オニ,ヤマンバ 1978年 山梨県 鬼だか山姥だかが山を背負ってきたが、背負うのに使っていたオンガラが切れて、けちな婆さんが代わりのオンガラをくれなかったので仕方なく置いていった土が中山になった。
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オクリオオカミ 1979年 岐阜県 中山神社にオイヌさまが祀ってある。夜そこへお参りに行くと、帰り狼が送ってくれる。狼は頭の上を飛び越えるのだが、速くてわからない。砂がかぶり笠に落ちているので、狼が送ってくれたことがわかる。
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テングサマ 1989年 長野県 二股に分かれた、真東を向いていると朝日がさす、神様の休む木であるヒナタノキというのがあったが、上中根の人がこの木を伐ってしまった。その罰が当たって、てんぐ様にそこら中を連れて歩かれた。近所中で探したが、見つからない。すると、ぼうっとなって帰ってきたという。
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ヤマノカミ 1963年 群馬県 山の神はオコジョが大好きで、「さーつとひったくられて、供える手まで持って行かれてしまうから気をつけろ」と言われるほどである。
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オシラサマ,タタリ、オグナイサマ 2001年 青森県 佐々木家にもとあったオシラサマは、この神が暴れて困った分家から預けられたものであったが、これを祀る家では鶏卵を食べられなくなってしまって困るので、川に流して捨ててしまった。そのときは何もなかったが、ある年に主人が眼病を患ったところ、これが捨てたオシラサマの崇りであることが分かったので、新しくまた神を祀ることとした。7・8寸の男女2体の人形で、オセンダクは首からまとい、オグナイサマと呼んでいる。
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カミサマノセンタクドマリ,オミヤノカミサマ,トナリノムラノカミサマ 1982年 新潟県 旧暦9月29日は、オカミオクリといい、クンチアレという雨風の強い荒れ模様になる。村々の神様は「神様の洗濯どまり」で、馬に乗って出雲の社へ1ヵ月泊まりにいかれる。昔、この夜に長岡の成沢のお宮へ乞食が泊まっていたところ、隣村の神様が鈴馬で来て出雲行きの誘いに声をかけたが、そのお宮の神様は乗っていた馬の足が折れてしまって、あいにく今夜はいかれないと答えた。次の朝乞食は、絵馬の神の足が折れていたのを見つけ、直してやった。
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ネガミ,ヤマノオンカミ,アカゲモノ,ブナガヤ 1989年 沖縄県 昔、謝名城村の根神である老婆が山へ薪をひろいにいくと、身長1メートル未満の赤毛者と出会った。山の御神であるらしいので「今日は薪を取りにきた。一度で薪が取れるところを教えてくれ。そして無事に帰してくれ」と頼んだ。するとその赤毛者は消え、それが居た場所には大きな蟹が1匹いて、ブナガヤだとわかった。山を降りる途中、たくさんの薪がある場所にでくわし無事に帰った。
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キシン 1927年 長野県 昔、鬼神が一夜のうちに富士山と御嶽を同じ高さにしようと天秤棒で簀をかつぎ、土を運んだ。高くなったと思う頃に、鶏が鳴いたので天秤棒を投げ出して逃げ、片方の簀の土が一簀山になった。
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ダイジャ 1971年 岐阜県 神様が大蛇を退治して3つに切ったら、頭は大峰山に、胴は串原集落の中山神社に、尻尾は駒山神社になった。
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オニ 2003年 福島県 昔、福島盆地が湖水であった頃、鬼がタンガラ(背負籠)を背負って吾妻山から土を運び、湖水を埋めようとした。しかし作業の途中で夜明けが来たので鬼は姿を隠した。そしてできあがったのが信夫山であり、ダンガラについた土を落としたのが一杯森(福島市森合)であるという。
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ムカデ,ヘビ 1982年 群馬県 赤城山には九十九谷あり、もう1谷あると高野山と同じになるというので、赤城の神が日光に取りにいったところ、日光の神に見つかって戦いになった。赤城はムカデ、日光はヘビになって戦い、赤城様はオカボの藁で縛られてしまった。以来、赤城様の氏子はオカボを作らない。
