タタリ 1981年 和歌山県 僧屋敷に寺があったとき、そこの和尚が即身仏になろうと絶食して鐘を鳴らしていたら、土地の人が殺して財産を奪った。その祟りで病気が流行った。
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ゴゼ,タタリ 1985年 愛媛県 昔一人の瞽女が道に迷って村に来たが、村人が親切に遇さなかったため石の近くで餓死した。その石を瞽女石と呼んでいる。瞽女死後祟ったので、村人は修験者に頼み鎮めてもらった。
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ヘビ 1985年 山形県 目の良く見えない坊主が山の中で道に迷い、山中の洞の中で泊った。退屈なので持っていた三味か琵琶かを弾いていると、若い娘がやってきた。聞かせてくれと言う。一通り語り終わり、娘に正体を尋ねると蛇だという。子分の蛇もいて、食べ物がないので洪水を起こして村を全滅させて村人を食うつもりという。村に下りてから村人にそれを告げ、村人は対策を講じて蛇は死んだという。坊主は告げ終わると死んでしまったので、それを祀った。
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エンノギョウジャ,テング,アッキジャシン 1928年 奈良県 弟子と商人が役行者を納めた石窟に死骸を確かめに行った後、しばらくすると大暴風雨になり、霾(黄砂)が降り、山鳴りや地震が起こった。天狗や悪鬼邪神も現れ、逃げまどっている中で数人が死亡し、生き残った数十人の者たちも半死半生の体でようやく家にたどり着いた。このあと、この石窟を訪れるものはなく、遥拝するにとどまったという。
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タタリ,キダン,キカイ,ヤマノカミ 1974年 京都府 文政11年、鳥辺野の地蔵山から土砂を採っていたところ、山の神といわれる所まで掘り進めてしまった。大きな壺に掘り当たり、怪しいと思ったけれども、周りや底のほうへ掘り進めた。すると突然土中が鳴動して、壺がすり落ちる音に驚いて人足が死んでしまった。そして世話人の数人もことごとく大病にかかり死んでしまった。老尼の祈禱者に頼み神おろしをしてもらうと、絶入の形になり、幣を持たせると居直って、にらみつけて、自分は明智の一類であり、山に葬られ、山の神と言われていたが、理不尽な振る舞いの鬱憤が晴れないと言う。後も地蔵を穴に納めて供養したり読経をしたりしたが死人が出た。
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タケベラタロウ 1956年 宮城県 昔、巡礼の和尚さんがある村に入ると、1人の娘を真ん中にして家内中泣いている家があった。毎年秋の稔りのとき、向こうの山の神様に若い娘を人身御供として供えねば、田も畠も荒らされる、今年はこの家の番だという。和尚さんがその山の社に隠れていると、夜になって大勢の者がやってくる音がして「あのことこのこと聞かせんな。竹箆太郎に聞かせんな。近江の国の長浜の、竹箆太郎に聞かせんな。」と歌う。和尚さんは近江の国へ捜しに行くと、竹箆太郎とは小牛のようなブチ犬だった。和尚さんは竹箆太郎を連れて帰ってきて娘の身代りに長持の中へ入り、やってきた者たちと対決した。翌朝村人たちが行ってみると多くの猿が死んでおり、針金のような毛をした一番大きな猿が竹箆太郎にのどを深く噛み切られて死んでいた。それからはみんな安心して暮らすことが出来た。
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バクチイシ 1931年 北海道 道路側にある岩の洞窟には博知石という石がある。この付近で難破する船が多かったので船魂様を勧請しようとして、石工の心得のある猟師の徳蔵に洞穴を掘るように頼んだが、勧請の前夜にここで猟師が博打をした。徳蔵は洞窟を冒涜されたことに憤慨し、洞窟の中で絶食して死んでしまった。この洞窟は不思議なことに年々地下に埋没していくのだという。
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メイドウ,タタリ,オノノケヒト,オニビ 1974年 和歌山県 紀伊国高野川の北に非常に険しい山があった。この山に人が登る事があると忽ち鳴動し、樵夫が木を伐ると祟りをなして病気になるという。ある至孝の農民が、病床の母に頼まれた山鳥を狩りに山に入り、鳥は得たが道を失った。杉の陰に燐火と思うものが燃え農民を呼ぶ声がした。見ると貴人がいて、自分が祟りをなしていた、地面の下を探って寺に移してほしいと言う。山を下りて後、法師と山を探ると骨があり、それは小野毛人のものであった。
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オシンメサマ 1977年 福島県 和田家の庭の辺りにホイト小屋のような場所があり、オシンメ様という人が住んでいた。オシンメ様は門付けのようなことをしてお金を稼いでいた。あるとき、ある人がオシンメ様が金を数えているところを見て、刀で殺してしまった。後に殺した人に祟りがあったので、鎮めるために祠を作って供養をしたという。
