オッサン,オジサン 1932年 石川県 明治初年頃、子供が夜中から居なくなった。7、8日目にその子供が猫岩という岩頭にボンヤリとたたずんでいた。おじさんが一緒に来い、いい所につれていってやると言われた、と言ったまま、子供は口をつぐんだという。
類似事例 |
|
テング,カミカクシ,アカイカオノヒト 1982年 新潟県 昭和の初めころに村の子どもが神かくしにあった。夕方遊んでいるうちにいつのまにかいなくなり、大さわぎになって村人が一升マスの底をたたいてその子の名をよんでさがしたが、みつからなかった。二、三日して青海町外波から、帰ってきた。赤い顔の人につれられて山へいったというが、くわしいことはわからない。
類似事例 |
|
テングサマ,カミカクシ 1983年 富山県 40年位前の話で、隣村である砺波で一人の子どもがいなくなって村一同で名前を呼んで太鼓を叩いて探したが見つからなかった。2晩いなくて、3日目の朝に川のふちの木の根っこの側に子供が笑って坐っていて見つかった。2日間ものを食べずに、雨も降ったのに着物はぬれていなかった。子どもに尋ねてもさっきから坐っていたという。これは天狗さまの仕業だと言った。また、神隠しで、子どもを粗末にするからだとも言った。
類似事例 |
|
カミカクシ 1956年 東京都 7,8つの子供が神かくしにあった。鉦太鼓の鳴物で探し回ったが見つからない。諦めようとした頃、大きな屋敷の松の木の根の所にポツンと立っていた。「赤い団子を食べていた」とだけ言った。
類似事例 |
|
テング,カミカクシ,アカイカオシタハナノタカイショ 1982年 新潟県 ある夕方に、9つくらいの村の子どもがお宮の木の下に下駄を脱いだままどこかへいってしまった。村の衆は神かくしだといって、マスの底を棒でたたいてその子の名をよんで探しまわった。2、3日して昼ころに泣きながら帰ってきた。どこへいったと聞くと、赤い顔した鼻の高いしょ(人)に連れられて山道を行くうちに分からなくなり、目をさますと、山奥の、朴の葉っぱをしいたとこで、それから、やっと帰ってきたといった。
類似事例 |
|
ヤマオンナ,キツネ,ヨウジガサラワレタハナシ 1956年 宮城県 昭和10年(1935)頃、ある中年の婦人が3つになる女児を連れて仲間と一緒に薪を伐り出しに出かけ、仕事をする間、女児を傍らの草むらに寝かせておいた。しばらくすると女児の姿が見当たらない。山中を探しても見つからず、翌朝、前日よりもさらに大掛かりな捜索を行なうと、二タ山越えた隣り部落の山の中腹の岩の上に、木の葉を敷いた上にポカンと腰を下ろしていたのが発見された。女児に尋ねると「アァチャン(母ちゃん)といっしょに寝た」とこたえた。村人は山女か狐の仕業だと語り合った。
類似事例 |
|
カミカクシ 1930年 京都府 数年前、6~7才の男の子が神隠しにあった。男子は山の笹の中にいるところを炭焼きに見つけられた。男子はひげの生えた人にきれいな花の咲いた所へ連れていかれ、うまいものを食ったと語った。
類似事例 |
|
テング 1922年 岩手県 炭焼きをしていた子供が、大檜のところで白髪の老人に連れ去られ、岩屋に住むようになった。食べたことも無いようなおいしいものが出てきたりしたが、両親が祈願をこめた八幡神社のお告げには天狗も逆らえず、子供を返した。
類似事例 |
|
テング 1931年 長野県 秋祭のとき子供が消えてしまった。母親は狂ったようになって探したが見つからなかった。翌年若者が山で子供の着物を見つけた。その子の着物だった。これは天狗の仕業で食べてしまったのだといっていた。
類似事例 |
|
テングサマ 1990年 長野県 家の近所で5・6歳の子供が居なくなって、「てんぐ様にさらわれた」といって村中で捜したことがあった。缶カラや鐘を叩いて捜したが見つからず、朝になると子供が1人で戻ってきたという。子供が言うには、林の中の馬頭観音様の所で寝ていたという。
