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怪異・妖怪伝承データベース
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検索対象事例

ウグイス,ボウレイ
1936年 福島県
昔々、お園という10歳ほどの女の子がいた。あるとき、父親がお花という連れ子のいる女と再婚した。継母は我が子に家を継がせようと、父親が留守の間にお園を忙殺し、庭に埋めた。父が帰ってきたとき、お園を埋めたあたりから鶯が飛び出し、お園が殺された経緯を語った。継母は役所に突き出され、獄屋でお園の亡霊に責められて狂死し、お花は野垂れ死にしたという。

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タケブエ
1934年 香川県
昔、花子と言う継子がいて、母親には冷遇され、風呂で煮殺されてしまった。その死骸を畑に植えると竹が生え、坊さんがその竹を笛にした。東の風が吹くときに笛を吹くと、花子の父に「お父さん、私は竹になりました。お父さん鏡はいりません、お父さん針箱はいりません」という泣声が聞えた。急いで家に帰ると、継母は驚いて池に入って死んでしまった。
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オツキトオホシ
1956年 宮城県
お月は先妻の子、お星は後家の子で、どちらもかわいく本当の姉妹より仲が良かった。しかし後家の母は実の子のお星ばかりかわいがり、お月をいじめる。あるとき後家がお月を殺そうと朝から包丁を磨いでいるのをお星が見つけて尋ねると、後家は「南瓜をたく」と言い訳をする。利口なお星は真相に気づき、自分の布団にお月を隠し難を逃れる。次の朝殺したと思ったお月が起きてきたのを今度は石のカラヒツに入れる。お星はカラヒツの下の穴からこぼすようにとお月に芥子の実を渡し、泣きながら「春になったら迎えに行くから」と言う。お月は山奥の土中に埋められるが、春になって咲いた芥子の花をたどっていったお星が山奥でお月と出会う。お星が持ってきたお粥を食べて元気がつくと2人でどこかへ消える。後家は年をとってざとうになり「お月とお星がいるならば、なあしてこの鉦叩くべや」と言いながらほいとう(乞食)して歩いたという。
類似事例

シカムスメ,シカヒメ
1931年 岩手県
昔、ある奥方が山奥で産をしたとき、鹿にその子を託して死んだ。鹿は赤子を角にくくりつけられたまま山を下り、老夫婦のところに赤子を連れて行った。その子は鹿娘(もしくは鹿姫)と名づけられた。成長した後、長者の家の火焚女になり、長者の息子と結婚したといわれている。この娘は雀がとまったまま梅の枝を折ったり、引き綿の上を新しい草履であるいたり、水の上を歩いたりできたという。
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クビナシウマ,ウブメ
1976年 愛媛県
昔、東野の奥の城の若殿と、松末の城の姫は恋仲となった。両家は元々仲が悪かった。そのうち松末の姫は身ごもり、怒った松末城主は若殿を馬と共に殺した。奥の城主は怒り、姫を斬り殺した。姫は竹やぶに入り、赤ん坊を生んだという。竹やぶでは今でも赤ん坊と産女の声が聞こえ、雨の降る夜には首無し馬が若殿を乗せて走るという。
類似事例

ママコノウッタエ,スズメ
2001年
父が旅をしている間に兄妹が継母に殺される。帰ってきた父が子供たちを捜していると、雀が飛んできて、みやげはもういらぬ、父に会いたい、と鳴く。父が鳥のとまった木の根元を掘ると子供たちの死体が出てきたので、継母を処刑する。
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ユメ,タケブエ
1980年 香川県
継母は継父と相談して2人の継子を殺すことにしたが、死んだ実の母親が娘の夢に現れてその計画を告げ知らせた。娘はある和尚に助けを求め、殺されずに済んだ。しかし息子は和尚が駆けつけた時すでにゆで殺されてしまっていた。息子を埋めた場所には竹が生え、その竹で笛を作ると、実の父親に会いたいと言って泣くのだという。
類似事例

