ヒノタマ,ジャンジャンビ 1935年 奈良県 大安寺のジャンジャン火は仇討ち伝説とも結びついている。田植えをしていた兄が、投げ上げた苗が当たったといって、生田伝八郎に殺された。仇を弟がとった。兄弟の魂が火の玉になったといわれている。
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ジャンジャンビ 1988年 奈良県 一条通りのセンダンの古木と、高橋堤のセンダンの古木から、ジャンジャン火が出て合戦をした。雨の夜には決まってジャンジャンと出た。長い尾を引いた青い火の玉で、火の中に年輩の男の顔が移る。奈良時代に死んだ公卿の怨霊だという。ジャンジャン火をみて熱を出し、死んだ人もいる。
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ヒヒザル 1937年 徳島県 猅々猿を取りに行って殺された兄の仇を討つため弟が大麻山に出かけて猅々猿をしとめた。
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カッパ 1980年 福島県 おとはの町近くに山があり、細い溝があった。ある幼い兄弟が溝でかじかを釣っていたところ、急にいなくなった。周りにいた子供が慌てて大人達を連れてきて探したが見つからない。ふと溝に小さな穴が空いているのを見つけ、その中を探すと尻が焼けただれ、内臓が無くなっている兄弟の遺体が出てきた。かっぱの仕業といわれた。
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ヒトダマ 1937年 大阪府 ある夏の宵、船町橋の辺りの川面を飛んでいた人魂を見つけて小僧達が叫び立てたが、やがてそれは消えてしまった。すると筋違橋の辺りの陶器商の主人は、咽が乾いて水を飲みに行ったが、悪太郎共に追われてやっと逃げ帰ったのを夢に見て汗びっしょりで目覚め、夢を妻に話してから頓死してしまったという。
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ジャンジャンビ 1928年 奈良県 豊臣時代大和郡山の城主は秀吉の弟であった。その家老の忰に亀井式部という若武士がいたが、深雪という百姓娘と恋に落ち、打合橋であいびきをした。そのことが洩れて式部は斬首となったが、懇願により打合橋で斬首となった。6月7日であったが、首は血を引いて橋の下に飛び、橋の下では深雪が式部の首を抱いて自害していた。それから6月7日の夜には2つの大きな人玉が東西から飛んできて打合橋の上をもつれ合いながらジャンジャンと音を立てて舞った。これを見た村人達は霊を慰めるために橋の袂で踊った。今日残るジャンジャン火である。
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バケモノ 1975年 東京都 法眼坂に住む小十人組の家の下女が雨の日暮に火の玉を見たというが誰も信じない。次の日の雨の日暮に同家の二男が長1丈程で白髪、金のような眼をして手に火の玉を持ち腰切の衣を着た化物と格闘した。家を建てた時に埋めた狐の仕業だろう。
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ユウレイ,トラ 1941年 朝鮮 平安北道鐵山郡西林面蓮山洞に昔富豪がいた。その富豪の後妻が先妻の娘二人を殺そうと考え、姉は後妻の息子に池に投げ入れられた。すると突然虎が現れて、息子の片腕を咬み取ってしまった。妹が池に選択に行くと、姉の幽霊が現れて事の次第を述べ、妹も後を追って池に身を投げ死んでしまった。それ以来、この地方の監史は2、3日の間に奇怪な死を遂げた。ある大胆な監史の前に姉妹の霊が現れ事の次第を述べた。監史が後妻らを処罰すると平穏になった。
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イニンビー,オニオオグスク,ヒノタマ 1975年 沖縄県 鬼大城が勝連城の阿摩和利を攻めたとき、2人の弟が戦死した。それ以後、チャンマーブ(喜屋武城)から遺念火(イニンビー)が出た。遺念火(イニンビー)は山手、川田、海辺、南原、小川を通り勝連城下のウダンビラに抜けていくという。2人の弟の遺念火であるといわれたが、火の玉は1つしかなかった。
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(メイトウ),ジロブチ 1988年 福岡県 井手太郎・次郎の兄弟は橘諸兄の末裔とも阿蘇家家臣井出氏の子孫とも言われている。この兄弟はそれぞれ太郎丸・次郎丸という名刀を所持していた。天保年間にボーシャという病気が流行して村人の半数以上が死亡したとき、村人はこれを先祖の祟りと考えて、悪病退散祈願のために「神渕」という渕に次郎丸を投げ入れたところ、ボーシャが止んだ。以来、次郎丸に感謝して地名を「神露渕」とした。
