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怪異・妖怪伝承データベース
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検索対象事例

ヒノタマ
1999年 宮崎県
話者の父が若いころのこと。5月の末の桑の木伐りの帰り、馬に桑をつけて川を渡っていると、北のほうが明るくなり、大きな火の玉が出た。友人と「提燈代わりだ」などと軽口していると、聞こえたのか火の玉は父らのほうへまっしぐらに来て、頭上をぐるぐる回った。父たちは南無阿弥陀仏を唱えながら逃げ出した。

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ジョウサガシ,ヒノタマ
1985年 愛媛県
大正初期のうら盆前後、森の中にほたる火のような火の玉を見た。その火の玉はやがて提灯程の大きさになりうろうろしていた。探し物をしているようでもあった。祖父に聞くと状さがしというもののことで、昔主人から急ぎの手紙を言いつかった仲間という男が手紙をなくしてしまい、探し疲れて死んでしまったがその執念が提灯をかざして歩くものという。
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イソテング
2002年 愛知県
おじいさんが若かった頃、鳶ヶ崎に漁に行ったとき、今にも雨が降り出しそうな暗い夜だったが、面白いほど魚がとれ腰のびくはずっしりと重くなっていた。突然あたりが明るくなったので驚いて空を見上げると海田の海の方から大きな火の玉が2、3こちらに飛んできた。磯天狗と思いわらじを頭に載せ一心に念仏を唱えた。そのうち火の玉は南の方へ飛んでいったが、びくの魚はなくなっていた。
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ヒノタマ
1938年
少年時代に火の玉を見た。夏の夕方、「火の玉が高い木の枝にぶら下がっている」と父母が教えてくれた。見に出ると、木から離れ長い尾を引いて飛んでいた。
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タマシイ
1997年 奈良県
夏の暑い日、奥の座敷にいた祖母が家族を呼んだ。祖母が言うには、火の玉が飛んでいるのだという。けれども家族の者は誰も見ることができなかった。翌日、祖母の母親が死んだと言う知らせが来た。その火の玉は薄青い色で丸くて、ずううっと尾を引いて飛んでいたという。
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ヒダマ,キツネ
1938年 長野県
おばあさんが夜に桑を取りに畑へ行くと、提灯をこつこつはたく音が何度かした。おばあさんは淋しい気持ちになって帰ることにしたが、その途中も同じ音がする。自分の家の前でそのことを狐の仕業かと話していると、狐が大きな火玉になってみせた。
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キツネ
1943年 愛知県
50年ほど前の話。じいさんが川へ夜釣りに行った。川の向こうに提灯が1つともったので、狐の仕業だなと思っていると、急に寒気がして、提灯がどんどん増えた。これはいけないと思って、狐は火を嫌うので煙草を吸って帰った。家に入るときは狐にとり憑かれないように、後ろ向きになって入った。次の日に再び近所の人と釣りに行った。また提灯がともったら、連れが寒さを訴えた。やはり提灯が増えたが、2人で近寄ってみたところ、狐の方がまけてだんだんと火を消していった。
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ヒノタマ
1999年 宮崎県
1918年の夏のこと。大変な旱魃でみな困っていた。ある晩9時くらいのこと。山がパーッと明るくなったと思うと、お盆程度の大きさのオレンジ色の火の玉が現れ、真っ赤な火の粉を撒き散らしながら西へと飛んでいった。この火の玉は自分の田に水盗みをしていた男を脅かし、雲雀山地区を一周して熊野神社のごまさんの森に消えた。集落中の人がこの火の玉を目撃し、大評判になった。それから数日後、恵みの雨が降り、田植えも無事行われた。
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ヒノタマ
1999年 宮崎県
1920年代後半のこと。話者が小学生の時、春の雨上がりの夜に松明を燈して魚突きをしていたら、墓地が青白く光っている。じっと見ていると直径30㎝ほどの青い火の玉がふわりと上がり、こちらに向かってくる。「火を消さないとこっちへ来る」と友人が言うので松明を消した。そのまま見ていると西風に乗って流れ、川の上まで行ったと思うと川上のほうにふわりふわりと移動して、山陰に消えた。
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タヌキ
1987年 徳島県
