどいので消せというと、死者の力で匂いを消すものだった。
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ミチユウラ 1972年 沖縄県 老婆(話者)の亭主が船乗りをしていた頃、漂流して数日間帰らない事があった。老婆は道端にて庶民の占法の1種である道ユウラ(道夕占)をしていたところ、最初に聞こえてきたのは逃げていたピンザ(山羊)が帰ってきたという喜びの会話であった。これをユウラ神の吉のお告げと判断していたところ、数日後に亭主が漂流先より帰還した。
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(マタノアイダカラタイヨウヲオガムコト) 1975年 山口県 河田家の田の中に墓がある。昔、田植えが嫌になって、太陽を股の間から拝んだ人が、泥に潜って死んでしまった。その人の墓だという。
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(ユメ) 1967年 福島県 八幡神社のふもとに住んでた人たちが井戸を掘ったが、岩盤にあたり、固くて掘れなくなって水が出なかったので、八幡様に祈願した。するとある夜ある人の夢に、年のころ40歳前後の美女が水上に現れ、あたり一面光り輝き、「水神ましませば、不浄を行なわじ」と告げた。翌朝目を覚まし井戸を見ると、井戸には水が湧いていた。
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シニンヲヨブゼンチョウ 1984年 山梨県 お墓が沈むと他の人(死人)を呼ぶというが、何百年も大丈夫だった家のお墓に穴があいたのをほっておいたら住職が死んでしまった。
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ショウジゴ 1976年 鹿児島県 親族が集まってユタを呼び、死者の霊を降ろす。儀式中にあくびをした者に霊がついた事になり、そのものはミソギをし、毎月旧暦朔日に、定められた泉川に行って祀る。これを怠ると、誰かが病気、または不慮の災厄に遭うなどの神罰が下るとされた。
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ハタガミサン,ハタガミ 1984年 新潟県 いつのことか分からないが、小立の運上納の下の浜へ、上品な美しい女性を乗せたウトウ船が漂着した。嶋川伊八郎家で世話したところ、次第に元気になって機を織るようになり、近所の娘たちも教わりに来た。その人が死ぬとハタ神として運上納に塚を築いてまつるようになった。縁日の7月7日には小木・羽茂・真野あたりからお参りをする人が来て、名前・住所・年齢を書いたあさぶのおりじまいを奉納したという。
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カシャ 1983年 茨城県 清宿の吉成氏が実際に見た話だが、自殺したある若い娘の葬式が野辺送りに出ようとすると、突然暴風雨のようになった。坊さまが「火車が亡者をとりにきたのだ」といって、棺の上にのり妙鉢をたたいて拝んでそのまま野辺送りをすると、嘘のように天候がもとのようになった。不慮の死をとげた人の葬式にはよくあることだという。
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イナリサマ 1995年 福島県 原因不明の顔面神経痛を病む娘を持つ母親が、占い師の言に従い、墓参りをして、墓地近くの家の稲荷様を参拝した。奇しくも家の者が寺院のあとを見学した日のことだった。間もなく娘の病気は治った。
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ヨゲン 1946年 村に飲んべえの占師の男がいた。この男はときどきとんでもないことを言い当てたという。あるとき、村の石屋の家が火事になることを予言した。石屋は妙見様の神主に火伏の祈祷をさせたり、火の警戒をさせたりして無事であった。
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