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怪異・妖怪伝承データベース
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検索対象事例

ジゾウ
1922年 宮城県
唐桑村と鹿折村の境の峠には一体の地蔵がある。元禄寛永の頃、峠を夫婦の六部が通りかかったときに妻が産気づいて赤子を産んだ。夫が人を頼んで戻ってみると母子ともに姿がなかった。その後世安楽を願って地蔵を建てた。悪戯で沢に転がされたときには夢枕に立って所在を告げた。

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コヤスジゾウ
2001年 奈良県
桶屋の一行が地蔵の前を頭を下げて通ったところ、嫁が妊娠した。その後、乞食が地蔵のお堂で寝ていると、お坊さんが馬から下りてきて、田山で生まれたという子供の話をしていた。乞食が確かめに言ってみると、それは桶屋の家で、それからその地蔵は子安地蔵と呼ばれるようになった。
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ジゾウボサツ,セイメンコンゴウ
1983年 愛媛県
柿の木部落に地蔵菩薩を信じる兄と青面金剛を信じる弟がいた。弘法大師がやってきて兄弟に感心し、それぞれ仏像を刻んだ。後世、松が鼻に地蔵堂を、松尾坂麓に青面金剛の堂を作った。乱世で失ったが、その後北宇和群広見町深田の庄屋河野勘兵衛通行が松が鼻で石を枕に寝ていると夢地蔵菩薩が現れ、掘り出して供養すれば婦人のお産を安泰にする、と告げたので掘り出して祀った。これが現在の子安地蔵である。その後再び夢のお告げと二匹の猿の導きで松尾坂の青面金剛も掘り出し、お堂を造り祀った。これが現在の庚申堂である。
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オニ,ユウレイ
1979年 岐阜県
昔一人の僧が美濃の国、今須の村にさしかかり、一夜の宿を乞うたが、どこの家でも断られた。仕方なく村のはずれの、墓場の六体地蔵の影で一夜を過ごすことにした。夜になると鬼が5、6匹出てきて、妙という老婆の幽霊をいじめるのを目撃した。僧はどこかの家で成仏できない人がいるのではと考え、一軒一軒尋ねると庄屋の母親であることが分かった。その老婆は生前欲深く村人に恨まれていたため、成仏できないのだろうということになり、僧は供養の為にお寺を建てさせた。その後鬼や老婆の幽霊は出なくなったという。
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ヘビジゾウ
1956年 宮城県
近くの化粧坂に機を織って暮らしていた母と娘に、ある夜美しい若者が訪ねてくる。若者が足繁く通ってくるので、娘は母のいいつけで男の裾に糸をつけた針を刺し、翌朝糸を手繰って行くと穴に入る。村人を呼んで掘ると白蛇が現れたので打ち殺し、供養に地蔵を建てた。
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キツネ,(オンガエシ)
1956年 宮城県
明治中期,この土地に名医がおり,夜中に難産の往診を頼まれた。山の手の沢の奥に別荘風の邸宅があり産室に通された。手当てをし双生児を取り上げた時点で,名医には産婦が異類の者だとわかっていたが,最後まで手当てをしてやった。そこへ年老いた両親が出てきて厚くお礼を述べ,名医は御馳走と包み金を貰って帰宅した。包みの中は本物の小判であった。翌日,前夜の場所と思しいところに人をやったが,そこは人里からやや離れた沢の奥で家などはなく,ただ岩の横穴が一つあっただけであった。部落で尋ねると,その辺りにそういう家は一軒もなく,また昨夜部落で婚礼振舞があった際膳部が一人分なくなったということであった。
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コソダテジゾウ
1987年 長野県
和の東上田にある。昔,仲のいい夫婦がいたが子供がいなかったので,家の近くの地蔵さんに子供を授けてくれるよう一日も欠かさずお参りした。何年か経ってついに女の子が生まれ,大変可愛がっていたが,3つのとき流行病で亡くなってしまった。ある夜,お地蔵様の所へ行って見ると,石の地蔵様から光が出ているように見え,何処からともなく仏様の声が聞こえた。「お前達の娘はこの地蔵に生まれ変わった。この地蔵を娘と思って育てなさい。」というので,夫婦はそれから明るくなって地蔵さんの世話をした。
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セリザワノサラヤシキ
1956年 宮城県
昔,芹沢という者が武芸の腕によって禄とこの土地を賜った。それから三代後の当主の時の話。ある正月,同家の女中が主人秘蔵の錦手の皿十枚を箱に納める際,一枚を落とし毀してしまった。しばらく隠していたが遂に露見し,一刀のもとに斬り殺された。その後毎夜のように同家の水屋に女中が現れ,「一枚,二枚,三枚・・・九枚・・・おお・・・」と恨めしげに訴える。主人は自らの仕打を悔い,女中の霊を慰めるために石地蔵を刻み,自分の山の頂に建てた。また不吉の刀を地中に埋め,小祠を建てて祀ってやった。以後女中の声も聞こえなくなったという。今でもこの山を地蔵山と呼ぶ。なお旧芹沢家には別人が住んでいるが,その後は何の変事も起こらないという。
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オカマジゾウ
2001年 愛知県
弘仁の頃に丹羽郡小折村に若夫婦があった。一子を預け給えと信願すると、男の子を授かり、常丸と名付けた。妻はある日帰らぬ人となり、夫は再婚したが、継母は常丸を虐待した。夫が行商に出かけた折に継母は常丸を煮殺そうとする。夫は胸騒ぎがして引き返し、子供から一部始終を聞く。地蔵様が湯から引き上げてくれたという。これを聞いた継母は改心し、釜と地蔵を貰い受けて尼となった。これより名付けてお釜地蔵という。
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イウナジゾウ
1970年 滋賀県