(オキクノタタリ)
1982年 群馬県
小幡の殿様が妙義で見初めた菊という女を侍女にし、寵愛したので他の侍女や奥方から恨みを買い、お菊が殿様に差し上げる御飯に針を入れられた。殿様は怒ってお菊を責め、お菊は宝積寺の山門まで逃げてかくまってくれと言ったが、寺は門を開けなかった。お菊は追手につかまり、蛇とムカデの入った樽に入れられ、宝積寺の池に投げ込まれて死んだ。お菊の母が「お菊が無実なら芽が出ろ」と池のほとりに炒りゴマをまいたら、芽が出た。お菊の祟りで宝積寺の山門は何度建てても焼けてしまう。
類似事例

イノスケ
1985年 新潟県
濁集落の老夫婦にイノスケという子どもがいた。10歳くらいのとき、父親が田から帰って足を洗っていて、煙草入れを忘れてきたことに気づきイノスケに取りにいくよう頼んだら、足を洗い終えると同時に帰ってきた。他にもイノスケが箪笥の錠の前で拍手を3つ打つと錠がピーンと開くのだった。親戚の会議でこんな不思議な子を生かしておくわけには行かないとなり、父親が山に連れ出すとイノスケは全て悟っていて、おとなしく鎌で殺された。父親も気が動転したのか、まもなく死んだという。
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オニ,ウチデノコヅチ
1915年 和歌山県
昔、継母が娘を憎み、底の抜けた籠を渡して林の中へ木の実を取りに行かせた。日が暮れても籠が満たず泣き、遠くに見えた家を訪ねた。家には老媼がおり、鬼が来るというので床下に隠した。鬼が帰ってきて娘を見つけ食おうとしたが、事情を聞いて涙を流し、振ると銭が出る打出の小槌を与えた。娘が継母に小槌を与えると継母は喜び、以後実子と同様に扱うようになった。
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ウグイスニョウボウ
1957年 新潟県
とんとん昔の話である。村相撲の時、かわいい娘が見に来ていた。相撲取りの一人が山の中にある娘の家に行って婿になる。しかし、約束を破って見るなといわれていた倉を見てしまい、娘は鶯になって飛んでいってしまった。
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カイコ,オジョウサン,ウマ,オコサマ
1977年 神奈川県
昔、馬がある屋敷のお嬢さんを見初めてしまった為、殺されてしまった。ところが、このお嬢さんが外出しようとした時、戸口に干してあった馬の皮がお嬢さんを包み込んでしまい、結局、このお嬢さんはそのまま死んでしまった。弔いの後、その墓の上に1本の木を植えたところ、この木が芽吹く頃に虫がたかり、それがやがて美しい蚕となった。これが蚕の始まりであり、子の為にオコサマは馬の形をしているのだという。
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トリ
1977年 福島県
ある家に先妻の子と後妻の子がいた。後妻は夫が留守の間に先妻の子を殺したが、後妻の子もその後を追った。後妻は2人の死体を流しの外に埋めた。夫が帰ってきて娘たちの行方を尋ねていると、美しい鳥が二羽出てきて鳴いた。不思議に思った夫が地面を掘ると、2人の遺体が出てきた。
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(オキクノタタリ)
1982年 群馬県
国峯城主の小幡公が侍女の菊ばかりを寵愛したので他の侍女が妬み、公の御飯に針を入れて、菊の仕業とした。菊は蛇責の刑となり、桶に入れられて宝積寺の池に沈められた。日野村の小柏源六が通りかかった時に桶を開けると、大量の蛇と瀕死の菊が出て来た。菊は「このご恩にお家に蛇の害は無いように致します」と言って亡くなった。お菊の母が「お菊が無実なら芽が出ろ」と池の辺に炒りゴマをまいたら、芽が出た。お菊の祟りで小幡家に戦死や切腹の沙汰が続いたので、宝積寺に碑を建てて供養した。
類似事例

