グンダリサン 1979年 山梨県 軍刀利神社の祭神、グンダリサンが草を薙ぎ倒して山の上に登って様子をうかがったので、その坂をクサナギ坂と呼び、それがサナギ坂(蛹坂)と呼ばれるようになった。
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ハナヤマ,コマガタネゴンゲン,オンタケゴンゲン 1956年 宮城県 駒形根の神と御嶽の神が一緒に陸奥へ下り、今の築館近くの一迫川で美しい花が流れてくるのをみて、花の咲く山を求めて溯る。途中休息のとき、駒形根の神は眠りこけた御嶽の神を置きざりにして進み、二つの山のうち景色のいい方を選んだ。これが御駒山の駒形根権現である。御嶽の神は後から来て片方の山に決めた。これが御嶽権現の山で、やがて満山美しい石楠花が咲いた。駒形根の神は石楠花をほしがったが、御嶽の神は自分を置き去りにしたのを憎み、やらなかった。今もこの花は御嶽山にはあって、駒形山にはない。
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ヤマオトコ,ヤマバンバ 1963年 山梨県 峯から峯をひとまたぎにし、塩山と石森山を天秤棒にかけて担いだり、一晩で本栖湖を掘り、富士山を築き上げた。
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ヨミヂカヘリ 1944年 新潟県 ある人が仮死状態に陥った時、谷間のようなところをどこまでも降りてゆき、ようやく着地したと思ったところから一本道を一町ほど歩くと洞穴があった。そこに入ろうとしたとき誰かに呼ばれたような気がして振り返って気が付き蘇生した。
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ヤマンバ 1926年 長野県 駒ケ岳西北の山中に、山姥の池がある。昔、麓の大原の娘が嫁に行った後に山姥となり、柳の杖を突いて山野を放浪し、池に身を投じた。杖は成長し、柳の木になった。
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キツネ 1973年 山梨県 キツネに化かされていつまでも山を歩いた人がいた。山の中に持っていたアブラゲを食べられてしまった。
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マゴタロウ,オオオトコ 1931年 香川県 昔、孫太郎さんという大男が、二子山と飯野山を一跨ぎに跨いだ。その足跡が両方の山の山頂に残っている。
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ダイダラボッチ 1977年 神奈川県 ダイダラボッチは富士山を担いで西から東へ旅をして相模国まで辿り着いたが、ここでさすがに疲れて休憩した。だが、休憩を終えて富士山を再び担ぎ上げようとしても、びくとも動かなかった。力をこめて踏ん張ったが、縄は切れてしまい、踏ん張っていた足が地面にのめり込んでしまった。この地面にのめり込んだ足跡が鹿沼である。
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ダイダラボッチ 1975年 静岡県 ダイダラボッチという大男が藤蔓で山を縛って持ってきたら、足柄山のところで蔓が切れてしまった。それが今の矢倉岳。そのため矢倉岳にはクツバフジはない。ダイダラボッチはこの山を富士山の上に乗せる気でいたという。
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ユキオンナ 1956年 宮城県 作並温泉地入口の名マタギ岩松多利吉老人からの聞書。只野淳氏による。(昭和14,5年から)四十余年前の寒中,当時16歳だった多利吉少年は父と大東岳の南麓に狩に出た。獲物も無いまま夕暮となり,激しい嵐となった。多利吉は父に背負われ,七時過ぎに奥新川の下りの林が開けた所に出た。不意に父から「雪女が来たから決して声を出すな」と囁かれたので恐々覗くと,雪の広場の向こうから真っ白い着物,蒼白い顔,背のほっそり高い女が歩いてくる。父の背中にしがみついていると父は黙って雪の中を駈けおりだし,部落の灯りが見えるところまで逃げてきた。後で父は「雪女が来た時は道を譲ったり,後ろに逃げたり,声を掛けたりすると魅入られて殺されるから目をつぶるようにして一目散に走るより他に方法は無い」と語った。
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キシン 1927年 長野県 昔、鬼神が一夜のうちに富士山と御嶽を同じ高さにしようと天秤棒で簀をかつぎ、土を運んだ。高くなったと思う頃に、鶏が鳴いたので天秤棒を投げ出して逃げ、片方の簀の土が一簀山になった。
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トウリテング 1990年 長野県 大昔、刀利天狗は日本の真ん中に富士山より高い山が欲しいと考えて、富士山の頭をちぎって御嶽山の頂に乗せようとした。ところが休んでいるうちに朝になってそのまま逃げ出したので、ちぎった富士山の頭は三笠山になった。
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ダンゴモリ 1956年 宮城県 坂上田村麻呂がシトゲ団子を箆岳山から椀ごとなげた。それが田尻まで届いて団子森と椀コ森ができた。
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アマノジャク 1990年 長野県 天の邪鬼が大きな山を背負って夜中に上松の小脇まで来た。ところがそこで朝になってしまったので、そこに背負っていた山を置いて、奥山へ飛び上がっていた。その山が、小脇にある丸山だという。
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キツネ 1985年 山梨県 ゴシューギによばれて行って、キツネに騙されて山のてっぺんまで連れて行かれた。ゴシューギのお魚が欲しくてキツネがついて来たのだ。
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ウマ 1974年 長野県 寛文4年に尾張国から木曽路を巡見したとき、駒ヶ岳の麓を歩いていると、大きな芦毛の馬がいた。この馬は毛を地面にたらし、眼光は鏡のようで、形相は見る者の身の毛もよだつものだった。そして人影を見て峯の中央まで登ると、雲が馬を覆って行方がしれなくなった。その蹄を見ると1尺ほどもあったという。
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キツネ 1972年 岐阜県 昔、杉山氏が荷車に栗を積んで運んだ帰り道、名礼の近くで日が暮れたので垣根の竹を一本抜いて杖にし、車を引いていくと足が地につかないようになった。岩坂の下の林の近くまで来ると、道ばたに綺麗なお嫁さんがいた。こんなところにお嫁さんが居るはずがないと思い、足下を杖で叩くとキツネになって藪の中に逃げたという。
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ダイジャ 1984年 新潟県 度津の祭神五十猛命が、真浦に御着船なさって、山道をたどって池の原へ来て見ると折からの大雨で水が溢れて渡ることができずに困っておいでになると、そこへ忽然と大蛇が現れて両岸をつなぐ橋になってくれて渡ることができ、それより白岩尾に下って犬落に至り、さらに羽茂川に沿って下られ、飯岡に至って一ノ宮の祭神となられた。
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デーランボー,オニ,キョジン 1989年 長野県 浅間山から蓼科山へひとまたぎにした鬼・デーラボッチは、湯川の上の方にあるオニイシというところまで一足でまたいだという。
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ヤマヒト 1993年 秋田県 ひとりで田代岳に登った人が行方不明になる。田代岳の神様になったと言われる。いなくなって何年もしてから、田代岳でこの人に出会った人がいるらしい。
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