アラビルカミサマ,ヤクシサマ 1990年 長野県 昔、非常に祟る神が住んでいて困ったので、薬師様がその神をふせて上に薬師堂を立てた。人々は前の神様をあらびる神様といって恐れたが、今でも薬師堂の縁の下にはあらびる神様を埋めた土が盛り上がっており、その土を触ると祟りがある。
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ヤクシニョライ 1963年 山梨県 行基が諸国行脚のおり、柏尾に至り、郷人を集めて川岸の大岩の上に21日間静座してご祈祷した。その火の中に霊夢となって、左手に法印を結び、右手に葡萄を持った薬師が現れた。行基はそれによって葡萄を持った薬師如来を彫刻し、本尊として柏尾寺を開基した。
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ジゾウボサツ,セイメンコンゴウ 1983年 愛媛県 柿の木部落に地蔵菩薩を信じる兄と青面金剛を信じる弟がいた。弘法大師がやってきて兄弟に感心し、それぞれ仏像を刻んだ。後世、松が鼻に地蔵堂を、松尾坂麓に青面金剛の堂を作った。乱世で失ったが、その後北宇和群広見町深田の庄屋河野勘兵衛通行が松が鼻で石を枕に寝ていると夢地蔵菩薩が現れ、掘り出して供養すれば婦人のお産を安泰にする、と告げたので掘り出して祀った。これが現在の子安地蔵である。その後再び夢のお告げと二匹の猿の導きで松尾坂の青面金剛も掘り出し、お堂を造り祀った。これが現在の庚申堂である。
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ガケノタニノジゾウソン,ヤマブシ 1975年 愛媛県 昔大飢饉があり、人々が雨乞いをしたが効果がなかった。どこからともなくやって来た山伏が崖の谷で滝に向かい念仏を唱えて断食の荒行を始めると雨が降ったが、山伏は死んでしまった。村人はそれを悼み、滝の傍らに地蔵堂を建てた。
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ハチメンダイオウ,オニ 1990年 長野県 有明山のふもとに住んでいた弥左衛門は薬草を採りに行って、そのまま八面大王という鬼にさらわれた。妻は1人で幼い息子の弥助を育て、弥助はやがて立派に成長した。ある年、弥助は大きな山鳥を助けてやった。それから3日、美しい娘と知り合った弥助は、その娘を嫁にした。春になると、また八面大王が暴れるようになり、坂上田村麻呂がそれを征伐しにきた。
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ヤマノテラドウウンジ 1956年 宮城県 昔ここに大菅谷、佐賀野という夫婦がいて、ともに容顔美しく老いを知らなかった。ある日、定恵が訪れて九十九峯、九十九谷の水清らかな地形を見、錫杖で地上に輪を描いてこれだけ地を貸してくれと言った。大菅谷が承知すると輪は広がり全部その中に入り、約束ゆえ夫妻は土地を明け渡して泉ヶ岳のふもとに移る。今その地を堂所という。定恵はその跡に蓮葉山円通寺を建て、一名を佐賀野寺、邑名を大菅谷保と称した。
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シガノヤクシ 1956年 宮城県 貞観2年(861)慈覚大師開基のとき、飛騨工匠が村人に一夜で堂を建ててみせるという。村人が夜明け前に鶏の啼く真似をしたので、工匠は天井板一枚張りかねて立ち去った。堂前の坂の中ごろにある蛇石は、材木を運んだ牛が転んで石に化したという。堂に狩野法眼元信の絵馬に手綱が描かれていないので、絵馬から抜け出して畑を荒らしたため、元信に頼み手綱を描き加えてもらったという。
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オヤクシサン,オンセン 1936年 鳥取県 長者の娘が病気になった。菖蒲にあるお薬師さんに平癒を祈ると、お薬師さんが娘の枕神に立ち、帰って柳の木の下を掘ると湯が出るのでそれを使えと告げた。その通りにすると、金色のお薬師さんの像が出てきて、熱い湯がわき出した。
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ハクハツノロウジン,マツオミョウジン,ブッポウソウ 1976年 京都府 松尾大社の傍らに大きな石があり、白髪の老人が座っていた。延朗上人が誰かと問うと、松尾明神であると答えた。2人の者を上人に使わすと語った。その通り、2羽の鳥がやって来て、ほかの鳥は入ってこなくなった。これは仏法僧という鳥である。
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レイム 1967年 福島県 小手五岳の1つ、女神山に信夫城主左藤庄司の娘が薬師の尊像を背負い登ったところ、糠田村の村民18軒が一同に霊夢を蒙り、互いに奇異の思いをなしてこの峰に上ったところ霊夢に見たように女が薬師尊像を仮堂をいとなんでいた。その後この地に薬師堂を建立した。
