ウデガハエル 2001年 青森県 昔、あるところに、母に先立たれてしまったかわいらしい娘がいたが、次に迎えた継母にも娘が1人いて、2人は仲良くなった。しかし、継母は先腹を憎く思い、その両腕を切り落として石棺に入れ、浜辺に捨ててしまった。捨てられてしまった娘は器量が良かったから、大阪で女郎となったが、ある時転倒した際に起き上がろうと踏ん張ったところ、両腕が生えてきた。
類似事例 |
|
キツネ 1933年 広島県 於三という、尾が三つに分かれた知恵のある狐がいた。ある晩、役者が歩いていると、於三が現れいろいろなものに化けてみせた。役者は於三をだまして袋の中に入れ、口をしばって海に捨ててしまった。
類似事例 |
|
イバラギドウシ 1931年 大阪府 ある髪結商の夫婦は榎の木の下に捨てられている赤ん坊を拾った。眼光鋭く牙が2本もある人間離れした異形の赤ん坊であったが、夫婦は慈しみ育てた。ところがちょっとしたことからおかしな噂が広まり、童子は家を出た。これが後の茨木童子だという。
類似事例 |
|
イギョウノフタゴ 1974年 岩手県 奥州南部の盛岡に住む百姓の妻が、延宝8年夏に片手が長く毛に覆われた猿のような子と、目鼻が無くて手が7本と足が43本ある双子を産んだという。しかし5日ほどして死んだ。
類似事例 |
|
イジュウ 1974年 京都府 延宝年間のこと、京の南にある吉祥寺村で、吉祥天女のご開帳があるというので、近隣の村々から六斎念仏を行う者が多く集まった。その彼らが打つ鐘や太鼓の音を恐れたのか、怪獣が出てきて、ある百姓の家の縁の下にかけ入った。それを生け捕りにすると、顔は狸に似て、鼻から額まで黒く、うなじは白い。さらに背は黒く、腹は白く、徳利のような丸い尻をしており、尾はなくて前足はモグラのようで、後ろ足は長く犬のような獣だった。餌は串柿だけ食べたという。
類似事例 |
|
(セキジ) 1983年 東京都 文政8年2月18日に、葛飾郡柳島百姓与右衛門の持ち場である川岸に、耳の穴が4つ、手が4本、足は2本、足の間から胞のような物が下がっている赤児が流れ着いたという。
類似事例 |
|
ヒヒ,シラハノヤ 1989年 長野県 遠州の府中という村では、秋の祭には氏神様に人身御供として娘を差し出さねばならず、それは白羽の矢で決定されていた。あるとき、村にやってきた六部が氏神に泊まったところ、何者かが「信州信濃の光前寺、へえぼう太郎に知らせるな」と踊っているのに気づいた。翌朝村に立ち寄った六部は、村人から人身御供の話を聞き、化け物を退治するためにへえぼう太郎を探して信州へ向かった。
類似事例 |
|
ヤクシノメン 1939年 島根県 山田寺の薬師の面の漆を塗り替えるために、京都の漆屋へ送ったが、その木が大金になるというので他の木で面を作り送り返した。すると面が怒ったので、八代の山田寺へ帰れと言って面を海へ投げたところ、同郡の温泉津の濱へたどり着いた。子供が面を拾って舞を舞っているのを八代の庄屋が見た。その夜、面が庄屋の枕神に立ったので、庄屋は面を山田寺へ持ち帰ったという。
類似事例 |
|
ホトケ 1941年 不明 心中しようとした家族の息子を、通りかかった人が不憫に思い連れて帰って自分の娘と添わせるために育てた。するとその息子は他に女をこしらえてしまったので、娘は家を出た。母は娘を探し出し、どうか家に戻ってくれと頼んだ。そこへ娘の言い交わした男も一緒になってくれといいに来た。娘はどっちに行けばいいかわからず、橋から身を投げた。娘の体は二、三間流れたあと仏になって緋の衣を着た姿になり、わきへ上がっていった。
類似事例 |
|
イドウ 1983年 下総国香取郡佐原新田向ウ津の百姓長吉の子・寅次郎6歳は、頭が蛸のように大きく、目は黒目くぼんで白目にかぶり、眉毛がなく、歯は上下2本ずつある。また背中に産毛が渦巻き、全身に薄毛が生えている。身体の色は鼠色で臭みがあり、手足共に赤子のようで胴は青筋張って水ぶくれのようであった。物事を言う事は無いが、人の言う事は聞いているようである。
類似事例 |
|
オニ 1931年 長野県 昔、美しい娘が鬼にさらわれた。15、6年たって娘の父親が岩屋で子供をつれた娘を見つけた。父親は娘とその子を連れて船で逃げようとしたが、鬼が海水を飲んだので引き戻されてつかまりそうになった。子供が鬼を笑わせたので、鬼は水を吐き出し、船は沖に出た。
