キツネツキ 1964年 神奈川県 狐憑きのいる家にはいると悪臭がするのですぐにわかる。病人の前で富士講のお拝み(経文)をあげて、その後で病人の背を数珠で打つと狐が落ちると言われている。横浜市鶴見区江ヶ崎町、川崎市小倉の事例。
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キツネツキ 1964年 神奈川県 富士講の先達の話では、狐憑きのいる家に入ると、なんともいえない嫌な臭いがするのですぐにわかる。お拝みをあげていると、急に背や肩、膝がずしっと重くなることがある。これは狐が飛び乗ったからだという。しかし神通力のある行者だと、狐は負けて病人から離れるという。横浜市港北区川向町の事例。
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キツネツキ 1964年 神奈川県 昔、下倉田村のある家で、1軒で4人同時に狐が憑いた。下倉田の御岳講に落としてもらおうとしたが、性の悪い狐だったので上大岡の先達に頼むことにした。当日、狐憑きたちは「今日はおっかねえ人が来るから戸棚へでも入って静かにしよう」と言い合ったりしていて、先達が拝みをあげると間もなく治ってしまったという。横浜市戸塚区中田町の事例。
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キツネ 1955年 山梨県 狐に化かされると村中で鉦を叩いて大勢で見つけると狐が離れるといわれた。狐憑きの時には素人の信心者が5、6人いて病人を囲み祈った。富士信仰で経を読み、刀を抜いて脅かした。供物としては赤飯、油揚げが使われた。お寺の大門先に祠があり、そこから狐が来たと言う。素人の新人者ではぬけないと、上野から法印を頼んだこともある。
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クダギツネ 1913年 長野県 狐憑きから狐を落とすことが出来るのは御嶽講の行者のみで、呪文を唱えて九字を切るなどした後、狐憑きを責めて落とすという。狐が体から出そうになると、その狐憑きを狐の出て来た家の前まで連れて行く。無事に連れられて行って帰ってくると落ちるが、途中で転ぶと狐は落ちるが命も絶えるといわれている。
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キツネツキ 1964年 神奈川県 狐憑きや大病人を治すために、出羽三山講の先達が、病人の頭に着物をすっぽりと掛けて、マツコ(赤松の皮を干して粉末にしたもの)を病人の頭に振りかけながらお焚上げをしたという。横浜市港北区鴨居町殿谷の事例。
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キツネツキ,ヤマイヌ 1979年 静岡県 昔は狐憑きが多かった。狐に憑かれた人は、死んだ人の話をしたり、予知をしたりしたという。油揚げをくれとも言う。狐を落とすために、山住神社にお札をもらいに行くというが、その帰りに振り返ると山犬が帰ってしまうという。また、御岳の行者が来てお供え物をしんぜて、そのお供え物に憑き物を閉じこめて刀で切る真似をして、川に流したり焼いたりすると言う。
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キツネツキ 1935年 秋田県 狐憑きを落とすのは、法華宗の寺僧やノリキ(祈祷師)に頼むが、だいたいの作法は憑いた人間を仏壇の前に据え、祈祷師は団扇太鼓を鳴らして読経する。すると大抵の患者は狐のような形相をして逃げ出そうとする。それを捕まえて「まだ離れぬか」と責め付け、経巻で身体を叩いたり殴ったりする。そして離れると誓った時は炊いた小豆飯を小舟に載せて燈明をつけ、夜の十時過ぎに川に流すという。
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キツネ 1968年 佐賀県 昔は法印は、病人の原因は狐が憑いているのだといった。大工をしていた人で憑かれ易い人がいて、酒を飲んで隣村から帰って来るなどすると、憑かれることが多かった。落とすには湯立てをして、笹の葉で湯を撒くと、狐が湯に入れられると思って出て行く。また、憑かれた人の上に刀をぶら下げて、それを矢で射ると憑かれた人は飛び起きて走り出し、倒れると狐は落ちている。祈祷の最中に狐が「○○に憑いてくれ、と山で頼まれた」などと言うこともある。狐の好物は鼠の蒲焼と小豆飯。