栃の木峠に小さな地蔵がある。昔、その地蔵のところで男が人を殺した。男は地蔵に「誰にも言うな」と言ったところ、地蔵は「わしは言わぬが、おまえが言うな」と言った。男はその後、良心にかられて自首した。以来この地蔵を「言うな地蔵」と呼ぶ。
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アカウシ
1993年 香川県
昔、おばあさんが金毘羅参りからの帰り道、五重谷にさしかかったとき、赤牛があ追いかけてきた。おばあさんは魔物ではないかと思い、隠れていた。牛はどことなく消えたが、それを供養するためにお地蔵様を建てた。
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ジイシ,バイシ
1987年 長野県
昔,松代の金持の年寄り夫婦が,上田に住む娘の所へ孫が生まれたお祝いに行こうと籠で地蔵峠を越えた。しかし,そのときの籠かきが性悪な二人で,金剛寺峠に差し掛かると夫婦から金を奪い,籠ごと山の中へ放り投げて行ってしまった。その時,転がり落ちたおじいさんは山の途中に引っかかって爺石に化け,お婆さんは林の中で止まって婆石に化けた。また,籠は山の神の傍に落ちて籠岩に化けた。
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トクマノジゾウ,ユメマクラ
1987年 長野県
昔,村のある百姓の夢まくらに地蔵が現れた。教えられた畑を掘ってみると,首のない地蔵と,すぐ近くで地蔵の首が見つかった。現在は胴体と首を合わせて安置してあり,霊験あらたかで多くの参詣者を集めている。
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コソダテジゾウ
1956年 宮城県
西村大助という者が荒谷の鳥蔵に殺され、妻も斬られて死ぬ。そのとき傷口から女の子が生まれる。地蔵が親となって育て、成長ののち、地蔵が助太刀して敵討ちをさせた。人肌地蔵と子育地蔵と二体立っていたが今はない。幼児の夜泣きをとめるという夜泣地蔵が立つ。
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ヘンドバカ
1975年 愛媛県
150年ほど前に、葛谷に妻を亡くして子と暮らしている男がいた。宿を貸した四国遍路と結婚の約束をしたが、女が数日留守にして戻ると親族の反対に合い、女は家を出た。その日は大雪で、女は雪で動けなくなり谷に落ちて死んだ。以来、その家には不幸が続いたので、死んだ場所に地蔵を建てて、霊を祀ったという。それを遍土墓と呼んでいる。
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オンナ,ジゾウサマ,キツネ
1938年 長野県
狐を見届けてやろうと田へ行くと、子持ち女が赤子を背負って一軒の家に入った。家のものにその女は狐だというと、家の者は怒って男の首を切った。首を切られた男は菩提寺に行くと地蔵様が「我が乗る花はこれなるぞ」と言う。気付くと寺の菊畑をみんな踏んでいた。
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ミズゴイジゾウ
1990年 長野県
元禄3年より前に、原本村の丸山家で井戸を掘ったところ、地蔵様が出てきた。村で地蔵を建てて祀った。水の欲しいときにこの地蔵様を女鳥羽川に投げ込んで祈ると、雨が降ったという。
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コサカトウゲ
1956年 宮城県
七ヶ宿街道の東の起点上戸沢は、仙台藩の境目番所のあった所で、ここから伊達郡の桑折に下る坂は、九十九折の険しい坂路であった。昔、伊達郡貝田の妊婦が、臨月の腹をかかえて峠を登りつめたとたん出産したが、母子ともに無事だった。それ以来この坂を子坂と称し、ここの小石を妊婦の袂に入れ、または砂を紙に包んで懐に入れると、安産するといわれた。
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トラマツノヒ
1984年 埼玉県
昔、白石に乞食の親子が居ついていたが、子どものトラマツが盗み食いをして、村人に殺されてしまった。村人はその死がいを峠の木の枝につるしておいたので、親の乞食は「この土地に祟れ」と言ってどこかへ行ってしました。その後、白石では何かよくないことが起る度に峠に青い火が見えた。その火をトラマツの火といった。後にムラの人たちはトラマツのために地蔵を峠に建てて祀り、それをトラマツ地蔵という。
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オシドリ
2002年 栃木県
大町に六面に六地蔵を彫った五重の石塔があり、鴛鴦塚という。昔この辺りに猟師がいて、求食川上流の求食沼で、雄の鴛鴦を射止めて首を切り、体だけを持ち帰った。翌日同所で雌鳥を射止めると、その翼の下に雄鳥の首を抱いていた。之を見た猟師は発心し、本宮寺に入り、求食川の河畔に草堂を結び、鴛鴦夫婦の塚を設け、冥福を祈ったという。
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バアトイシジゾウ
1956年 宮城県
昔、老夫婦がいた。婆が庭を掃いていると角から豆粒が1つ転がり、馬小屋の側の小穴に入った。婆がもったいないとその穴を掘っていくと、広い野原に出てそこに石地蔵が立っていた。婆が地蔵に豆が転がって来たかと聞くと、地蔵が「豆はそこの俵の中に入ったが、まあ遊んでいけ」というのでしばらく休んでいた。地蔵は「今から面白いことがある。何があっても声を出すな。俺が手を上げて合図したら鶏の鳴く真似をしろ」といったので、婆は俵の中で黙って待っていると、鬼が集ってメクリ(賭け事)をはじめた。鬼が金を出して盛んになってきたとき地蔵が合図し、婆が地蔵の言うとおりにすると鬼はみんな逃げ、婆は鬼の金を地蔵からもらって帰った。隣の慾深婆が火を貰いにきたときその話を聞き、真似をするが、地蔵の合図する前に鳴いたので、鬼にばれて両耳をもがれて帰ってきた。
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