ビョウニンガデルタ 1969年 福島県 湿地帯に病人が出る田というのがあったが、今は埋め立てられ、家が建ってしまった。
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ハネハラノビョウニンダ 1985年 茨城県 旧竜ヶ崎県道の近くに四〇アール程の田があり地味も良く収量も多かった。なぜか此の田を作ると病人が出ると恐れていた。元の地主は別にこれと言う理由は無いと云っていた。
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アラビルカミサマ,ヤクシサマ 1990年 長野県 昔、非常に祟る神が住んでいて困ったので、薬師様がその神をふせて上に薬師堂を立てた。人々は前の神様をあらびる神様といって恐れたが、今でも薬師堂の縁の下にはあらびる神様を埋めた土が盛り上がっており、その土を触ると祟りがある。
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(ゾクシン) 1981年 栃木県 上沢氏の家の前に薬師堂がある。ここの水で目を洗うと、目の悪い人は治り、普通の人は目の病気にかからないと言われていた。今では水が入っていないという。
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ヤクシニョライゾウ 2003年 愛知県 小佐の東方寺が廃寺になり須佐の光明寺に統合されて数年後、小佐の百姓作右ェ門が魚を捕りに出かけたところ、大漁だった。そのとき、「すくいだま」という網の中に石が入っていたので何気なく捨てた。もう一度網を入れるとまた石が入っていたので捨てたが、3度目にそれが薬師如来像であることに気づいて村に持ち帰った。村人は信仰していた薬師如来の再来と喜んで、これを敬った。
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ヤクシノゾウ 1967年 福島県 大平寺は以前、大平山の上にあったが、安永年中にこの地に移した。大平山の上にあった頃、盗賊が薬師像を盗み出して逃げたが、この地で脛が痛み出しついには切れて動けなくなった。ゆえにこの地を脛折という。
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ヤクシサン 1961年 鳥取県 向原のお寺の薬師さんは海から上がられて下市の部落に安置してあったが、病人が出たり変な夢を見たりしたことが続いたので伺ってみると、「灘の音のしない所に祀ってくれ」というので向原に祀るようになった。乳の病にあらたかであるという。
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ウマ 2001年 岐阜県 薬師堂の、巨勢金岡か狩野法眼の絵馬の馬が田畑を荒らしたので、手綱を描き添えた。
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クルマカエシノオヤクシサン 1981年 東京都 鎌倉幕府の命で奥州平泉の御利益のあるお薬師さんを鎌倉に運ぶ途中、白糸の地で運ぶ車が全く動かなくなったので、そこにお堂を作ってお護りするようになった。お薬師さんが白糸の地を望んでいるのだという。
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ヌレヤクシ 1956年 宮城県 槻木では昔、日照りの時、村人が鰌沼に集り、村の娘1人を竜神の人身御供とし、水責めにして雨乞いをした。およしという美しい娘に恋慕した勘作という若者が、恋がかなわぬ憂さ晴らしにある年およしを人身御供にすすめる。およしが沼へ行くと、旅僧が来合わせて不心得をさとし、竜神も喜ぶまいと、代わりに薬師像を与えて去る。突然大雨が降り村は生き返る。薬師堂を建ててまつり、およしはかたわらに庵を結んで一生薬師に仕えた。
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ヤクシニョライ 2000年 愛知県 医王寺の薬師如来は行基が作ったものといわれる。昔医王寺に盗賊が押しかけ、薬師如来像や宝物を盗もうとしたことがあった。そのとき1人の坊さんが盗賊の前に立ちはだかり、盗賊たちをなぎ倒し追い払った。この時の坊さんは実は薬師如来が姿を変えたもので、像には盗賊につけられた刀傷が腕に今も残っているという。
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ウマ 2001年 三重県 石薬師寺の絵馬の馬が田畑を荒らしたので、杭を描き添え、前足を縛った。
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カッパ,ジュウイチニノショウニ 1991年 山梨県 下條村に切疵の薬を売る農家があった。その父が師走の末に釜無河原を通ると11、2なる子が馬の尾に縋っているのでそこをどけというが、聞かないので山刀を抜いて切るまねをするとたちまち消えてしまった。宿へ帰って馬を洗おうとすると、尾房を猿の腕のようなものが掴んであった。その翌朝戸外に小供の声がして、主人を呼ぶ。戸を開けると112の小児がいて平伏し、私は釜無川の河童だが、腕を接ぐ妙薬があるから腕を返して欲しいという。河童はその薬方と腕を交換して帰った。これが国中に名高い下條の切疵の薬である。
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コウポウダイシノカケジク 1971年 茨城県 大開集落のある家には、弘法大師が百沢ある土地を捜して廻ってきたときに投げ筆で描いたというお阿弥陀様の掛軸がある。正月と盆に出して吊るす。湯で体を清めてから出ないと吊るせない。昔、掛軸をお寺に移したことがあったが、家に帰りたいと掛軸が泣いたので、元に戻した。1960年代のこと、東京から来た2人の男に掛軸を見学させたら、手が震え出した。バチがあたったのだという。
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ウマ 2001年 岐阜県 蚕飼薬師堂の、巨勢金岡か狩野法眼の絵馬の馬が田畑を荒らしたので、手綱を描き添えた。
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マンダラ 1936年 長野県 松尾の部落の山畑である老翁が婿と畑打ちをしていたとき、崖のうえに曼荼羅がかかったのが見えた。老翁は「やれ有難や松ヶ尾の薬師」と叫んだが、婿には何も見えなかった。この崖の上には藥師堂が建立されることになった。
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フルダヌキ 1982年 滋賀県 お医者さんの屋敷の裏の竹薮に住みついた狸が、観音様にお参りに行く人にいたずらをするので困る。ある晩、病人のおばあさんに膏薬を貼ってやると、それは観音様の堂の裏に張ってあった。いたずらは続いたが、竹薮は残したので、家は栄えた。
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ヤクシイシ 1933年 兵庫県 西平野村から阪急の線路を越えて大仏原に向かう小道の中程に松林の中の古墓に囲まれたお堂の中に薬師石がある。この石は昔ここに、家を建てようとした大工が邪魔になると言って掘り起こそうとしたが上手くいかず、大工は腹痛を起こして三日経って死んでしまった石で、現在その前に薬師仏が祀られている。
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チチヤクシ,ギョウキ 1937年 香川県 行基作の薬師木像に乳の出ない婦人がまいるとご利益がある。成就したひとは乳の細工物を献上する。
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サンジャクボウ 1995年 愛知県 明治の神仏分離たで遠州秋葉寺が廃寺となったとき、僧侶の奥平寛山が盗み出してきたのが今井の三尺坊だと言う。寛山が贋金作りをして警察に捕まったあと、三尺坊は名古屋の古道具屋に売られたが、その前後に今井で火事が頻発し、御嶽行者の行中に三尺坊が現れた。区長が名古屋まで行って古道具屋から三尺坊を買い戻し、御嶽講の人たちに祀ってもらったら、火事は治まった。
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