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キツネ,トビサカイナリ 1922年 東京都 東京のある氏族が、小間使いを雇い、ある日使いに出したところ帰ってこなくなったので探すと、富坂稲荷の祠の前で踞っていた。狐に憑かれ顔つきも変わり、大食いになり、正気を失った。主家では小間使いを家に返したが、今度は主家の妻が狐に憑かれ、以前の小間使いのようになった。場所が悪いのかと転居したが、今度は長女が狐憑きとなった。家は没落し、次女は大変な苦労をした。二人の狐憑きは白昼提灯を下げて歩く等の奇行をするので、あらゆる加持祈祷を行ない、医者にもかけたが、一生正気に戻ることはなかった。
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キツネツキ 1976年 高知県 橘家の狐憑きの秘法では、被憑依者に幣を持たせて祈念し、弓を打ちつつ神歌をを詠じて病人の背に犬と字を書き、その背を叩くと狐は落ちると言われる。
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クダキツネ 1982年 神奈川県 1軒で4人も同時に狐が憑いてしまった家があり、御岳講に落としてくれるよう頼んだが手に負えなかった。そこで行を積んだ先達に頼んだら治ったという。
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キツネツキ 1942年 長野県 ある人が病気になったので御嶽講の先達に占ってもらうと、狐憑きといわれた。その後、村に2、3軒狐憑きがでた。狐がいうには、上垣という屋号の家で、食べ物をくれないので来たのだという。そこで村の者が上垣に掛け合ったが、上垣は狐など飼っていないと言った。その家の大黒さんを怪しんで川へ流したが、依然狐憑きは治らなかった。村の者は収まらず、ある夜大挙して上垣に押しかけて乱暴狼藉の限りを尽くした。上垣は代官所に訴えて勝訴したが、この件以来けちがついて家は絶えてしまった。
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キツネ 1964年 神奈川県 戸塚宿の神主が二十日鼠のような小さな狐を飼っていた。餌をやらないと人に憑くのだと言われていた。他人の病気を治したりする人達がいたが、それは狐が治したり、どんな薬を飲めばよいのかを教えるのだと言われていた。横浜市戸塚区汲沢町大丸の事例。
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キツネ 1955年 静岡県 狐憑きを落とすには、榛名さんのお札を借りてきて、病人の枕元で祀る。
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キツネツキ 1922年 狐憑きという者も昔は沢山あった。少しでも精神に異状が起きると、狐が憑いたといって庵主というものを頼んで祈祷してもらった。すると狐憑きの体から狐が飛び出して逃げるという。
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キツネツキ 1967年 栃木県 昔は狐憑きがあった。油揚げを食べると憑かれる。狐憑きは子孫に伝わり、類を引くなどと言って、婚姻の障害になる。田沼町の祈祷師に拝んで落してもらう。
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キツネ 1922年 福岡県 稲荷信仰の厚い人には狐が乗り移って奇跡や予言を行なうという。普通の人が狐に憑かれると狐に化かされる。うまいものを持って歩くと石ころや馬糞などとかえられる。こういう時には怪しいものが自分の前や後ろを歩いていて、つまずいて転んだりするとかえられる。恨みがある相手に狐をつけようと思う時には、狐んの住んでいる穴に行って油揚などをやって頼むといい。また疱瘡を病んで寝ている者がいると、狐は見舞い客に化けて疱瘡を食いに来る。もし疱瘡を食うと、狐は千年の寿命を得て、病人は落命する。
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キツネ,オンナ,キツネツキ 1974年 狐は雄でも女に化け人と通じる。狐と通じた人は死ぬ。人が死ななかったときは狐が死ぬ。狐憑きを見極めるには樒の葉を煎じて飲めば良い。狐が憑いているとこれを嫌って飲めない。半井家には狐落としの妙薬が伝わっている。
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キツネ 1961年 島根県 人に憑く狐は普通の狐とは違う。狐を憑けるには丑の刻参りをする。憑かれると病気になり、その人の口を通じて狐が「○○から来た」と語る。この狐を落とすには小豆飯や油揚げを食べさせたりするか、病人を打ったり叩いたりする。
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