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検索対象事例

ナカヤマトウゲ,オイヌイシ
1956年 宮城県
仙台市の北山から泉市の根白石に越える峠。昔は狼が多いので知られ、根白石の山根から仙台へ炭薪を行商にくる人々は、夕方集合して駄馬を一団にして最後尾の馬はモトツ(手綱)を引きずり、狼除けとしていた。ある日実沢の百姓が夜に独りで峠にかかると、1匹の狼が口を大きく開いている。咽喉に挟まっていた骨をとってやると尾をふりながら去った。次の夜、その狼がお礼に猪をもってきて、縁側においてあった。それ以後仙台から夜に帰るときは、骨を抜いてやった場所にいて送ってくれたので、峠から実沢への分かれ道に三峯の碑を建てた。これを狼(オイヌ)石という。

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オイヌイシ
1956年 宮城県
七北田川右岸山村館跡の西南にある三峰山の碑。実沢の旧家白石家の先祖が、あるとき夜になって中山峠を仙台から帰る途中、道端に一匹の狼が口をあけて哀れみを乞う様子なので見るとノドにトゲが刺さっており、それを抜いてやった。その夜縁側に物音がしたので起きて見ると、お礼に猪が置いてあった。その翌日からその先祖が町から帰る途中、必ず狼が出迎えて家まで送ってくれた。その狼の供養碑がこれである。毎年旧暦4月8日、白石家では狼石に赤飯を供え、これを狼のオボタテという。
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カザコシトウゲ
1956年 宮城県
北村の大沢の八郎右衛門という男が月夜に石巻からの帰還、峠で狼の狗吠(くぼえ)を聴き、声のする方へ近づくと、狼が馬の骨を咽喉に立てていた。これから馬を襲うような悪さをするなと言い聞かせて骨をとってやったら、喜んで藪の中に消えた。その後、八郎右衛門が夜になって帰るときは送ってくれたという。
類似事例