オシラサマ
1956年 中国 晋
娘が父を思い、父を無事に連れて帰った者の嫁になると宣言したが、部下は誰一人連れ帰ることができなかった。馬がそのことを聞き、父を連れ帰ったが、父は怒り馬を射殺して皮を庭に晒した。皮は娘を捲いて飛び去り、やがて女は蚕となった。
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トミヤ、ヘビ
1956年 宮城県
昔、富谷の長者の娘へ夜な夜な通う美しい若殿があって娘はみもちになる。ある日娘が蛇に呑まれかけている蛙を助けてやると、その蛙が恩返しのため易者に化けて娘を訪ね、「毎夜通ってくる男は蛇だから、今夜来たら着物の裾に針を刺しておけ」と教える。娘は易者に教えられたとおり針を刺し、翌朝糸を手繰ると、近くの山の大杉のゴラ穴に入った。そのとき杉の木にとまっていた1羽の鴻の鳥が穴から蛇を引き出して十切れに噛みちぎって殺した。村の人は祟られないように一切れずつ十の宮を作って祀り、これを十宮と称したのがのちに富谷となった。娘は身重を恥じて川へ身投げして死ぬ。今も娘の名をとってそこをおまさ渕という。
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サルノヨメゴ
1956年 宮城県
昔、ある家に娘が3人いた。ある年の日照りに、どこの田にも水がなくて困っていると、1匹の猿が来て、「あんたの田に水をいれてやるから、娘を誰か1人くれ」というので父が承知すると、猿は忽ち水をためる。父が猿との約束を心配していると、末の娘が快諾して猿の嫁となる。2,3日後、猿と娘がお舅礼に来る途中、藤の木の前で、父にこの藤の花をとっていきたいと娘が言う。猿は木に登ってとろうとし、娘がもっと先というのにつられ、先まで行った。するとからまった藤のつるが木からはなれて猿は川の中に落ち、娘は無事家に帰ってきた。
類似事例

オシラサマ
1956年 中国 晋
娘が父を思い、飼っていた馬に父を無事に連れて帰ったならば馬の嫁になると約束した。馬は父を連れ帰ったが、父は怒り馬を殺して皮を晒してしまう。皮は娘を捲いて桑の木の間に飛び去り、やがて蚕となった。
類似事例

ホトケ
1941年 不明
心中しようとした家族の息子を、通りかかった人が不憫に思い連れて帰って自分の娘と添わせるために育てた。するとその息子は他に女をこしらえてしまったので、娘は家を出た。母は娘を探し出し、どうか家に戻ってくれと頼んだ。そこへ娘の言い交わした男も一緒になってくれといいに来た。娘はどっちに行けばいいかわからず、橋から身を投げた。娘の体は二、三間流れたあと仏になって緋の衣を着た姿になり、わきへ上がっていった。
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ウマ,カイコ
1940年 中国
頼みごとを叶えてくれたら妻となることを、飼っていた馬と約束した女がいた。ところが、望みが叶っても実行に移さないばかりか、父親がその馬を殺して皮を巻中に晒した。すると、その皮が女を取り巻き、桑樹に飛び去った。女は蚕にされてしまったのであった。
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オハナナシ,メギツネ,チノヨウニアカイナシ
1987年 長野県
御所平の長作と原のお花は互いに愛し合い,一緒になれない時は心中しようと決めていた。その様子を見ていた山の女狐は人間の愛に感動し,長作の事を好きになった。ある日,お花が長作の前に現れ心中をせがんだ。二人は住吉の森にある梨の木で首を括ったが長作だけが助かってしまい,恐くなった長作はそのまま村を出奔する。その後村人が梨の木を見ると,そこには1匹の女狐が首を吊って死んでいた。数年後,この話を知った長作は村へ戻り,お花に事情を説明して一緒になろうと願ったが,聞き入れられず,お花は姿を消してしまった。
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