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怪異・妖怪伝承データベース
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検索対象事例

シノゼンチョウ,シカタ
1930年 鹿児島県
明治40年ごろ、誰の口からか「人が溺れて死んだ」という噂が流れた。皆が大変だと戸外に飛び出したが、誰も死んでいないことがわかった。それから2、3時間後、徳兄という人の妻が足を踏み外して大きな水溜りに落ち、妊娠中で這い上がることができなかったため、そのまま死んでしまった。村の人々は先刻のことは死型だったのかと言ったという。

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シチニンミチユキ
1940年 香川県
ある老女が行水をしていたところ、生暖かい風と共に近付く足音が聞えるが、姿は見えない。ますます足音が近くなったところで、老女は何かの力で田の中に投げ出され、大怪我をした。七人道行という神の通路に当たっていたので、このようになったと人々は噂した。
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ヨメノユウレイ
1956年 宮城県
昭和22,3(1947,8)年頃吉田地区の農家の嫁女が姑にいびられて入水死した。その後その嫁の亡霊が時々現れ,家族や近所の人がこれを目撃したと評判になった。
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カッパガミサマノミタラシイケ
1956年 宮城県
磯良神社,通称河童神様の御手洗池はどんな日照続きでも水の涸れることがなく,それが用水堀に続いていた。昔,近所の安彦甚之丞という者が,ある夏仲間と二人で用水堀をくぐって泳ぎ回っているといつのまにか水底から水の無い所に出た。そこには立派な家があり,窓から覗くと美しい娘が機織をしていた。「ここは人間の来る所ではない。早く帰りなさい。」「ここに来た事を三年経たぬうちは人に語るな。語れば必ず禍がある。」と言われたので,夢中で逃げ出すと何時の間にか元の用水堀に出ていた。一人はつい口を滑らせてしまい,原因不明の高熱で急死してしまったが,甚之丞はなかなか話さなかった。
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ヨメノナクコエガキコエテクルイケ
1970年 長野県
姑に一日で田植えを終えるよう命じられた嫁が、すこしのところで日が暮れかかり気を落として死んだ。それから田に水が湧いて池となってしまった。どんなひでりでも水は減ることがなく、天気の変わり目には嫁の泣く声が聞こえるという。
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ホイホイ,オト
1964年 福島県
明治44年の暑いころ、沢の辺で「ほーい」と呼ぶ人の声がした。何の姿も見えず不審に思っていると3声めがすぐ頭の上でし、周囲の木が張り裂けるような激しい音がした。「ばた、ばた」と小山に上がるような音がしたのですぐ上がってみたが何もない。
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イミ,チブク
2003年 山梨県
出産の一週間後、祭りの吹流しを倒す作業を行なった男が、足に怪我をして、その故にやがて死んだといわれる。
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ドクジャ
1976年 静岡県
桜村に池の社という方5町程の2つの池がある。毎年8月彼岸の中の午の刻に半切り桶に赤飯を盛って水泳が達者なものが池の半ばまで押し行き池の真中で手放す。池の水が渦巻いて桶は水中に沈む。伝えによると昔、国主が入国した頃、妾とこの池辺りに遊興した。すると俄かに池に波が立ち妾が池に引き込まれてしまった。国主は怒って池に焼いた石を投げ入れさせ続けた。7日7夜続けたところ毒蛇が死んで浮かんできた。頭は牛のようで、背に黒い鱗があり、白い角が生えていた。また肥後の阿闍梨皇円の霊魂がこの池に入ったとも言われる。
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シノゼンチョウ,ヒトダマ,シカタ
1930年 鹿児島県
1900年ごろ、村はずれの山近い一角から青い火の玉がフワリと浮かび上がり、長い尾を引いて大勝のほうへ飛んでいった。火の玉が現れた場所には死の床についている人がいたため、あれは某さんの奥さんの死型だという噂が流れた。その後、10日ほどで亡くなり、人霊は実家に別れをつげに言ったのだろうといわれた。その実家でも2、3人の足音が聞こえ、火の玉が見えたという。
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カモコノスイジンノタタリ
1984年 新潟県
昔、加茂村に武右衛門という者がおり、物好きで新奇なことを好んで、新田作りなどをした。ある年のことムラの者と連れ立ち、相川からの帰り道すがら長江川の近くまで来ると、釜屋村に住むという見なれぬ女と道連れとなる。武右衛門はやがてその女に手を引かれて水の上を浮かれたような調子で歩き続けてやがて見えなくなる。翌朝、湖水をくまなくさがしてみると、死体が現れてきたので、村人たちは加茂湖の水神の祟りであろうとおそれおののいた。
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シリョウ
1985年 愛媛県
