ヒノタマ 1984年 新潟県 秋が終わる頃ハエナワでスケソウを獲りに出た五人乗りの舟が遭難にあい、村が大騒ぎになった。子どもが便所に行く時に外を見ると大きな火の玉が海から海難にあった人の船小屋に着いた。人々が、「船が帰ったぞ」といって船小屋に行ってみたが、船は帰ってなかった。
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ジンジャノキ 1960年 三重県 神社の木を切って売ろうとした者は体がしびれてしまい、その木を積んだ船は行方不明になった。
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マツ,カイブツ 1922年 岩手県 上閉伊郡栗橋村字古里に大きな松の木があり、日光を遮っていた。耕作物の邪魔になるので伐り倒そうとしたが、次の日になると元に戻っていて伐ることができなかった。ある日夢に一人の翁が現れ、木の伐屑を毎夕方に焼き棄てれば成就すると告げた。言うとおりにすると木は倒れ、それを用いて船を造った。しかし、不思議なことに船は一夜のうちに姿を消してしまった。あるとき、漁夫が橋野川の川上で得体の知れないものを見つけ、大权で突き刺した。一度帰り、次の日再び現場に行くと何もいなかった。探している内に漁夫は狂い、あたりは風雨となり大洪水が起こった。一夜たつと河口に突如として奇岩が現れた。人々は、漁夫の突き刺した怪物の化身だと言い囃した。
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マルイワノゼンワン,ミズノセイ 1987年 長野県 働き者の若夫婦が道祖神にお参りしていると男の子が生まれた。お祝いをしたかったが客用のお膳がない。ある時二人が同じ夢を見た。美しい姫が現れて水の精の使いであると名乗り,必要な数を紙に書いて丸岩の割れ目に投げ込めば膳と椀を貸してくれるという。言われたとおりにすると,翌朝丸岩の前に膳と椀が並んでおり,元の場所に返すと何時の間にか割れ目の中へ消えていった。以後村中が借りるようになったが,誤魔化す者がいて二度と貸してもらえなくなった。
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ツカ 1991年 山梨県 村人が膳・椀・金などほしいものがあるときには塚に行って頼む。翌朝にはそこにある。しかし、不心得者がいて膳椀の1部を返さなかったためにそれからは貸さなくなったという。1説ではこの塚の近くに老婆が住んでいたという。
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ヒメ,イッポウサン 1983年 香川県 一隻のうつろ船が流れ着いたのを村の人が見つけた。船を開けてみると一人の姫君が乗っていた。身分の貴いお姫さまのようだったので、背負ってわが家まで連れて行こうとした。途中で一休みして再び背負うと、重くてとても歩けず、そこにお留まりになりたいのだと思い、社を建ててお祀りした。それが現在の一宝さんである。
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ゲドウグモ,オンナヤマンボウ 1981年 愛知県 尾州但馬郷幡豆崎(現師崎)のある漁師が容姿端麗で気立てのよい娘を嫁にもらったが、実はその嫁は頭の口から三升余りのおにぎりを投げ入れあっという間にたいらげる女山ン坊だった。驚いた男が別れを切りだすとその嫁に風呂桶ごと縛り付けられ、命からがら連れ去られる所危うくスキを見て逃げ出した。その後怪物女は化道蜘蛛に化けて男の家に襲いに来たが、待ち伏せた村人に火と棒で殺された。
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ヤトウジマ 1956年 宮城県 塩釜の神釜の1つを盗んで舟で通る時、手足がしびれたので、近くの釜ヶ渕に捨てた。
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リュウグウ 1967年 福島県 川に鍬を落として、水底に探しに入ると、とうとう竜宮まできてしまった。そこでは美しいお姫様がひとりで機を織っていた。久しく待っていると、たいそうなもてなしを受けたが、家のことが心配になり、3日でいとまごいをして腰元に道まで送ってもらって村に帰ったら、5年もたっていた。それから記念のために機織り御前の社を建てたという。
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バンバアイシ 1960年 神奈川県 昔、ある信心者の夢枕に神が立ち「一の釜西方を流れる相模川の深いところにいる。自分の体は石で夫石は川下の江ノ島にいる。上流から訪ねてきたが、水が少なく下流に行けないから八幡宮まで連れて行って欲しい」と告げた。夢から醒めて一の釜に行くと、川底に老婆のような形の石があったため社の境内に移した。その後日照りが続いた時また夢枕に立ち、「自分を一の釜に入れると雨を降らしてやる」と告げたのでそうすると雨が降った。その後石はしばらく放置されたが、川下の人が井戸端の敷石として使った。しかし、一家中の人が病気になったため、行者の進言で八幡宮へと返された。
