サンバイイケ,ドクジャ,サカナ,カメ 1982年 新潟県 町の北側にあったサンバイ池という池では、享保年間まで、毒蛇が人畜に害をなしたが、長岡藩士山本という人物が退治して、明治のころは水がかれて形ばかりの池が残っていた。この池にすむ魚や亀はみな毒をもっていた。また、池のそばでサンバイサンバイというと急に池の水波が起きたといい、これは明治のころでも泡が浮き立つということがおこったという。
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ウシ,イケ 1942年 長野県 ウシ池という牛の形の小さな古池があり、そばに立って「ウシンボウ」というとすぐに泡が浮いてくる。中に牛が沈んでいるという。
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ダイジャ 1954年 新潟県 沼地がありそれは三盃池と呼ばれた。この池は別名大蛇池であり、主である大蛇は退治された。しかしその毒気は消えず、ほとりでサンバイサンバイと唱えると水面から泡が出てきた。
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サンバイイケ,ドクジャ,サカナ,カメ 1982年 新潟県 町の北側にあったサンバイ池という池では、享保年間まで、毒蛇が人畜に害をなしたが、長岡藩士山本という人物が退治して、明治のころは水がかれて形ばかりの池が残っていた。この池にすむ魚や亀はみな毒をもっていた。
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モンモウ 1973年 富山県 明治のことは海に出る時大きな掛け声をあげて海へ向かった。ここは三角波がたって船が転覆し、死者もあった。モンモウ(妄魂)が出るといわれ、大きな声を出すのはそれを追い払う意味もあったかもしれない。
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(クロケブリ) 1980年 享保の頃、土や木から黒い煙が立ち上がったことがあった。それは春の、南風が吹く日である。
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ヒノタマ 1959年 福井県 1920年前後のこと。3月にエビを捕りに海に出て遅くなり、日が暮れて霧がかかり、大風大波にあって、エビを放り出してようやく助かったとき、大風のカシラ(風の真ん中)に大きな火の玉を見た。
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ウバガイケ 1976年 静岡県 駿河国江尻の近所に昔1人の女がいた。性格は頑なで、文禄2年8月8日媼が池に身を投げて死んだ。人がその池の近くで媼と呼べばたちまち泡が沸き返る。大声で呼んだら大きく沸き返る。
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カッパ 1928年 島根県 明治初年、猿回しの猿が川へ飛び込んで、河童を抱えて上がった。
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テングノス,テングノイシコロ 1922年 石川県 大正年間のことである。突然対岸から砂礫を打つものがある。若者の悪戯と思ったが、今度はゴーと地鳴のような鳴動がする。次にはバラバラゴーと礫を降らす。
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(ツナミ),(ヤマノヨウナモノ) 1982年 享保13年7月末、伊勢浦を見たところ、沖のほうに突然大山のようなものが現れた。浦辺の人々は津波だと思い銘々に用意をした。するとその山の様な物は2つに分かれ、一方は東に、もう一方は西へと飛んでいった。その翌日江戸近国では山が破れ水が噴出し江戸が洪水になった。22年前の伊勢御遷宮の際も伊勢浦に同じようなものが現れ東海道が洪水になった。明年は21年目の御遷宮である。何か関係があるのだろうか。
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シノゼンチョウ,シカタ 1930年 鹿児島県 明治40年ごろ、誰の口からか「人が溺れて死んだ」という噂が流れた。皆が大変だと戸外に飛び出したが、誰も死んでいないことがわかった。それから2、3時間後、徳兄という人の妻が足を踏み外して大きな水溜りに落ち、妊娠中で這い上がることができなかったため、そのまま死んでしまった。村の人々は先刻のことは死型だったのかと言ったという。
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オオキナアカイタマトアオイタマ,ヒノタマ,マッサオナタマ 1982年 三重県 5月ころの夕方、田の水を見に行くと、川のふちに大きな赤い玉と青い玉がころがりこんできたという。昔から「日照りが続くと火の玉が地面をころがる」「雨降りが続くと水玉といって真青な玉が水の上をころがる」という。
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チミズ 1919年 沖縄県 岸から血のように赤い水が沸いた。おそらく細菌性のものだろうが、当時の人は血水といっておそれていた。疫病が出ると、この現象とつなげて考えていたのかもしれない。
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エンマドウヨコチョウノカイ 1956年 宮城県 明治の中頃,附近一帯の道路工事に伴って泥沼を埋め立てた。工事完成の数日後,夕方そこを歩いたら髪を振り乱した白い葬衣の女が現れて,何か訴えたげにしていたのを見た者が出た。昔塩竃明神の火災の時,この池にお釜が飛んできて埋まった。明神を信仰していた門前町の妓楼の遊女も焼け死んで,その魂がお釜に縋ってここに埋まったので,今回現れた女はその幽霊だということであった。一方,その幽霊は塩竃の遊女ではなく,近くの弓ノ町が遊女町であった頃無残な死に方をした女があり,その墓石が道路工事で古池の傍らに埋められてしまったために怨んで現れたという噂もあった。円福時近くに住む丹野某と言う請負師がこれを聞いて古池近くを掘らせるとそれらしい墓石が出土,これを厚く弔うとその後幽霊は現れなかったと言う話も行われている。
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オチカビ 1959年 静岡県 神明浦という所の奥から、五月雨の夜などに、怪しい青い火の玉が出て、湖上の波の上を飛び回ることがあり、村人はお近火と呼んでいる。昔、父と旅を流れてきた美しい娘お近が、村の庄屋の一人息子源五郎と恋をしたが、庄屋は旅の女と結婚することを許さず、源五郎はお近に別れ話を切り出した。その夜、お近は神明浦に身を投げ、以来怪火が出るという。
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ダイジャ 1990年 鳥取県 日光地区は昔、大港だった。出雲の国造が勅命で上京の折は大洪水で困ったが、供の三女が海に入り水神の妻となると、沖から大波が来て港が閉まり、白砂の道が出来て国造は無事上京した。以後は数町歩の大池となり、竜神、魔物のすみかとなった。千年後、鹿野城主亀井武蔵守が日光池の干拓を行うと、雷鳴が轟き滝の如く雨が降り、海岸に大魚が打ち上げられた。これは池の大蛇に違いないという話になった。以後、武蔵守は体調が悪くなり、寝ていると枕元に美しい女官が立つ。占い師によると池の大蛇のなすわざという。そこで日光大明神の社を建立した。
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ホイホイ,オト 1964年 福島県 明治44年の暑いころ、沢の辺で「ほーい」と呼ぶ人の声がした。何の姿も見えず不審に思っていると3声めがすぐ頭の上でし、周囲の木が張り裂けるような激しい音がした。「ばた、ばた」と小山に上がるような音がしたのですぐ上がってみたが何もない。
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ヤマノババ(ゾクシン) 1959年 新潟県 焚物が泡を吹くことを「山の婆さが茶を沸かした」といい、雨の兆しである。
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フダンドブ,ウマノクラ 1996年 石川県 ふだんどぶという水溜りには、お盆になると馬の鞍が浮く。昔この澱みにはまって死んだ武士がいて、その馬の鞍が浮くのだという。
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