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デイラボッチャ 1990年 長野県 昔、デイラボッチャが西山と東山を天秤棒にかけて担いできたが、もっこからひとかけらの土が落ちた。それが中山で、西の方に落ちたのが小倉の室山だという。
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オクナイサマ 1915年 岩手県 ある夜、南澤の某の家に盗人が入り、座敷から大きな箱を背負い出そうとした。しかし、オクナイサマに取り押さえられて動けなくなった。夜が明けて家の者が起きてみると、オクナイサマは神棚から降りて、盗人の荷物の上に乗っていたという。
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ヤマノカミ,テング 1987年 岐阜県 90年前、トラタロウという人が山に行ったきり、3日3晩帰ってこず、石油缶や鉦を叩いて皆で探しに行ったところ、木の上の方の枝に引っかかっていたという。これは山の神か天狗の仕業だろうとうわさされた。
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テングノコシカケマツ 1986年 埼玉県 中山の観音山の中腹には松の古木が沢山生えており、それらを「天狗の腰掛け松」と呼び、誰も伐ろうとする者はいなかった。ところが、ある村の若者がこれを伐り倒したところ、その晩天狗が若者のもとにやってきて、陰茎を切り取り、裏山の天狗松に引っ掛けられた。
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イケノヌシ,ヘビ 1994年 鳥取県 村の神主歌会のためが京に上るとき、日光池を渡れないでいると、蛇が出てきて神主の娘を1人くれれば渡すと言った。神主が3人の娘のうち1人を渡すと、水が引いて渡れるようになった。そのとき娘に付き添った下女が落ちたのが下女が池。
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ロクブ,タタリ 1989年 長野県 正月のオカンニチの晩、酒屋の老人がオンタサマに「村内で大勢人が死んでいるのは何故か」と尋ねた。すると「オンタゴンゲンとして教えることはできない」と言った。此田のお宮の木を村人が売ったので立腹しているという。代わりに白倉権現が昔やって来た7人の六部の鉦を奪ったからで、その鉦を1つ叩くと八十八カ所の観音様の霊が寄ってきて、それが此田に浮遊しているので送り出さなければならないと教えてくれた。送った後はショーゴー霊神として祀らないとこれから三ヶ月の間に15・6件の大難を受けるという。その通りにして祀った。
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カミサン 1980年 広島県 昔、千本平という山の松を寺に寄付するために切っていたところ、木挽きが松の木の枝に御神体を見つけた。「このカミさんをください」と地主に願い出て承諾をもらい、抱えて家に帰ろうとしたが、急に足が重くなって歩けなくなった。仕方ないので引き返すと、急に足が軽くなった。カミさんが元の場所に帰りたがっているのだろうと考えて、事情を話して地主に返したという。
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ヘビ 1966年 静岡県 昔、田村将軍が天竜川を渡ろうとしたときに、アリマタの池の蛇が松の木を倒して渡してくれた。そして蛇は田村将軍の妻になり、9尺四方の部屋で子を産んだ。ところが、蛇が赤子の腰のあたりのコケラ(鱗)を舐め取ってしまわないうちに田村将軍に覗かれてしまい、蛇は子どもを置いて逃げてしまった。その子は後醍醐天皇を祀る奥山の半僧坊に祈祷して鱗を取ってもらった。今でも「コケカクシ」という袴が祀ってあるという。
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タヌキ 1996年 香川県 中山の和兵衛さんが菓子を背負って玉越村へおろしに来た。すると狸に化かされ、東の峰へ登らずに南の方へ登っていった。和兵衛さんが大声をあげたら、村の若い衆がかけつけてくれた。和兵衛さんは足を血まみれにして座り、菓子は食べられていた。
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