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カミノレイゲン 1984年 愛知県 尾張の農家生まれの林善四郎は妹の病が良くならないので不憫に思い44歳で信仰の道に入った。欲を投げ捨て、木曽の山で修行をして神の道に精進して、御岩屋のお穴をほり祈願を成された。神仏に百日の誓いをかけて、断食、無言の行を行いながら穴を掘られたが、村人の中には反対するものもあって3分の1程で村役から危険であるのでやめろと中止を命じられた。それでまたもとのように穴を泥砂で埋めると、神の霊験不思議なるかな、一夜の間に埋めた土砂は吹き飛んで跡形も無く穴はもと通りになった。
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ヤクシサマ 1989年 長野県 戸倉山頂に薬師があり、老僧が守っていた。ところがこの僧が亡くなったので、お薬師様は寂しくなって杉島の報恩寺のいちょうの木に飛び移った。住職が朝、外に出てみると、イチョウの木から後光がさしてうなっていたので丁重に祀ったという。
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フルダヌキ 1982年 滋賀県 お医者さんの屋敷の裏の竹薮に住みついた狸が、観音様にお参りに行く人にいたずらをするので困る。ある晩、病人のおばあさんに膏薬を貼ってやると、それは観音様の堂の裏に張ってあった。いたずらは続いたが、竹薮は残したので、家は栄えた。
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オキナジマ 1956年 宮城県 松島寺の地主権現山王の祭に、天台の僧徒が、年々に延年を奉納し、終れば面を邑長の家に収める。ある時その中の翁の面が飛んでこの島に落ちた。
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ハチメンダイオウ,オニ,ヤマドリ,(ユメノオツゲ) 1990年 長野県 有明山のふもとに住む弥左衛門は息子の弥助が幼いうちに八面大王という鬼にさらわれた。立派に成長した弥助はあるとき大きな山鳥を助けた。それから3日して弥助は美しい娘を娶った。そのうちまた八面大王が暴れ始めた。坂上田村麻呂が観音堂で祈ったところ、特定の山鳥の尾を矢にするよう言われた。その話を聞いた弥助は悩んだが、嫁がそれを持ってきた。嫁は山鳥の化身であり、その後姿を消した。その矢で八面大王は退治された。
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ヤクシイシ 1933年 兵庫県 西平野村から阪急の線路を越えて大仏原に向かう小道の中程に松林の中の古墓に囲まれたお堂の中に薬師石がある。この石は昔ここに、家を建てようとした大工が邪魔になると言って掘り起こそうとしたが上手くいかず、大工は腹痛を起こして三日経って死んでしまった石で、現在その前に薬師仏が祀られている。
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ヤザエモンヤシキ 1987年 長野県 親沢から笠原へ越す峠の下にある。昔,ここに住んでいた弥左衛門というお大尽は「なんたらこま」という栗毛の馬を可愛がっていた。ある年,悪い病気が流行って一家の者が寝込んでしまい,弥左衛門は田植えが遅れることを嘆いてばかりいた。ある晩「なんたらこま」が急にいなくなったので,夜が明けてから蹄の跡を辿っていくと弥左衛門の田に続いており,田植えが全て終わっていた。更に辿っていくと「なんたらこま」は妙見様の祠の前で草を食っていた。妙見様の木像の腰から下が泥だらけになっていたので,馬に頼まれて妙見様が田植えをしてくれたのかと,村人は妙見様を伏し拝んだ。妙見様でなくて八幡様だという人もいる。
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イナリミョウジンノケシン 1967年 福島県 尼子橋は雨が降ると水があふれ通行できず、人々は難渋していた。岩城則道の妻徳尼はこれを見て心を痛めていたが、ある時、尼の庵の前で白髪の老人が嘆息していたので庵に招きいれた。話をすると老人は架橋の意思があるというので、援助を約束した。老人は感激し、30日ばかりで橋を完成させた。渡り初めも済み、老人は再びお目にかかる事は無いと立ち去り、薬王寺台辺りで見る間に姿が消えた。不思議に思い老人がいなくなった辺りを探させると、穴があり、式に供えた餅があった。稲荷明神の化身かとこれをあつく祀り、尼子稲荷明神と呼んで橋の守護神とした。
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ドウチヤクシニョライ 1936年 岩手県 道地薬師如来が苦病に悩む人を救おうとして川に落ちた。流れてきた仏体を持ち帰った人の夢枕に立ち、祠を建てよと言ったので、薬師神社を建立した。
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キイ 1974年 岐阜県 濃州笠原村で、閑唱阿闍梨の霊合山の庵に石塔を建てようと山に行き良い石をみつけた。村の者を集めて石を取りに行こうと相談していた翌日、大雨が降って石が家の前の川まで流れてきた。
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