ムラヲスクッテクレタオオカミ
1987年 長野県
昔,大屋のこの村は信濃十六牧の一つで,毎年三歳馬を一定数朝廷に送っていた。ある年子馬が全て狼の餌食となり,怒った村人は山のいたる所に罠を仕掛けた。狼の子が一匹罠にかかったので,夜,狼の群れが村を襲ってきて一晩中吠え続けた。村長がやぐらの上から「狼たちよ,お前達も子が捕らえられれば一晩中吠えるではないか。馬の身になってみよ。ましてこの村は馬を飼わねば生きていけないのだ。これからは野山で鳥や獣を取ることをやめるから村を襲うのはやめてくれ」と叫び,狼の子を放すと狼は帰っていった。以後狼を神様として祀り,安心して馬を飼うことができるようになった。
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オオカミ
1982年 宮城県
ある女が夜の幣掛の峠道を歩いていたら、狼が唸りながら寄ってきた。口の中に馬の骨が刺さっていたのを取ってやると、里まで送ってくれた。その後、峠でまた狼が現れて女を引きずって押し倒し、木の葉を掛けて隠した。間もなく狼の千匹連りが通った。恩返しだった。
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オオカミ
1970年 滋賀県
福井との境の木ノ目峠から太郎が母が嫁に来た。ところが狼がこの太郎が母を食べてしまい、なりすましていた。敦賀から五幡峠に降りるところの神庫に旅人が泊まったとき、狼が出た。旅人が松の木に登ると、狼は肩車で追ってきたが、一匹分足りない。狼は「太郎が母を呼んで来い」と言ったので、狼が太郎が母に化けていることがわかった。
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オオカミ
1973年 三重県
ある人が山にいたところ、狼が口を開けてやって来たので見てやると、口の中に骨がはさまっていたので取ってやった。すると狼は何かとってきては小屋に置いていくようになり、帰りが遅くなると送っていくようになった。あるとき、川向こうの親類の家に祭に呼ばれて帰りが遅くなると、やはり狼が送ってきた。道で祭でもらった餅をやると、帰っていったという。
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オオカミ,ネコ,カジヤババ
1961年 長野県
武士が東筑摩郡の狼ヶ番場を通ると狼が出たので、木の上に逃れた。狼はイヌツギをして登ってきたが、1匹分足りないので「カジヤババを呼んでこよう」と言っている。しばらくして大きな猫が登って来たので武士が刀で斬ったら、猫も狼も逃げ出した。大猫の血をたどって行くと村の鍛冶屋に入った。医者の振りをして鍛冶屋の婆を診ると、片腕がないので退治した。縁の下から本物のお婆さんの骨が出て来た。
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オクリオオカミ,オオカミサマ
1971年 埼玉県
昔、音五郎という者が峠への道の途中、前日に埋葬したと思われる白装束の死体を狼が引っ張り上げているのを見た。音五郎は手伝って押し上げてやり、再び峠道を登り始めると狼がずっとあとをつけてきた。家の近くまで辿り着いたので音五郎が狼(オオカミサマ)に送ってくれたお礼を言うと、狼はうなずいて引き返した。
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オオカミ
1981年 和歌山県
ある人が山道を行くと狼が出て、足に顔をこすりつけてきたので見てみると、口に骨が引っかかっていた。とってやったら狼がその人をくわえて引っ張っていった。どうなるのかと思ったら、さっきまでいた場所を大勢の狼が連なって通った。
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キツネ
1956年 宮城県
気仙沼出身の実業家三田某氏の実見談。明治40(1907)年頃の7月5日午前4時頃,三田青年が峠で一休みしていると,橋向うに50がらみの男が一人,草叢に座って酒盃の献酬をしているような格好である。その時顔の右半分に軽い痙攣を感じ,その方に目を向けると杉の木の下に赭毛の大狐がいて,親爺の方に尻と顔を向けている。太い尾を水平に伸ばし,その先をくるくると小さい輪を描くように回しており,まるで尾の先で人間を操縦しているかのようであった。三田氏が石を投げつけると,狐は茂みの中に逃げてしまったが,その時親爺もその方向に引かれるようにうつぶせに倒れた。親爺は正気付くと今いる場所も日時もわかっていなかった。親爺は「自分は高田の先の大船渡の者で,二日前の夕刻,塩鮭を土産に大槌の親戚の家に出かけてきたのだ」といってそこら辺を探し回ったが見つからない。「自分は今まで確かにその婚礼の席で挨拶をしたりしていたのだが」と不思議そうであった。
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オオカミ
1974年 福井県
越前国大野郡菖蒲池あたりは狼の群れが出るので、日暮れには人が通らなかったが、ある僧が菖蒲池の孫右衛門の所へ行こうとして狼に遭遇した。僧は大きな木の上に登って逃れようとしたが、木の下にいる狼は孫右衛門の嬶を呼んでこようと言う。すると大きな狼がやって来て、肩車をして自分をあげろという。そしてもう少しで僧のいる高さになろうとしたので、僧は小刀で突いたところ、肩車は崩れて狼は離れていった。その後で僧が孫右衛門の家に行くと、昨夜妻が死に、死体は大きな狼だったという。
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キツネ
1977年 福島県
塩峯峠で、ある若者が女性によって御殿に招かれた。女は山ほどご馳走を出して、「明日来るときはお守りを捨ててきてくれ」と言った。その時若者を呼び止める人がいて、行くなと忠告し、襟首に大きな縫い針をさしてくれた。翌日若者は女のところでお守りを捨てた。すると女は悲鳴を上げた。夜明けに血の跡をたどっていくと、縫い針で口が裂けた女狐が死んでいた。若者を呼び止めた老人はつんぼ神様だった。
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フルヤノムリ
1956年 宮城県
老夫婦が冬の雨の晩、「古家のむりは狼よりもおっかねえ」というのを軒の下で聞いた狼が馬小屋の中で雨宿りしていた。そこへ泥棒が馬を盗みにやってきて馬と間違えて狼に飛び乗った。狼はそれを「古家のむり」だと勘違いして振り払おうとするが、泥棒はしがみつくので、狼は走り出し、林の中で泥棒は振り落とされる。泥棒が一休みしたお堂の中で神様が出てきて「今から悪いことすんでねえぞ」というので、改心して謝った。狼から話を聞いた猿は笑い飛ばして仇を取りに行ってやると泥棒の寝ているところへ尻尾をいれていたずらしていたが、寝たふりをしている泥棒に腕を切られた。帰ってきた猿から話を聞いた狼は「やっぱり古家のむりはおっかない」と、猿と一緒に海を渡ることにしたが、猿の方は傷口が傷んでしかたなく帰ってきたが狼は遠くにいった。だからここらには猿はいるが、狼はめったにいない。
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オオヒレトウゲ
1987年 長野県
昔,三滝山に住んでいた竜が,諏訪へ行こうと思ってこの峠で休んだとき,ひれを落としていった。そこでこの名がついたという。竜は休んだ後,前山の尾垂峠を越えていったという。
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オイヌサカ
1956年 宮城県
現在東北大学医学部構内、もと北六番丁と四番丁の新坂通のゆるやかな坂。昔、この辺は狼が多く、八幡太郎義家の軍勢が狼を退治して埋めたところだという。三峯山や古峯ヶ原、秋葉山の山神の神使としての狼に対して火難盗難よけの信仰があった。オイヌはオオカミの忌みことば。県内方々にこの地名あり。
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オオカミ
1982年 宮城県
ある男が夜の山道を歩いていたら、狼が唸りながら寄ってきた。口の中に骨が刺さっていたのを取ってやると、そのままいなくなった。数年後狼が現れて男を引き摺って押し倒した。間もなく狼の千匹連りが通った。恩返しだった。
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オオカミ,オオサン
1981年 和歌山県
1964年ごろのこと。お婆さんが月夜に柿の木峠を通ったら、岩の上に狼がいた。荷物を置いて小便の真似をしたり風呂敷包みをほどいたり結んだりしていたら、パシャッと音を出して狼は姿を消した。お婆さんは豪胆な人だったので、その岩の前を通って帰った。狼は一度音を出したら他の獣のような逃げる音は出さない。
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タメトモ,オニ
1929年 東京都
樫立村では、為朝が臼を持ち、鬼が杵を持って登り比べをしたときに、鬼は登れずに滑ってその跡がついているという。勝った為朝が鬼を捕えて石の下に入れようとしたが、抵抗したのでその時大石に鬼の耳の跡がついた。以来、通行人がこの石を掻いて桃の実ぐらいになると、石の下から出してやると言われた。
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オオカミノオンガエシ
1987年 長野県
昔,この村に小屋久兵衛という人がいた。山へ草刈にいったとき,狼が尾を振って寄ってきた。見ると狼の目にとげが刺さっていたので,抜いてやると尾を振り振り山へ帰っていった。幾日かして,久兵衛が山の草刈り場で一服していると,この間の狼が出てきて久兵衛の裾を加えて引っ張る。引っ張られて大岩の下まで来た時,大鷲が岩上すれすれに飛び去ったので,久兵衛は自分が大鷲に狙われていた事を知り,狼が恩返しのつもりで自分を救ってくれたのだと喜んだ。
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キツネ
1988年 群馬県
砥沢や余地峠にはよく狐が出てばかにされたことがあったという。ある人が勧能からサンマを買って帰ってくるとき、合芳橋のところできれいな家があると思って寄ったところ、実はモモヒキを脱いで桑畑に座り込んでいたのだという。
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