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ヒノタマ 1932年 熊本県 ある人の弟嫁と実父が続けて亡くなった。ふたりを埋葬した墓から火の玉が出て、弟の家へ飛んで行って再び墓に戻るか、墓の上を巴になって飛び回ると、噂された。
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アンドン 1956年 宮城県 太郎山の麓にいた二人の兄弟が山に行くと、白髪の老婆が行燈のそばで麻績みをしていた。この老婆を化け物だと思い、何度も鉄砲を撃ったが死なず、弟が家に玉を取りに行って戻ると、兄はすでに食われていた。弟が老婆ではなく行燈を撃つと化け物はいなくなった。狸が化けていたのだという。
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ヒトクイ 1969年 福島県 城主に二人の兄弟がいたが、弟が兄を食い殺してしまう。人を食うことを覚えた弟は美女に変装して安達ケ原に籠もり、やがて東光坊に祈り殺された。
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ボウレイ,ヒノタマ 1966年 愛知県 美しい女がいて、殿様が見惚れて連れて行くと言った。その義兄が弓矢で射られて死に、女は殿様の側女となったが、兄を思慕するあまり狂死した。その後、雨の夜毎に火の玉がさまよう亡霊となって人の目に触れた。
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レイビ 1959年 長野県 夜な夜な霊火が出る所は、対岸からもそれが見える。その場所は自学屋敷といわれ、城主の侍臣であったのが、主を害した罪によって毎日指を一本ずつ切られた後、殺されたことへの怨みであろうという。
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クビナシウマ 1958年 愛媛県 南北朝の戦争で、恨みを持って死んでいった兵士の血を含んだ土は盛上げられ塚となった。ある夜神官がこの付近を通ると、首なし馬に乗った兵士が現われ、神官に南に仕えていたが7代まで君主に仕えると言って消えていった。人々は石地蔵を作って、この霊を慰めた。
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ナナニンヅカ,(ケンノツカ) 1963年 愛媛県 昔、大内次郎左ェ門が上猿田を開拓した後、高橋兵庫守の子孫がやって来た。そのため高橋は大内氏に正月の挨拶に行かなければならず、快く思っていなかった高橋はある年、大内氏を名剣紫丸で斬った。このときに力余って茶釜も切ったが、以来、紫丸を抜くと必ず柄から大百足が出入りしていたという怪異が止んだ。この大内氏を祭ったのが七人塚だという。
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オニ 1941年 朝鮮 ある兄弟の乞食がいた。兄は心がよくなく、弟は良い心の持ち主だった。弟が物を沢山貰うのを妬み、兄が弟の目を棒で突き刺し、弟は盲目になった。ある日弟は固い栗を拾い、ある空き家の二階で休んでいると、鬼が目の癒し方を話している。弟が栗を囓ると音が大きく、それに驚いた鬼たちは逃げた。弟は言うとおり木の葉で目を洗うと目が見えるようになり、鬼たちの置いていった宝で大金持ちになった。兄も同じように目を潰し弟のようにしたが、逆に鬼に殺されてしまった。
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ジャタイ 1975年 香川県 兄弟のうち信心深い兄が寺参りの途中、大きな音がしたので弟が猟で大物を取ったと思ったがそのうち大蛇になった。弟は悲しんで兄を池に連れて行った。以来猟がうまくいかない弟に兄は片目をくり抜き、それで酒をつくれと言った。成功した弟は、大蛇の力を使っていることを咎められ、再び兄を沈めなくてはならなくなった。
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ダイジャ 1967年 福島県 菅沼平というところがあり、今は水が無くなり谷地になっている。承平年中、平将門の女弟がこの国に来たのだが、藤原秀郷のために嫉妬の恨みにより自害した。その魂は大蛇になり菅沼に住み、建久年中になり、人身御供をとるなどして村人を苦しめた。ところが白鳥大明神の霊験により大蛇を射殺することができた。大蛇を退治して帰ってきたところを来の原といっているが、今は北の原ともいっている。
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