イヌ,ヒヒ,シラハノヤ 1989年 長野県 光前寺に迷い込んだ山犬が子犬を産み、住職はその一匹を引き取って早太郎と名付けた。その頃、遠州の府中という村では氏神に娘を人身御供に差し出していた。ある六部が氏神に泊まったところ、「光前寺のへえぼう太郎に知らせるな」という声を聞く。村人に頼まれて、六部はへえぼう太郎を捜しに信州に行き、和尚から早太郎を借りる。娘の代わりに差し出された早太郎はひひを退治し、傷ついた体で寺に戻ると息を引き取った。
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イヌ,ヒヒ,シラハノヤ 1989年 長野県 遠州の見付に逃げたひひは、夜になると「光前寺のへえぼう太郎はいないか」と言いながら出てきて作物などを荒らした。また、白羽の矢が立った家では娘を人身御供に差し出さねばならなかった。たく鉢の和尚が村人から事情を聞き、光前寺へ早太郎を借りに行った。
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イヌ,ヒヒ,シラハノヤ 1989年 長野県 光前寺に早太郎という犬がいた。その頃、駒ヶ岳にはひひがおり、作物を荒らしたりしていた。ある時早太郎はひひと格闘して勝ち、ひひは遠州の見付に逃げた。そこで白羽の矢を立てて人身御供の娘をさらっていた。たく鉢の和尚が光前寺の早太郎を借りに行き、早太郎は娘の代わりに棺桶に入ってひひに食らいついた。結局、早太郎とひひは相打ちになった。
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イヌ,ヒヒ 1989年 長野県 光前寺から遠州へ貸し出された早太郎は、人身御供の娘の代わりに棺桶のようなものに入れられて供えられた。ひひが蓋を開けると早太郎はひひに襲いかかり、村人は逃げた。早太郎はひひと相打ちになったという。
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ヒヒザル,イヌ 1989年 長野県 昔、ある坊さんがある村を通りかかると、娘が人身御供として宮に捧げられるところだった。縁の下に隠れて様子をうかがった坊さんは、それが大ひひざるの仕業であることを知り、ひひざるが「信州信濃の早太郎に知らせるな」と言っていたので、駒ヶ根まで早太郎を捜しにやって来た。光前寺の早太郎を借りて帰り、早太郎はひひざるを倒したという。
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イヌ,ヒヒ 1989年 長野県 信州にたどり着いた六部は方々探して、光前寺にたどり着き、早太郎を借りることができた。氏神に娘が箱に入れられて運ばれる際、身代わりに早太郎が入れられた。翌朝宮に行ってみると、そこいら中血まみれで、血の跡をたどっていくと大きな銀色のひひが噛み殺されていて、早太郎はどこにもいなかった。血まみれの早太郎は寺にたどり着き、住職の顔を見て一声鳴くと息を引き取った。早太郎の墓は今でも光前寺にある。
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タヌキ 1976年 山形県 昔、3年に一度若い娘を人身御供に差し出さないと凶作になるという村があった。ある年の秋に、1人の僧が訪れ、老夫婦から習わしを聞いた。僧は明神神社の天井裏に潜み、古狸がべんべこ太郎という犬を嫌っていることを知った。翌年の春、人身御供を差し出す時、僧がべんべこ太郎を連れてきて、古狸を退治したという。
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ヒヒ 1934年 長野県 熊本県 山犬から生まれた早太郎がいた。あるとき娘が人身御供となり、六部が身代わりに籠の中に入っていると、早太郎には知らせるなと怪物が出てきた。早太郎を呼んで身代わりになってもらうと、中で怪物を噛み殺した。その正体は狒々であった。
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クモ 1958年 石川県 毎年人身御供として娘を蜘蛛に差し出していた村があった。ところがその村を訪れた富山の薬売りが娘の身代わりとなって蜘蛛に近づき、短刀で刺して退治した。おかげでそれ以後は人身御供は絶えてなくなった。
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ケモノ 1980年 静岡県 遠州見付の天神さまに、人身御供の風習があった。通りかかった六部がお告げを聞いて、お告げ通りしっぺい太郎という犬を娘の代わりに箱に入れて連れて行く。しっぺい太郎は娘を食べようとやってきた獣をやっつけるものの、傷を追って、観音山まで来たところで息を引き取ってしまった。あるいは、観音山まで来たところで、しっぺい太郎は六部と大木の下で眠っていた。すると突然しっぺい太郎が吠えだし、六部に飛びかかろうとしたので、六部は鉄砲で撃ち殺してしまった。しかし、しっぺい太郎は木の上の大蛇に飛びかかろうとしていただけであったとも言う。
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ヒヒ 1991年 静岡県 磐田市見付の矢奈比売神社は昔、8月10日の祭りに白羽の矢がたった家の娘を人身御供に求めていた。延慶元年(1308)8月9日、旅の僧が通りかかってそのことを聞き、怪物が「信濃国光前寺のシッペイ太郎に知らせるな」と叫ぶと聞き、シッペイ太郎を借りてきて怪物を退治した。怪物は狒々であった。