類似事例 |
|
キエタヒト,タクハツ 1987年 奈良県 お父さんの体が弱いので、その子供が半日歩いて村に食べ物を貰いに来ていた。その子がいなくなり、だいぶ探したが見つからなかった。そうしたら一週間ほど後、どこかのお稲荷さんのどこかから出てきたという。
類似事例 |
|
キツネ 1983年 岩手県 1930年前後のこと。話者の母は炭焼き小屋にいる息子に夕飯を持って行って、行方不明になった。夕飯が遅いので息子が心配して足跡を追うと、その脇に狐の足跡が附いていた。母を見つけたときには夕飯は食べられていた。
類似事例 |
|
カミカクシ,キツネ 1954年 奈良県 中学生の頃、ある家の4、5歳の子供が、夕方急に姿が見えなくなり、神隠しになったことがあった。狐に入られたというとことになって、村中総出で、桝の底を叩いて子供を捜しに出かけた。
類似事例 |
|
カゼノサブロウ 1977年 青森県 秋の日露戦争慰霊祭の日の風の強い夕方、原集落で7,8歳の男の子がいなくなった。翌日、夏坂の山でキノコ狩りの人たちがその子が大きな切り株に座っているのを見つけた。風の三郎にさらわれたのだということになった。
類似事例 |
|
キツネ 1991年 奈良県 昔、ある子供が学校に行く時に、いつも狐の巣をつついて悪戯をしていた。ある日のこと、その子が帰ってこなくなった。それでみんな大騒ぎをして、山へ探しに行った。缶を叩きながら名前を呼んで探した。そうしたら、穴に埋められて死んでいる姿で見つかった。
類似事例 |
|
カミカクシ 1952年 山梨県 7歳の子供が神隠しに遭った。ガンガラを叩いて大規模に探し回ったが見つからない。10日ほど後、内廊下にひっそり立っているのが見つかった。それから3日ほど口も聞かず食べ物も食べずにいたが、段々と元に戻っていった。
類似事例 |
|
テング 1996年 神奈川県 85・6歳の人が3歳ぐらいのとき、行方不明になった。3日目に、1里ほど離れた天狗あらしで見つかったが、3つの子供の仕草とは違っていた。何を食べたかと聞いたら、饅頭を食べたと言った。天狗にさらわれたらしい。
類似事例 |
|
カミカクシ 1977年 山梨県 神隠しで、昔、子供がいなくなったので、村中捜しまわって、日暮れにイチノミヤ神社にいるのを見つけた。白い髭のおじいさんに連れられていって、気がつくと神社にいたという。
類似事例 |
|
オカネウムムスメ 1956年 宮城県 昔、名鰭沼のふちに夫婦が住んでいた。子どもになかなか恵まれず、願かけて神に祈っていると、春の猫柳の芽がふくれる頃、嫁の腹が大きくなり、ついに女の子が生まれた。しかし片目片耳の子だったので、人目をさけてボロに包んで納屋においておいた。あるとき用事で、どうしても子を背負って町にいかなければならぬことになったので、慎重に包んで出ていった。町の用事がすんで帰るとき、石の上に子どもをおろして休んでいると、腰のまがった白髪の爺さんがきてボロをはがして子どもを見て「これはいい子だ。神様の授かりものだ。今にお金を生むから毎朝米一粒ずつつかませておけ」と言い残して消える。ためしに米一粒つかませるとお金を一つ産んだ。夫婦はしだいに金持ちになったが、慾の出た夫婦は「うんとつかませたらうんと生むだろう」と、ある日つかみきれないほど米をつかませると、子どもは死んでしまった。
類似事例 |
|
テングサマ,カミカクシ 1989年 長野県 子供が神隠しにあって帰ってきて、てんぐ様に連れられて大阪に行ったなどと言う。だいたい3日から5日すると帰ってくる。村中で探したところ、家の庭にいたということもあった。神隠しにあって、帰ってこない人もいたという。
類似事例 |
|