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怪異・妖怪伝承データベース
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検索対象事例

ヤロカミズ,タタリ
1923年 愛知県
大雨が続き、木曽川の鵜飼屋の井関を守る男が、井関の扉が苦しそうに鳴るので様子を見に行った。するとどこからともなく「やろかやろか」という声がするので、思わず「よこさばよこせ」と答えてしまった。とたんに一帯の地は水の下に沈んでしまった。

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ヤロカミズ
1916年 愛知県
雨が幾日か降りつづき、木曽川の水が増した。真夜中しきりに「やろかやろか」と大声で叫ぶ者がいる。ある男が「いこさばいこせ」と叫ぶと、川の流れは急に増して、坂下の一帯は水に没してしまった。
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ヤロカミズ,コウズイ,コエ
1916年 岐阜県
今から2・300年前、雨天続きの時、木曽川の上流で「やろかやろか」と呼ぶ声がした。村民の中にこれに応えて「いこさばいこせ」と言った者がいた。するとしばらくして川の水が増加し、ついに大洪水になった。この大水をヤロカ水と称する。
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ダイジャガオコシタオオミズ
1987年 長野県
ある日,二人の猟師が本沢にやってきた。岸の茂みに大蛇がおり,恐ろしくなった若い猟師は年上の猟師の制止にもかかわらず鉄砲で大蛇の頭を撃った。大蛇は死なず,淵に飛び込んで見えなくなった。覗き込んでみたが影も形もなく,やがて淵の中からもうもうと霧が立ち昇り,真っ黒な雲が空を覆った。その日から3日間大豪雨となり,近辺の村に大きな被害が出た。5日目になってようやく晴れた。村人の中に,蛇が流れ下っていくのを見たものがおり,きっと赤沼の池の主が池と一緒に流れ下ったものだと言い合った。
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キツネ,オオミズ
1982年 新潟県
村の尼さんが托鉢の途中、川端の麦畑の道を歩いていると、急に大水が出てきて水かさがどんどん増してきた。尼さんはたまげて着物をまくりあげ、しまいには着物や腰巻を笠の上に上げはだかになって「おうここ、深い、おうここ、深い」といって、あいんでいた。村のおととが、見ていると、川ばたで狐が川水のしずくをタクンタクンたらしているのが大水になって見えるのだという。「キツ、やめれ」とどなったら、水がひいて、もとの麦畑になった。
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カハウソ
1976年 東京都
本所の辺りで、市川幸蔵という役者が風雨の強い夜更けに下水の側を通ると急に傘が重くなり提灯の火は風で消えてしまった。掛け声と共に宙返りをすると、その声に気づいた人が提灯を持って出て来た。見ると4,5間程向こうにかわうそが1匹地面に叩き付けられ死んでいた。
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カメトウナギノカッセン
1956年 宮城県
番小屋に白髭の老人が訪れて「私は江合川の主の鰻で,明晩丑の刻にこの落合で鳴瀬川の主の大亀と縄張り争いの決闘をする。年をとったので勝ち目は薄いが,貴方が声援してくれれば勝てる」と番人に言うので,番人は承諾した。翌日の夜更け,落合の水面には水が逆巻き異様な呻き声が湧きおこった。番人は震えながらも声援を送ったので大亀は敗走,鰻の勝ちとなった。鰻は番人に破れることのない網を贈って江合川の守り主となった。
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オオミズ,ムギバタケ
1982年 東京都
男が、大水が出て「おお深えな」と言いながら一晩中川を越して歩いていた。気がついてみたら麦畑の中で、よその畑をみんな踏みつぶしていた。
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コワンカネエコエ
1974年
ある村の街道で「流れる流れる」と恐ろしい声で叫んで歩く者がおり、村人におそれられていた。勇気ある若者が何が流れるかときくと、「渕の金甕が流れる」と答える。翌朝渕へ行くと金甕が今にも流れそうになっていたが、中のお金は流れたらしく何もなかった。
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アジロジャ
1977年 秋田県
大水害のときに、阿白沢から白髪の老人が流れて来て、村人が助けようとしたら「危ないから近付くな」と言ったという。阿白沢の主の阿白蛇だったという。
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カワジョロ
1939年 香川県
大水が出て堤が切れそうになると、カハジョロ(川女郎)が「家が流れるわ」と人が泣くように泣く。