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タコ 2002年 山口県 昔、甚平という漁師が住んでいた。魚を捕ることが巧みで近隣の者は皆知っていた。ある日甚平が岩の近くで魚釣りをしていると、急に船が傾いた。見れば大きな蛸の足が船縁を掴んでいた。甚平はその足を包丁で切って持って帰った。その味を覚えた甚平が翌日も岩へ行ったところ、その日も蛸が現れた。こうした日が5日続き、8本の足が3本にまで減った日に、甚平はこの蛸を捕ってやろうと包丁の代わりに縄を持っていった。それきり甚平は帰らず、主のいない船が夕方に浦へ流れ着いた。村人達はきっと蛸に食われたのだろうと噂した。それ以来その岩を甚平岩と呼ぶようになった。
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イシ,コイ 1934年 鹿児島県 旅の人がある家の沓当の石の中に鯉がいるので撃ってくれといった。主人が旅の人の言うことを聞かず石を割ると、1寸2分ほどの鯉が3匹入っていた。それからは旅の人がいった通り、その家は貧乏して、今では後も残っていないということである。
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イシブネ 1987年 長野県 山家神社の祭神である白山さまが夫から逃げてきたとき,石で作った舟があったのでその下に隠してもらった。夫神様はあきらめて帰ってしまった。そこでその場所を「石舟」という。現在は石舟神社がある。
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イシボトケ 2003年 三重県 「潮ボトケ」「ぬれボトケ」ともいわれる。波切(志摩市大王町)の石工某がこの石を壊そうとすると,その妻が忽ち病になり死んでしまった。
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カマガフチ 1956年 宮城県 昔、塩釜神社の神釜十二口のうち一口を盗人が盗み、船でこの渕を通るとき、船もろとも沈んだという。
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ホタテイワ 1979年 岡山県 昔浜中の竜王山に八畳岩があり、遠くから見ると帆掛け舟のように見えたので帆立て岩といわれた。あるときこの岩を割りかけたところ、その割り口から真っ赤な血が流れ出し、石工は仰天して逃げ帰った。その後農道改修に使われ姿を消したが、そのたたりを恐れてお神酒を供えた。
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ヒノカンノオンガエシ 1981年 沖縄県 農業と漁業を兼業していた男がある晩、大勢の人々が「よいとこさ、よいとこさ」と掛け声をかけながら通っていくのに出会った。何をしているのか聞くと、竜宮の神様の命令で木を島の上にのし上げるのだという。力を貸してくれと言われた男は手伝ってやった。そのお礼に、風邪を持ってくるゆうがらすを除けるために臼を3回叩くことを教えられ、男の家庭は助かった。隣の家の人々は悪い病気になり、全員死んだという。
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ウジガミサン 1965年 高知県 氏神さまを信仰したおかげで助かった人がいる。室戸から大きな漁船に乗ることになり、出立の朝にヤナギカケを作った。しかしその皿が引っくり返り、気持ちが悪いのでやめにした。次の日には、お宮の前で扇子を忘れたのを思い出して取りに帰った。出直して、またお宮の前でハンカチを忘れたのに気づいたが、そのまま出航した。しかしどうにも気持ちが悪いので、女房が引返すように電報を打ち、須崎から帰って来た。その船はそのまま行方不明になってしまった。
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ヘビニョウボウ 1968年 愛媛県 大晦日に、男が幸木の売れ残りを海中に捨てた。後、娘が訪ねてきたので夫婦になった。子供が生まれ、島原の殿様が妻を乳母に差し出せと言う。妻は竜宮から来た者だと告げて男に玉を渡し、子供に与えるよう言って去る。玉を殿様に取り上げられ、海岸を歩いていると女が竜宮界の3つの玉だという血筋の玉をくれるが、それも取り上げられる。男が村を去ると、島原城下は崩れたという。
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オンナ 1934年 女がどこから来たのかわからない話は、村々字々で異なった部分を持っており、皿屋敷に似た話もあり、皿を壊した女を主人が怒って斬ろうとすると、女は海へ入ってしまったという。
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