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ゴゼ 1983年 愛媛県 道に迷って来た瞽女を村人は親切にしなかったので、石の近くで餓死した。瞽女は死後大いに祟ったので修験者が鎮めた。この石は瞽女石と呼ばれている。
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シニン,タタリ 1989年 長野県 ある金持ちが、悪人に殺されてしまった。殺された場所の近くに鐘があり、ある人が拾って家に置いた。するとその部落で病人が多数出た。ねぎ様に拝んでもらうと、死人の祟りだった。お祓いをしておさめてもらったという。
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セリザワノサラヤシキ 1956年 宮城県 昔,芹沢という者が武芸の腕によって禄とこの土地を賜った。それから三代後の当主の時の話。ある正月,同家の女中が主人秘蔵の錦手の皿十枚を箱に納める際,一枚を落とし毀してしまった。しばらく隠していたが遂に露見し,一刀のもとに斬り殺された。その後毎夜のように同家の水屋に女中が現れ,「一枚,二枚,三枚・・・九枚・・・おお・・・」と恨めしげに訴える。主人は自らの仕打を悔い,女中の霊を慰めるために石地蔵を刻み,自分の山の頂に建てた。また不吉の刀を地中に埋め,小祠を建てて祀ってやった。以後女中の声も聞こえなくなったという。今でもこの山を地蔵山と呼ぶ。なお旧芹沢家には別人が住んでいるが,その後は何の変事も起こらないという。
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ヤナリ,タタリ 1971年 長野県 旅人が強盗になったので、百姓が殺した。祟りのため眠れなかったので、霊を祀り朝晩拝んでいた。そのうちに屋鳴りがなくなった。これを経塚と呼ぶ。
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シズクイシタンタン 1931年 岩手県 滴石神社には不思議な石がある。岩石に銚子状の湧口があり、「シズクイシ」と鳴って湧いては下の石に「タンタン」と滴って鳴いていた。これを見物に来る人が多く、そこの別当は長者になったが、亭主の妻が客を案内するのを煩わしく思って湧口を叩き割ってしまった。そのたたりで家は段々と貧乏になり、破産して子孫も絶えてしまったという。
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コロサレタシュゲンジャノカンムリ 1970年 長野県 村の修験者が塗り上げた畦を足駄で踏んでくずしたので、石を投げつけて殺し付近へ埋めた。ところが夜、その家に終夜投石が続き、見ると誰もいなかった。朝になると縁の上に殺された修験者の冠がおかれていた。これを家に祀ったが、その田は水害で田にならなくなった。
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チノデノマツ 1967年 福島県 岩城判官正道公が謀反人として殺され、その夫人は一男一女をつれて放浪していたが、海賊に二人の子を奪われ、後この地で死んだ。海賊に奪われた兄弟と別れ別れになった安寿姫は悪者の手から逃れたが、飢えと疲れで世を去った。これをあわれんだ村人は、なきがらを埋め松を植えて祠を建てたが、ある村人がこの松を切ろうとしたら、切り口から血が流れた。直後には切り口すらなくなって元通りになっていたという。
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オオカミ,タタリ,ヒル 1981年 和歌山県 昔、僧坊主という坊主がいて、狼に狙われていた。2階に寝ていたが狼が梯子になってくるつぎ狼で狙われたので命がないと思い、鐘を突いたら来てくれと村人に頼んだ。しかしある人が、鐘を突いてもいないのにやって来て、金目当てで坊主を殺した。それ以来、祟りでその土地では1月15日の粥を炊くと蛭になる。
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レイ,イナリ 1978年 愛知県 旅人を泊め石の枕で殺して物を取っていた老婆が死んでから祟るので、里人は祠を建てて祀った。後に稲荷と呼ぶようになり村の産土神になった。
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スモモ 1990年 長野県 昔、横山に贅沢に暮らしている家があり、金持ちの旅人しか泊めなかったが、泊まった人を再び見た人はいなかった。ある夜、大荷物を背負った旅僧が泊まったが、この家の老婆に斧で殺された。大きな袋の中身は真っ赤に熟したすももだけで、老婆は狂死し、家人も死に絶えた。以後、実のならないすももが周辺に生えるようになった。
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アクマ 1968年 佐賀県 昔、カオンという和尚がいたが、弔いのとき霧に紛らされて、悪魔に遺骸をとられてしまった。檀家は和尚に力が無いためにそうなったのだと思い、寺を取り潰してしまって、和尚は行き場がなくなり、寺の後に小さな家を立てて住んでいた。その和尚を埋めたのがカオン墓である。
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