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カワジョロウ
1939年 香川県
河女郎というのがいて、大水が出ると堤が切れるので、「家が流れる」と人のように泣くという。
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タケベラタロウ
1956年 宮城県
昔、巡礼の和尚さんがある村に入ると、1人の娘を真ん中にして家内中泣いている家があった。毎年秋の稔りのとき、向こうの山の神様に若い娘を人身御供として供えねば、田も畠も荒らされる、今年はこの家の番だという。和尚さんがその山の社に隠れていると、夜になって大勢の者がやってくる音がして「あのことこのこと聞かせんな。竹箆太郎に聞かせんな。近江の国の長浜の、竹箆太郎に聞かせんな。」と歌う。和尚さんは近江の国へ捜しに行くと、竹箆太郎とは小牛のようなブチ犬だった。和尚さんは竹箆太郎を連れて帰ってきて娘の身代りに長持の中へ入り、やってきた者たちと対決した。翌朝村人たちが行ってみると多くの猿が死んでおり、針金のような毛をした一番大きな猿が竹箆太郎にのどを深く噛み切られて死んでいた。それからはみんな安心して暮らすことが出来た。
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ダイジャ,イケノヌシ
1971年 福井県
ある爺さんが田が乾いて困り、蛇ヶ池の主に、雨を降らせてくれたら3人の娘のうち1人を嫁に差し上げると約束した。はたして雨が降り、主は娘を迎えに来た。末の娘が嫁入りすることになり、針の袋を持って出た。男が池に入ろうとしたところを突き落とし、針の袋を投げ入れたら水が騒ぎ出した。数日して爺さんの家が火事になった。すると2匹の大蛇が出て来て家に巻きつき、水をくれと言ったが、村人は驚いて逃げてしまったので、蛇は焼け死んでしまった。
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タヌキ
1963年 山梨県
昔三郎と言う働き者がいたが、無口なため馬鹿にされていた。ある晩三郎が家のせどで「三郎ころりん、てんころりん」と呼ばれるが、だれもいない。それが毎晩続くのである晩三郎が「そー言うわわれこそてんころりん」と返答をすると声が止まった。翌朝外を見るとせどの下に一匹の狸が血をはいて死んでいた。
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ウマ
1976年 大阪府
高槻の近村の農家の男児が城下から村へ帰る途中、川が氾濫して渡れずに困って泣いていると、連れていた馬が男児をくわえて川を渡った。しかし闇夜の雨なので帰り道がわからずに困っていると、馬が先に立って歩き出したので、綱を持ってついて行くと家に帰れた。
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エンコ,カッパ
1953年 愛媛県
出稼ぎの男が淵に鯰取りに出て水死し、「エンコにケツを抜かれた」と村人は言った。又村人がつないだ馬をエンコに淵の中へ引きずり込まれそうになったが助かった。
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カワジョロウ
1973年 香川県
川女郎は、大水が出て堤が切れそうになると、家が流れるわと、人がそうするように泣く。
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クモ
1984年 山梨県
余沢から白沢へ向かう途中に雨乞いの滝がある。現在余沢で空き家になっている家の先祖の男が雨乞いの滝でヤマメ釣りをしていた。わらぞうりをはいて来たが、滝の壷からクモが出てきてアジ(糸)をぞうりの結び目にひっかけるので、その糸をとって近くの木に結びつけた。どこからともなく「いいかー」という声が聞こえたので「いいぞー」と答えるとアジで大きい木を引き倒したので、男はびっくりして逃げて帰ってきた。
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キツネ
1973年 岩手県
ある人が魚を買った帰り、よく狐が騙す峠に通りかかると、昼なのに暗くなり、家の灯が見えた。そこへ提灯を借りにいくといくとお婆さんがいて、うちには提灯がないから隣に行って借りてきてあげる、と言って出て行ってしまった。その人が留守番をしていると、奥座敷から唸り声がする。怖くて飛び出すと水の中にはめられていて、魚を盗まれていた。
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ヒノカンノオンガエシ
1981年 沖縄県
農業と漁業を兼業していた男がある晩、大勢の人々が「よいとこさ、よいとこさ」と掛け声をかけながら通っていくのに出会った。何をしているのか聞くと、竜宮の神様の命令で木を島の上にのし上げるのだという。力を貸してくれと言われた男は手伝ってやった。そのお礼に、風邪を持ってくるゆうがらすを除けるために臼を3回叩くことを教えられ、男の家庭は助かった。隣の家の人々は悪い病気になり、全員死んだという。
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