オタイナイボトケ 1941年 新潟県 大日如来を修繕したときに、その胎内仏を盗んで、峠を超えて逃げた者が途中で変死した。この胎内仏は、寺に納まってしまったと言われている。
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ホトケサマノレイケン 1952年 静岡県 行基作の大日如来像が戦国時代戦火で行方不明になった。ある日大井川で網に日輪の光を放つ仏像がかかった。打ち捨てて帰宅したがその夜、高熱を発した。暫くすると病人が「われは大日如来像である。引き上げて山に送り還せ」と告げ、その通りにすると忽ち快癒した。
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アツタジングウノカジ 2002年 愛知県 熱田神宮の楠の下に乞食が寝ていた。夜中楠から火が出て本殿にも燃え移りそうになった。神主が御神体を持ち出そうとするが鍵が開かない。そこへ神主の父が来て鍵を開けた。父が再来を告げて去ると火が治まった。父は再来せず、自宅へ戻った神主が父に謝辞と何故戻ってこなかったのかを尋ねた。すると父は何も知らぬ、それは末社の神が出てきたのではないかと語った。
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シリョウ,タマ 1941年 岐阜県 山の中を歩いているとき、供の者が主人を殺し、死体を竹薮に放ったまま山を下りた。そこへみずぼらしいお坊さんがやってきて、「お前は殺した死骸に取り付いていないと死ぬ」と忠言する。そこで供の者が主人の死体に取り付いていると、朝になると魂が戻ってきて「今日も探し出せんで残念な」と言って死体に入る。夕方また出て行って「今日は地を六尺掘っても探し出す」といい、そのたびに大きな音を立てる。三日目「この位探しても見つからないならあの男は死んだに違いない。これで成仏できる」といって魂は死体に入った。供の男は助かった。
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フナトノモリミシマシン 1964年 愛媛県 もともと上流の小屋さんの所にあった神体が、洪水で惣川に流れつき、石の上に止まった。ところが、小屋の者がそれを持って帰ろうとしたら、重くてどうにも動かなくなっていたという。
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テング 1977年 東京都 小石川伝通院山内にいる岱雄という者は、僧とともに出かけたが帰らず、2日後、寺の寮で昏倒しているところを発見された。気が付いて語るには、供をしている時に、体が自然に空へ昇り、それから成田不動へ参詣し、大樹の間にいた出家者たちと相撲をしたり、食事をとったりし、7日ほどいたという。天狗の仕業でも趣あるものだ。また天狗は、再び参詣したければ、東を向いて不動を念じろと言った。そうすると再び天狗が現れ、成田山へ連れていかれた。帰りに諸々の土産ももらった。
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タタリヲナスイシ 1992年 茨城県 山道にある大きな池にあった大日如来を移転した。その際に不用になった石段をぬかるみ道に置いたところ、運んだ村人が不幸になったため、元に戻すことにした。
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イッポンタタラ 1985年 和歌山県 ある人が歩いていたら、3匹の狼に着物の裾をくわえられて連れていかれた。そして狼は、その人を岩陰に隠した。するとそこへ一本タタラが通りかかった。狼のおかげで助かったので、その人は自分が死んだら遺体を狼にやると約束した。
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アミダノカケジク 1995年 宮城県 山の上集落の近江家は、旅の僧をもてなして阿弥陀様の書かれた掛軸をもらった。あるとき、近江家に普請に入った大工の棟領が、掛軸を盗んで逃げた。家を出た途端大雨が降り出し、狐狸が邪魔をした。雷が鳴り、橋が流れそうになる。命からがら家に帰ったが、掛軸はピカピカと光っていた。翌朝、棟梁はポックリ死んでしまった。掛軸は古道具屋に売り払われたが、今度は大きなネズミが出て道具屋が眠れない。祈祷師に拝んでもらうと元の家に返せという。こうして掛軸は返ってきた。
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ダイニチニョライ 1988年 愛知県 天文年間、勅願寺御嶽山光明寺では、兵火を避けて本尊である大日如来を池に埋めた。明暦年間、これを知った長尾村の大島四郎兵衛久成が大日如来を発掘して持ち去る途中、西浦の村人が村の守り本尊だから返せと言って追ってきて奪い合いになった。ところが、西浦の村人が持ち帰ろうとすると、持ち上げることも動かすことも出来ない。長尾の村人が持ち上げると軽々と運べたので、西浦の村人は諦めて帰った。そこで長尾村の大日堂に運び入れて守り本尊にしたという。
