イシボトケ 2003年 三重県 「潮ボトケ」「ぬれボトケ」ともいわれる。明治初年,当村の弥吉老人に次のような夢告があった。「我は本地地蔵菩薩である。因縁によってこの場所に現じた。心から祈願するものには腰より下の病を治そう。また,私は海水に浸るところにいて諸人の代わりに苦患を洗浄するつもりであるから,石を高所に移してはならない。」志摩町潮音寺住職児玉芳山もS8年4月下旬以降の祈念によって宿病が快癒した。
類似事例 |
|
オオイシノタタリ 1970年 山梨県 ある家の庭に明治40年の洪水で大棚から流れてきたという大きな石がある。数年前にその大石を除去するために石屋さんに頼んだところ、2,3日してその石屋さんが死んだ。それ以降、この石を割った者は死ぬといわれる。
類似事例 |
|
オナイシバアサン 1967年 福島県 船こぎ山の頂上に老婆の形をした石が海の方を向いて立っている。昔、松川与作が漁に出たまま難破したのか帰らなかった。妻はこれを悲しみ船こぎ山に登り沖を眺めては泣いていた。女は風に吹かれ雨に打たれ、そのまま石になってしまった。鎌などで刺すと血が出るとも言われている。この婆さんは、昔、大津波があったときにこの頂上に打ち上げられて石になったとも言われる。
類似事例 |
|
トビイシ 1982年 群馬県 飛石は片品山の北の隅が大洪水で流されてきたもの。祟る。貞享以前の事、石を割って建材にしようとしたら、石が唸り、血膿みが出て、石工が昏倒して死んだ。
類似事例 |
|
シリョウ 1972年 鹿児島県 西南役に反対した男が水攻めで殺される。その死霊が庭石や土手の石に現われた。昭和4年にその石を電柱を引っ張る針金にくくって埋めた電工は熱病にかかって死んだ。この石を何かに利用する分には何も起きないが、売ったり他人にやったりすると不吉な目に遭う。売ったものが幽霊に付きまとわれたり買ったものが狂死したりする。
類似事例 |
|
バクチイシ 1931年 北海道 道路側にある岩の洞窟には博知石という石がある。この付近で難破する船が多かったので船魂様を勧請しようとして、石工の心得のある猟師の徳蔵に洞穴を掘るように頼んだが、勧請の前夜にここで猟師が博打をした。徳蔵は洞窟を冒涜されたことに憤慨し、洞窟の中で絶食して死んでしまった。この洞窟は不思議なことに年々地下に埋没していくのだという。
類似事例 |
|
(イシノナカノサカナ) 1980年 茨城県 延享の頃、筑波山の麓に住む人の家に見知らぬ人がやって来て、1つの庭石を買いたいといった。その人は後で取りに来るといって近くの山中に入っていった。主人はせっかくだからその石を熱い湯で洗って渡そうとしたが、帰ってきた彼はその行為に嘆く。彼はこの石の中には赤い魚が住んでおり、湯で洗うと死ぬという。割ると死んだ魚が出てきた。
類似事例 |
|
イシノタタリ 1932年 兵庫県 淡路島の南にある小川に、10畳くらいの大きさの、相場石と呼ばれる石があった。老人たちは、石に手をかけると危難が降りかかると言って恐れていた。しかし佐吉という力自慢の石工が、水車の石臼にするため、石の頂のところを打ち削った。すると、石臼のできあがらないうちに、佐吉はポックリと死んでしまった。石の祟りだと言われた。
類似事例 |
|
イワフネ 1976年 愛知県 尾州一宮あたりの本神戸村に、岩船と呼ばれる石造の長1丈ほどの船があり、ある人が手水鉢にしようと人夫を使い取り寄せようとしたが、途中で三つに割れた。それでは役に立たないと、元の場所へ返したが、その人は禍にあった。
類似事例 |
|
リュウ,メオトイワ 1964年 愛媛県 昔、ある老婆が竜の仕業とされていた、どれほど川が流れても離れない夫婦岩を見に行った時、竜に会ってしまった。その後、病気を患って死んだという。
類似事例 |
|
ホタテイワ 1979年 岡山県 昔浜中の竜王山に八畳岩があり、遠くから見ると帆掛け舟のように見えたので帆立て岩といわれた。あるときこの岩を割りかけたところ、その割り口から真っ赤な血が流れ出し、石工は仰天して逃げ帰った。その後農道改修に使われ姿を消したが、そのたたりを恐れてお神酒を供えた。
類似事例 |
|
タロウヤマノテング,テングサン 1964年 長野県 太郎山神社造営の際に、その用材を載せることを拒んだ船頭に天狗さんの罰があり、太郎山に参拝のために登ったところ、落ちてきた石にあたって死んだ。
類似事例 |
|
シオソウ 1940年 三重県 志摩の俗信。親が死ぬと、五十日と百日目には村端れの定まった場所で潮垢離をとり、十二箇月目になると遠くの他村の濱まで出かけて行って潮垢離を取った。これを潮掻といっていた。
類似事例 |
|
ホタケサマ 1965年 長崎県 ホタケ様に関しては次の話が伝わっている。昔有名な大工が柱を短く切りすぎて困っていると、女房のオタケが一升桝を頭に載せた。それを見て桝型の手法を思いついたのだが、女房に教えられたことが周りに知られるのを恥として女房を殺した。
類似事例 |
|
イシ 1954年 兵庫県 ある石工が松島の石を切り出していると血が流れてきて「わしはこのまま切られて死ぬが、コウナイというところにあるオバサンの石だけは切ってくれるな」といった。石工は切り終えた後寝込んで死に、石を積んだ船は風もないのに沈没し、船頭以下全員死亡したという。
類似事例 |
|
ハクオウサマ 1991年 愛媛県 白王様の大岩の近くに金が埋まっていると信じて掘った人があったが、金は出ず、妻が病になった。
類似事例 |
|
ゴゼ 1983年 愛媛県 道に迷って来た瞽女を村人は親切にしなかったので、石の近くで餓死した。瞽女は死後大いに祟ったので修験者が鎮めた。この石は瞽女石と呼ばれている。
類似事例 |
|
イシ,タタリ 1961年 岡山県 笠岡市横島の海岸に石が流れ着いた。子供達がその石に小便をしたら大病になったという。またこの石に小便をすると性器がはれるといい、女性の場合には女性の性器が発達して一人前の女になるといってひそかに女の人が小便したりまたがったりした。この石はもとは道通神社にあったという。
類似事例 |
|
ミクニイシ 1979年 岡山県 伊予の石屋が白石島にあるみくに石という大岩を切ろうとすると、割れ目から血が流れ出した。恐れをなした石屋は切るのをやめて伊予に帰り、石屋もやめた。その後その人は何をしたかわからないが、お金持ちになったという。みくに石から流れ出た血の跡は今でも黒く残っている。
類似事例 |
|
コイシ 1967年 福島県 波立薬師のお堂の前は小石の浜で、この小石を持ち帰ると、帰りたがって夜に泣くという。そしていつの間にかひとりでに帰るという。ある人がこの砂利を運んで庭に築山を造ったところ病気になり、石のためだということになり元の所へ返したという。
類似事例 |
|