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ヤマイヌ,バケモノ,タヌキ 1990年 長野県 天神宮へ生贄に出された娘をさらった3人の男は、「伊那の早太郎」を恐れていた。これを知った神主は、伊那で早太郎なる人物を探し回った。ところが早太郎とは人間ではなくてある寺の和尚に育てられた山犬であった。事情を話すと早太郎は神主に着いて行って、化け物を退治することになった。祭りの晩、例によって娘が入った箱を見張っていると、得体の知れない化け物が3人やってきて娘をさらおうとした。早太郎は化け物に喰いついたところ、こうのついたたぬきであったという。また早太郎も、そのたぬきにやられ死んでしまった。早太郎は死後、元の寺に祀られたという。
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ヤマイヌ,バケモノ,タヌキ 1990年 長野県 伊那にある寺の縁の下に山犬が子を5匹生んだ。和尚はこれを大事に育て、そのお礼に1匹を貰って早太郎と名付けた。そこから遠方に天神宮があった。そこの祭りでは、毎年娘を天神様に差し出さなければならない決まりがあった。3匹の化け物が毎年差し出された娘を喰らっていたのだが、これを知った神主は早太郎を探し出し、化け物退治を依頼した。化け物はこうのついたたぬきであった。早太郎は3匹の化け物を倒したが、自らも死んでしまった。死後、早太郎は和尚の寺に祀られたという。
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ダイジャ 1941年 大阪府 昔、池に大蛇が棲んでいて、毎年村の娘が人身御供の犠牲になっていた。これを見かねた村の男が、神仏の加護を味方に付けて、大蛇を退治した。それ以後、人身御供の犠牲者は出なくなった。
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カイブツ,ヒヒ 2004年 静岡県 磐田市の見付天神の話であるが、毎年、祭りが近づくと白羽の矢が飛んできてそれが突きささった家では娘を人身御供として差し出さなければならない掟であった。白い柩に入れられた娘は得体の知れない怪物に食べられてしまう。延暦年間8月に、旅の僧侶が、怪物の「信濃のシッペイタロウ(悉平太郎)に知らせるな」との言葉を聞き、信濃の赤穂村(現在の駒ヶ根市)の光前寺の犬、シッペイタロウを見つけ出す。シッペイタロウは怪物と戦い、退治した。この怪物の正体は年老いた狒々であったという。磐田ではシッペイタロウだが、駒ヶ根ではハヤタロウ(早太郎)、シップウタロウ(疾風太郎)といい、光前寺境内に犬の墓がある。
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ヤマタロウ,カワタロウ,ヤマワロウ,ヤマワロ 1999年 宮崎県 山太郎は山の神で、2月1日を太郎朔日といい、山太郎と川太郎が交代する日。山太郎は山わろうともいう。
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ヒョウスボウ 1992年 宮崎県 法事淵のひょうすぼうが村の娘に通った。ひょうすぼうは鉄がきらい。
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ロクブ,サル 1937年 兵庫県 狒々に人身御供にされそうになった庄屋の娘を六部が助ける。再び旅に出た六部が狒々の毒により倒れていると、爺さんと婆さんが助けてくれ、地蔵さんにこもるように言われる。その家の息子が戻って爺さんと婆さんを殺し、六部にその罪を着せた。初めに助けられた娘が六部の絵姿の異変によってそれに気づき、打ち首にされそうになった六部を助けた。
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タヌキ,ダイジャ 1966年 静岡県 見附の天神祭では毎年人身御供を出していた。ある時、山伏が天神様のお堂で休んでいて、タヌキが「信州のしっぺい太郎のほかに怖いものはない」と漏らしたのを聞いて、信州へ行ってしっぺ太郎を借りてきた。途中で山伏としっぺ太郎が休んだ所をしっぺ野、そこの3軒の家の屋号もしっぺという。山伏と犬は人身御供の箱に入って、タヌキを退治した。その帰り、あたごの観音で休んでいるとしっぺ太郎が山伏にかかってきたので殺してしまった。しかししっぺ太郎は潜んでいた大蛇の首に食いついたのだった。
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タケベラタロウ 1956年 宮城県 昔、巡礼の和尚さんがある村に入ると、1人の娘を真ん中にして家内中泣いている家があった。毎年秋の稔りのとき、向こうの山の神様に若い娘を人身御供として供えねば、田も畠も荒らされる、今年はこの家の番だという。和尚さんがその山の社に隠れていると、夜になって大勢の者がやってくる音がして「あのことこのこと聞かせんな。竹箆太郎に聞かせんな。近江の国の長浜の、竹箆太郎に聞かせんな。」と歌う。和尚さんは近江の国へ捜しに行くと、竹箆太郎とは小牛のようなブチ犬だった。和尚さんは竹箆太郎を連れて帰ってきて娘の身代りに長持の中へ入り、やってきた者たちと対決した。翌朝村人たちが行ってみると多くの猿が死んでおり、針金のような毛をした一番大きな猿が竹箆太郎にのどを深く噛み切られて死んでいた。それからはみんな安心して暮らすことが出来た。
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イヌ,ヒヒ 1989年 長野県 光前寺の犬が山犬との間に子を産み、その一匹は早太郎といった。その頃、駒ヶ岳にひひがおり、作物を荒らすなどしていたが、早太郎と格闘して負け、結果遠州の見付に逃げていった。
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