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ナキヤマナイマゴ 1995年 福島県 節分に孫達が豆をまいて神仏に拝むと泣いてしまった。若い者は東京に行っていたが、帰ってきたところに尋ねると不安は的中し、都やさんが不渡りを出して夜逃げしたため、その損害を蒙ることになったという。
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ヒトダマ 1937年 大阪府 ある夏の宵、船町橋の辺りの川面を飛んでいた人魂を見つけて小僧達が叫び立てたが、やがてそれは消えてしまった。すると筋違橋の辺りの陶器商の主人は、咽が乾いて水を飲みに行ったが、悪太郎共に追われてやっと逃げ帰ったのを夢に見て汗びっしょりで目覚め、夢を妻に話してから頓死してしまったという。
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ビシャモンサマ 1968年 愛媛県 京都の鞍馬山が焼け、3体の仏体のうち1体が行方不明になった。数日後、神ノ浦の山頂で火がともるので、部落のものが見に行くと焼け焦げた仏体があった。これを毘沙門天として祭ったという。
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ダイニチサマ 1968年 佐賀県 盗人がある寺から仏像を盗んだが、船で逃げる途中で嵐に会い、弁天島の側で沈んでしまった。その後、附近でにわかに鰯がよく獲れるようになった。ところがある日、鰯はぜんぜんかからず、網に仏像がかかった。そこでこの仏像をあがめて祀ったのが、打上の大日様である。
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ユウレイ,ボウレイ 1974年 福井県 若狭国常神村である日、寺の和尚の許に幽霊が現れ、死んだ船頭の主人が遺した銀子を主人の家に返して欲しいと頼んで消えた。翌日櫃が流れ着き、中に往来切手などと共に銀子が入っていたので、船頭の舎兄に返した。
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バケモノ 1953年 青森県 化物の出る古寺に泊まり込んだ若者が、本堂の来迎柱の下からオボサルオボサルと言って出て来た化け物を背負って帰り、朝になってみたら大判小判だった。
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フドウサマ 1989年 山梨県 大水が出たときに田原の滝の流れが変わったときに、水の中で光っているものがあるので引きあげてみるとかなり水にさらされた不動様が出てきた。引きあげて祀った。そこが火事で焼けたりしても、かろうじて本尊だけは助かった。
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カシャ 1973年 山梨県 精進に寺がない時には竜華院まで坊様を頼みに行っていたが、その近くに火車という化物が住んでいた。葬式が出るたびに死体を食おうと狙っていた。ある時村に葬式が出ると火車は飛脚に化けて竜華院にたのみに行ったが、坊様は見破り、施主に葬式を2回出し、最初の棺には石を入れておくよう指示した。最初の棺が出ると空に黒雲が沸いて雲の中から火車が飛んできて棺をさらっていった。その隙に施主の家では2回目の葬式を出して骨を無事に寺に納めた。火車は「竜げん坊主にだまされた」と叫んだという。
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タマシイ,スイジン 1934年 奈良県 大阪府 鍛冶屋は道で出会った男に馬を借りた。帰宅して後、いくら声高に叫んでも鍛冶屋の声が家人に届くことはなかった。そこへ聖徳太子の一行が現れ、魂を引き出した水神の悪戯を解き、鍛冶屋の体を元通りにした。果たして、鍛冶屋は再び家族に見えることができた。
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モウジャ 1934年 長崎県 盆に、仏が戻るための腰曳きに、綱を曳かなかったところ、亡者が夜中にやって来て、ときの声をあげ、綱を曳いて、安眠を妨げた。そこで、翌日に申し合わせて綱を曳き納め、亡者を慰めた。
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