火事になった養子の親の家に行くため、狸がよく出るという山を歩いていた。他に狐や山犬(おおかみ)もいた。提灯のローソクは狸があっという間に取ってしまう。獣が寄らぬようにお堂で火をたいていると、狸がだましにやって来る。近所の女の人に似た声が聞こえ、笑い声もした。道を進もうとすると、杖が滑ってなかなか進まない。
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ヒノタマ
1938年 鳥取県
母が危篤になり父に急使を出した。夜半、家が見える峠まで父が来ると、家から大きな火の玉が中天に半円を描いて飛び出るのが見えた。父は驚いたが、火色に明るい光色があったので、病人が助かる前兆だと安心した。事実、母は助かった。
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キツネ
1972年 千葉県
話者の父が馬車引きの仕事の帰り、提灯の明かりの方へ行くと若いきれいな人がいて、うどんをごちそうになった。朝になって見ると、うどんとおもったのはミミズで、馬車の魚はなくなっていた。提灯と思ったのは狐の吐いたアワだった。
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ヒノタマ,ムジナダマ
1981年 茨城県
竹薮から大きな火の玉が飛んで来た。急に周囲が明るくなり、火の玉は赤黄色でその周りは青みがかっていた。波打って飛び、上に行くと光は広がった。近くの人はむじな玉だと言う。
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ヒノタマ
1987年 埼玉県
堤さんの父親がある時川角へ行って日が暮れると、越辺川の土手の上に大きな火の玉が飛んでいた。狐の火だととっさに身を隠していると、火の玉はゴーッという音と共に川上へと消えたが、恐くて立ち上がれなかった。
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キツネ
1972年 千葉県
話者の家族が使いから帰るとき、夜道で狐が葉っぱを取ってチョンチョンとしているのを見た。そうしたら狐が消え、提灯の火も消えて、朧月夜だったのが闇夜になった。化かされると動いてはいけないと言うので、その場から動かずまた火をつけた。しばらくすると、また元の朧月夜に戻った。
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ヒノタマ
1977年 秋田県
天気のいい晩、魚釣りをしていたら、ゴーという音とともに火の玉が川の上を飛んでいった。
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ヒノタマ,カワテング
1933年 東京都
あるとき、川狩をしていたら。突然火の玉が現れたので、驚いて逃げ帰った。また、同じところで別の人々が魚捕りをしていたら、どこからか小石が飛んできて怖くなったので逃げた。翌朝見に行くと捕った魚は一尾もなかった。川天狗の仕業。
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キツネ
1938年 長野県
祭礼の帰りにおじいさんと2人で提灯をつけて歩いていると、橋のところで提灯をばりばりひっかくような気がするが、おじいさんが気のせいだというのでそのまま行くと、火が消え、草薮の中にいた。音が聞えたのでおばあさん(音を聞いた人)が犬年だったからだ。
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ヒノタマ,ヒトダマ
1976年 愛媛県
筆者が子供のころ、亥の子の晩に、晩の子を引いてまわっているときに、誰かが、「あに、ひとだまが」というので見ると、フットボールぐらいの大きさの火の玉が直径の倍ぐらいの青い尾を引いて、家の上をゆらりゆらりと飛んで行った。
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キツネ
1993年 岩手県 
話者18,9歳の旱魃の年の5月のある日、暗くなってから米を買いに出かけたら、神社の神様が牛のように見えた。きつねだなと思って友達の家に逃げた。暫く休んでまた歩くと、今度は井戸の脇のあぜ道で周りをふさがれて歩けなくなってしまった。もう帰ろうと思って山道を行くと、ニシという屋号の家の倉の横で火が燃えていて、山々や土沢の町がガラッと見えた。倉の横で火なんか危ないなと思うと、ウサギのような足音が通り過ぎていった。きつねが諦めて山に入ったのだろうか。
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キツネ
1933年 長野県
油を買いにいった帰り、田の中に急に燈火がついた。燈火は火の玉になり矢車のように廻って消えた。気づいたときには油はすっかりなくなっていた。
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