大正8年3月末、病気になり熱が出た。入院すると間もなく脳症で無意識となり、うわごとを言っていたという。5月になって正気づいたが、祈祷師に頼んだところ「死人のいた処を踏んだので死霊に取り付かれた」といって死霊を壺に封じ込めて夜中に山の中へ埋めたという。後で聞くと通学路の橋で明治時代に殺人事件があった。
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ミズ,ウバ
2000年 愛媛県
昔、ある貴人の乳母が、乳の出が悪いことを苦に投身自殺し、哀れんだ村人は祠を建てて弔った。乳の出が悪い母が、投身自殺をした岸の上から徳利を吊り下げて水を汲み、その水で作ったお粥を飲むと乳の出がよくなるといい、現在も若い人がよくおとづれる。
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タタリ
1977年 三重県
己亥の年の4月に、城北の瀬古村の女が伊勢神宮に詣でたが、障りがあって帰った。しかしまた思い立って参ろうとしたが、豊宮川の岸で自分の耳が長くなるように思えて心が乱れ、他の人には角があるように見えたという。その女は川を渡らずに一緒に行った者が宿に連れて帰ったが、宿から走り出て五里ばかり西に行った川に入って死んだという。その夕方は風が強く吹いて氷が降って雷鳴が聞こえたが、日頃から悪心だけであって、人もあざるような女だったという。これらは神の祟りといわれる。
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イキカエッタトイウヒト
1985年 和歌山県
便所で気を失って倒れてしまった人がいた。そのときちょうど近くに婆さんがいて、その人の名を呼んだ。このことは村中に広まり、お婆さんたちが集まってきて、大声で名を呼びつづけた。あきらめずに呼んでいたら生き返ったという。
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スイジン,タタリ,ネンリョウガフチ,カネノネ
1929年 長崎県
北有馬村にある淵から水を引いて住民が生活していた。ある夏、土用の入りと同時に水が止まった。庚申神社に祈祷に行くと、三十三日目の晩に老人の夢に庚申様が現れて、田に水が行かないのは淵の水神の祟りだと言った。村人は孕み女を淵に入れて水神に奉った。恋人であった僧は彼女を追って淵に投身して死んだ。その後、土用の入りから三十三日目にこの淵から鐘が鳴る。
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オンナ,タキノヌシ
1989年 静岡県
天城湯ヶ島町の浄蓮の滝に樵が鉈を落したら、美しい女が滝壷から出て来て鉈を返してくれて、このことは誰にも喋るなと言った。うっかり喋ってしまったら、翌朝、その樵は滝壷に浮かんで死んでいた。
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コマガタイワ
1987年 長野県
昔,滝の沢の山道を,まだ小さい兄妹が馬でやってきた。霧の深い日で一寸先も見えず,まず兄が,次いで妹が谷底に転落した。谷は高さ数十メートルもあり,落ちればまず助からない。しかし,しばらくして村の者が白い馬に抱かれるように気を失っている妹を見つけた。妹には怪我一つなかった。妹は駒形(馬の形)が岩に刻まれていたと聞き,信心深い兄が身代わりになって命を助けてくれたのだと言った。兄妹は名のある土豪だったが父が防人に召されている間に手代に家や土地を奪われ,父を探す旅をしていたのだという。丁度この時武人が通りがかり,騒ぎを知って女にあった。武人は父であった。父はその後村人と協力し村のために尽くした。村の発展は駒形岩のおかげだと,今も駒形神社で祭りが行われている。
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オンナノユウレイ
1931年 大阪府
明治以前の事、不縁となって実家に戻った娘が、煩悶した挙句入水自殺を遂げた。以来、夜暗くなると、身投げした浜から女の幽霊が出没するという。そればかりでなく、姑を呪う声まで聞こえるそうで、見物客や商店が出るほど盛況になったことがあるという。
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ケンムン
1969年 鹿児島県
ある男が12月頃の晩に潮干狩りに行く。木を枕に海岸で寝ていると、その木はケンムンの枕木だったのでケンムンの声がして来た。「今晩生まれる子が女の子であれば、他部落に嫁入りするように。その時大雨が降るが木の下に隠れるように。その時石垣もろとも木が倒れ娘は命を失う。運命だ。」男が家に帰ると女の子が生まれていた.。成長し嫁入りすることになったが予言どおり大雨になった。父はついていくといって聞かず、雨宿りさせなかったので無事に嫁入りは終わり、その子は百才まで生きた。それで田舎ではケンムンの死の予言を祓う。
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カミサマ,ウンサダメ
1967年 新潟県
昔、男が川の側で朝寝をしていると、神々が生まれてくる娘は18歳の嫁入り道中に大雨で死ぬと話しているのを聞いた。嫁入りの時、笠と蓑を持たせることにより娘の命は助かった。
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タキノヌシ
1934年 静岡県
昔、樵が雑木を伐っていた。その中の一人が滝壷に落ちた鉈を拾いに滝壷に飛び込んだ。水そこには美女がいて、ニッコリ微笑んだ。女は瀧の主で、自分がここにいることを口外してはならないと言って男を帰した。数年後、酒によってこのことを話してしまった男は、その瞬間に死んでしまったという。
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