ノギツネ 1967年 山形県 三蔵院の法印さまが山道の途中で野狐の耳に法螺貝を当てて吹き、驚かせた。道を行くと急に暗くなり、一軒の家に泊めてもらったが、その家のお産寸前のかがが死んでしまった。法印がうろたえていると死んだかがが起きあがって鉄漿(お歯黒)を付け始め、その顔を法印にべたーっと付けた。法印は目を回し、目覚めるとまだ昼日中であった。
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ホウイン,オサキキツネ 1977年 神奈川県 法印のオサキキツネがおばあさんに憑いて、歯のない筈のおばあさんが硬い肉を食べだした。そこで、御獄山からお犬様のお姿を借りてきたところ、それまで唸って寝ていた病人のこのおばあさんが急に真っ暗闇の中に飛び出していき、庭先で倒れて息絶えてしまったという。
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キツネ 1999年 宮崎県 ある秋の日、法印が、昼寝をしていた狐を法螺貝で脅したので、その仕返しをされた。
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キツネ 1999年 宮崎県 ある秋の日、永友法印という修験が、昼寝をしていた狐を法螺貝で脅した。そのまま行くと突然日が暮れる。おかしいと思って松の木に腰を下ろすと、葬列がやってきた。法印は松の木に登ってやりすごそうとしたが、葬列は松の根元に棺を埋めた。すると埋めたばかりの棺から幽霊が出てきて、法印のほうに登ってくる。つかまれそうになり、もはやこれまでと高い松の木から飛び降りると、1mくらいしかなく、いまだ真昼であった。けっして生き物をいじめてはいけない、と法印は話した。
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キツネ 1978年 石川県 戸田という人が、月夜にキツネに会った。キツネは戸田さんを見て立ち上がり、草の葉を頭に乗せた。戸田さんが杖でキツネを殴ると、キツネは逃げていったという。
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オトウカ 1982年 群馬県 明治の初め頃の話。向原の人が大原の市へ行く途中、昼寝していたオトウカを法螺貝で威した。その帰り、酒を飲んで古井戸に落ちた。老夫婦が、助けを求める声を聞きつけて行ってみたが、声は表に行くと裏、裏に行くと表から聞こえて、わからなかった。翌朝、鉄砲撃ちに捜してもらって、古井戸の中に、生きているのが見つかった。オトウカに仕返しされた。
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キツネ 1975年 高知県 病気になって法印に拝んでもらうとそのときはよくなるが、法印が帰るとまた悪くなる。キツネをつかってよくして帰るという。
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キツネ,ニチレンシュウノソウリョ,イチッコ 1977年 神奈川県 キツネが憑いたときには、日蓮宗の僧侶がイチッコにキツネを降ろし、その要求を聞いてやった。そうするとキツネは落ちたという。
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ケツネ,キツネ 1986年 福井県 キツネをケツネという。昔は報恩講などに出ると、必ず油揚げが出たがそれを持って帰る途中に同じ道をぐるぐると回って、疲れて帰るとキツネにとられたという話をよく聞かされた。
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キツネ 1988年 愛知県 ある古老が、夕方、大足から原田に帰る途中に大門田の林を通ると、大きなお婆さんの格好をしたキツネが子どもを背負って山の方から「お父さんが迎えに来るでなぁ」と言いながら来た。古老がこんばんはと挨拶をすると、キツネは軽くうなずいたという。
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キツネツキ,キツネオトシ 1982年 新潟県 村のアネが家のあたりをウロウロしていたキツネをおどしつけて、それ以来キツネツキになっておかしくなった。とび上がったり、チョロチョロとさわいだりして気狂いと同じだった。神主に頼んでタタキ祈禱してもらって、本人をたたいてキツネをたたき出し、キツネオトシをした。
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オトウカ,オトウカノヨメトリ,キツネ 1982年 群馬県 小雨のしとしと降る晩、極楽寺の裏のジョウノヤマのオトウカ(キツネ)が信濃街道を、提灯を点け列を作って嫁取り行列をして歩いた。小学校の老杉のところまで行くと見えなくなったという。人間が近付くと消えてしまう。
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キツネ 1977年 福島県 法印様が法螺貝で寝ていた狐を驚かせた。その後、明るかったのに急に暗くなり、法印様は一軒の家に宿を求めた。家には若い美人と老婆がいた。老婆に乞われて水をやろうとした法印様は、川にはまって死んでしまった。狐を驚かせたので。狐に化かされて死んだという。
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キツネ 1982年 三重県 昔山を買いに来た人がいて、夜遅くなってしまった。川の向こう岸へ行くのに浅く見えたので、川を渡ろうとした。少し行くと水が胸のところまで来てどうしても渡りきれないので、川の中をあっちこっち引っ張りまわされてとうとう一夜明かした。きっとキツネにだまされたのだということである。
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キツネ 1980年 青森県 酒を飲んで夜の山道を行ったら、キツネがもどしたものを食べたくてまやかした。
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キツネ 1977年 秋田県 ある男が仏事の帰りに油揚げを背負って歩いていたら、眠気を催して寝てしまった。起きたら油揚げは取られていた。キツネの仕業。
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キツネ 1954年 千葉県 キツネをおとす方法は、おがむ人におがんでもらい、ついたキツネに油揚げやいなり寿司を持って行く(長生郡)、オモトの葉を気づかれないように病人の布団の下に敷いておく(野田市)、ユリにたて、祈祷師がある女にキツネの居る方をいはせる(成田市)、部落の特定の者が四、五十人で獅子舞を倒れるまで舞い抜く(山武郡)、鰯と油揚飯を村外れに持って行く(山武郡)、三峯神社を拝み、川にいろいろなものを流す(山武郡)。
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キツネ 1980年 青森県 馬車引きの仁太郎さんが八戸からの帰り、キツネに会った。キツネは人間の言葉で「わしはしもさかの仁太郎のごてい(お父さん)だ。魚こけろ」と催促した。
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ネコタノコウシンヅカ 1956年 宮城県 郷士阿部某の娘が夕方向山の北裾の山路を通ると,突然身の丈6尺程の大猿が現れ,娘は失神してしまった。翌朝家人が失神している娘を見つけ,家に担ぎ込んだが,娘は日増しに痩せ衰えていく。ある日村の若い衆が見舞いにきて娘の額に手を当てようとしたところ,突然男の頭に柿の実が飛んできてぶつかった。見廻しても仲間しかおらず,翌日も同じ事が続いたので三日目には見張りをつけた。一人が娘の額に手を触れると,突然屋根裏から南瓜が投げ落とされる。上を見ると天窓から大猿が歯をむき出していたので,大勢で追いかけたところ向山のほうに逃げてしまった。その後も,見張っていないと大猿がやってくるので,刈田岳のマタギに頼んで大猿を撃ち殺してもらったが,同じ時刻に娘もあっとうめいて息を引き取ってしまった。その後村人は娘と猿の供養のために山の北麓に庚申塔を建ててやった。初め猿田の庚申塔といっていたが,現在では猫田の庚申塔といわれている。
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キツネ 1983年 新潟県 雨夜に砂利道を歩いていて、提灯の中のロウソクをとられた。キツネの仕業。
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