キツネ 1965年 岩手県 旅人は帰りの道中にて、馬の用人の素振りがおかしいので、用人を馬に乗せた。旅人は用人を狐が化けたと見破って、火にかけてやると脅したら、これからはしないと詫びるので許してやった。それ以来、ごくろう岩に乗って「今帰る、今帰る」と言っていたという。
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オオカミ 1987年 岐阜県 山伝いの昔の本通りには狼が出た。狼が道につくばっていたので、馬方が煙草を吸い、心経を上げたら降りていった。ひいおばあさんから聞いた話。
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オオカミ 1974年 栃木県 馬方をしていた人が夜、赤岩を通ると赤い火の玉が出たので、それでタバコに火をつけようとしたら、唸られた。狼の目の光だったという。
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キツネ 1988年 長野県 きつねが人についたことがあり、つかれた人は大騒ぎをした。このきつねを離すには、祈祷師を頼んでお経を唱えたり、御幣でその人の周りをお払いしたり、着物を脱がせて火で炙ったり川に入れたり、時には本人の周りに火を焚いたこともあった。
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キツネ,タヌキ 1984年 夜遅く御馳走を持って林や竹やぶ続きの道を通ると、狐や狸が出てきて御馳走を騙して取るといわれる。そのようなことがないようにたばこに火をつけて歩くとよいという。
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キツネビ,キツネノタタリ 1997年 長野県 狐火が出て人々を悩まし、通行人が化かされた。猟師が狐を撃ったところ、暗の中に姿が消えた。老人の夢枕に現れた狐は、伏見稲荷のお使いだと明かした。それを祀ったが、猟師の家には3代祟ると言われ、家が絶えた。
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キツネ 1933年 鳥取県 おこん狐という狐がよく人を化かした。ある男が川の中で網泥を一生懸命かぶっている狐をみつけたが、その狐が立派な女に化けて馬に乗せてくれという。馬に乗せて連れて帰り、火であぶったので、狐は正体を現した。人を化かさず、ここにすまないことを約束して許してやった。数年後、伊賀の山辺で娘に化けたおこん狐に会った人があるという。
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キツネ 1985年 山形県 法事の帰りに土産を持って帰っている人が狐に化かされた。その人は山の真中の薪が積んであるその上で寝ていて、目を覚まして下りてあばら骨を折ったという。
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オクリオオカミ 1956年 神奈川県 知人が石老山麓で突然狼につけられた。なかなから去ろうとしないので、ふんどしを解いて長く垂らし、マッチを擦って火を焚くと、いつの間にか狼は逃げてしまったという。
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オサンギツネ 1959年 広島県 オサンギツネという狐がいた。尻尾に火を灯し、よくライオンに化けて人をからかった。あまりに悪戯をするので、職人が捕まえて火炙りにしようとした。オサンギツネは許しを乞い、かわりに翌晩大名行列をしてみせると約束した。翌晩、大名行列を見た職人は狐を誉めた。けれども実は本物の大名行列で、職人は打ち首になって死んだ。
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オオカミ 1981年 和歌山県 水舟さんという神様の下で炭焼きをしていた人が、狼に吼えられた。怖いので水舟さんに狼を退けてくれとお願いして拝んだら、声が遠のいた。狼は水舟さんのお使いなのだろう。
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オオカミ 1981年 和歌山県 ある人が山道を行くと狼が出て、足に顔をこすりつけてきたので見てみると、口に骨が引っかかっていた。とってやったら狼がその人をくわえて引っ張っていった。どうなるのかと思ったら、さっきまでいた場所を大勢の狼が連なって通った。
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オスギオタマノヒ 1957年 長野県 遊芸人のお杉お玉が妻にするとだまされて連れて来られた。その男には妻子がいたので、2人は殺されてしまい、怨霊となってお杉お玉の火となっている。2つ一緒に、夏の宵のうちに見られる。狐火も見られる。
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オオカミ 1936年 鳥取県 武士が旅をしていて、松の上で夜を明かすことにした。夜中に狼が「人臭い」と言って集まって来て、肩車をして追って来たが、少しとどかなかったので「金の尾のがあだい婆を呼んで来い」と言う。すると一匹の狼が来て掴みかかったが、武士は切り捨てた。翌朝、「金の尾のがあだい婆」がいるのを聞き、それを切り捨てると狼の姿に返った。
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キツネ 2002年 山口県 狐に化かされたと、一週間も鉦や太鼓で探し回り、三里先の部落のある家の軒下に入り込んでいたところを犬に吼えられていたのを見つけ出したということがあった。また女などにも化けるといい、火などをともしてみせたという。馬を部落裏の台山に放牧したことがあったが、狐の穴に足を落とすと化かされるといい、また化かされたものもいた。
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キツネ,オトウカ 1975年 埼玉県 皆谷の話で、ある時、オトウカという狐が美人に化けて現れ村人を化かした。村人は山道をさまよい歩いて疲労のためか遂に寝てしまった。やがて目を覚ますと、村人は自分の家の前で寝ており、手足をはじめ身体中傷だらけであったという。
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タヌキ 1975年 静岡県 「妻良の七坂・子浦の八坂。会いに来たもの帰さるか」といい、そこには狸のくぼがある。化かされると火の玉が出るが、大きい声を立てると消える。
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キツネ 1977年 福島県 塩峯峠で、ある若者が女性によって御殿に招かれた。女は山ほどご馳走を出して、「明日来るときはお守りを捨ててきてくれ」と言った。その時若者を呼び止める人がいて、行くなと忠告し、襟首に大きな縫い針をさしてくれた。翌日若者は女のところでお守りを捨てた。すると女は悲鳴を上げた。夜明けに血の跡をたどっていくと、縫い針で口が裂けた女狐が死んでいた。若者を呼び止めた老人はつんぼ神様だった。
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オオイノオタヌキサン 1985年 愛媛県 大井の山に火の柱が立ってお狸さんが出て大勢の病人を治したという。お参りするとやいとのあとが身体にできて、そこに灸をすえるとどんな難病も治ったという。半年ほど続いてまた火柱が立ち、狸が帰ったのでその後はそれっきりである。
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キツネツキ 1942年 長野県 ある人が病気になったので御嶽講の先達に占ってもらうと、狐憑きといわれた。その後、村に2、3軒狐憑きがでた。狐がいうには、上垣という屋号の家で、食べ物をくれないので来たのだという。そこで村の者が上垣に掛け合ったが、上垣は狐など飼っていないと言った。その家の大黒さんを怪しんで川へ流したが、依然狐憑きは治らなかった。村の者は収まらず、ある夜大挙して上垣に押しかけて乱暴狼藉の限りを尽くした。上垣は代官所に訴えて勝訴したが、この件以来けちがついて家は絶えてしまった。
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