類似事例 |
|
キツネ 1981年 東京都 7・80年前、頭が変な息子が狐に化かされた。振袖姿に化けた狐に、息子はついていった。山に入り、狐は息子を裸にして、息子の「宝物」をいじくって逃げた。裸で歩き回っているのを樵が見つけて助け、着物を着せて家まで送っていったという。
類似事例 |
|
テング,カミカクシ,アカイカオシタハナノタカイショ 1982年 新潟県 ある夕方に、9つくらいの村の子どもがお宮の木の下に下駄を脱いだままどこかへいってしまった。村の衆は神かくしだといって、マスの底を棒でたたいてその子の名をよんで探しまわった。2、3日して昼ころに泣きながら帰ってきた。どこへいったと聞くと、赤い顔した鼻の高いしょ(人)に連れられて山道を行くうちに分からなくなり、目をさますと、山奥の、朴の葉っぱをしいたとこで、それから、やっと帰ってきたといった。
類似事例 |
|
オニ 1940年 香川県 鬼が臼という大きな石があり、それで鬼が餅をついていたという。ある時取ってきた赤児をついて食おうとすると神様が現れ、その子供はここへ来る子ではないと谷底へつき落とした。
類似事例 |
|
アヤシキサン 1976年 二条院の御宇永万元年に、頭2つ手4つ、足3つの児を産むものがあったという。
類似事例 |
|
ヤマイヌ,バケモノ,タヌキ 1990年 長野県 伊那にある寺の縁の下に山犬が子を5匹生んだ。和尚はこれを大事に育て、そのお礼に1匹を貰って早太郎と名付けた。そこから遠方に天神宮があった。そこの祭りでは、毎年娘を天神様に差し出さなければならない決まりがあった。3匹の化け物が毎年差し出された娘を喰らっていたのだが、これを知った神主は早太郎を探し出し、化け物退治を依頼した。化け物はこうのついたたぬきであった。早太郎は3匹の化け物を倒したが、自らも死んでしまった。死後、早太郎は和尚の寺に祀られたという。
類似事例 |
|
ヤマイヌ,バケモノ,タヌキ 1990年 長野県 天神宮へ生贄に出された娘をさらった3人の男は、「伊那の早太郎」を恐れていた。これを知った神主は、伊那で早太郎なる人物を探し回った。ところが早太郎とは人間ではなくてある寺の和尚に育てられた山犬であった。事情を話すと早太郎は神主に着いて行って、化け物を退治することになった。祭りの晩、例によって娘が入った箱を見張っていると、得体の知れない化け物が3人やってきて娘をさらおうとした。早太郎は化け物に喰いついたところ、こうのついたたぬきであったという。また早太郎も、そのたぬきにやられ死んでしまった。早太郎は死後、元の寺に祀られたという。
類似事例 |
|
サル 1975年 長州に芝居をしに下る船が難船し、どこともわからない、人家が見えない島へ漂着した。島の猿が船を見つけ、沢山磯辺に集まり何かを求めた。これは、この船が芝居の船だということがわかっていて、狂言でもを求めているのではないだろうかと、あるものが三番叟を舞った所、猿達は喜び、たこの干したものを投げ入れ礼をし、高い木に登り方向を教えるようなそぶりを見せた。猿の示した方向へ漕ぎ出すと、長門国に着いた。
類似事例 |
|
シュテンドウジ 1920年 新潟県 酒顛童子は3年3ヶ月母の胎内にやどり、生まれながらに牙が2本あった。美しく秀才として国上山国上寺に預けられた。成長するにつれてその輝きは増し、僧、女らを魅了した。16歳の時に艶書の蓋を取ると煙が立ち昇り、童子は悪鬼の相を現した。背が高く、髪は赤かったと言われる。弥彦山の岩窟にこもったのち、丹波千丈ヶ嶽において大江山の酒顛童子を名乗った。
類似事例 |
|
カッパ 1922年 福岡県 筑後河畔には至る所に河童の話が伝えられている。河童の体は小児くらいで、頭に皿があり中に水をたたえている。柳川付近では皿の数を3つといっている。顔は青、体は黒で、顔には十文字に毛が生えており、全身も毛に包まれている。目は2つで、若い頃は1つ。嘴を持っていて、背中に亀甲を負う。手が長く、指が3本。臭いがある。水の中に住み、濁り水を好み、馬の足跡の水溜りには千匹も住むことができる。水がなくなると死滅する。好んで相撲を挑み、負けてやると機嫌が良いが負かすと恨みを抱く。など。
類似事例 |
|