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怪異・妖怪伝承データベース
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検索対象事例

カン,タユウ,シンカン
1982年 島根県
昭和19年、フィリピンの沖合で、乗り組んでいた駆逐艦を撃沈されたF氏は、陸に向かって泳いでいた。日が暮れると、はるか遠くにぼうっと軍艦の灯が見えた。軍艦には太夫(神官)が立っていて、右手に持った笏で「来い、来い」と言うので、それに向かって懸命に泳ぐが、いっこうに軍艦は近づかない。しかし夜更けまで泳ぎ続けると陸に着いて助かった。

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ウトジングウ
1992年 宮崎県
昭和18年3月19日、台湾付近を航行中の高千穂丸は魚雷を受け撃沈、乗員はボートで難航したが、鵜戸の神様に進行方向を授かり、助かった。
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フネ,ムカエ
1990年 高知県
猟師が危篤のとき、きれいなお姉ちゃんが船に乗ってやってきて「おいでおいで」と言った。行こうと思って踏み出したが、鉄砲の玉の状態が気になって片足を引き抜いた途端に目がさめた。5時間後に亡くなった。1969年ごろの話である。
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ムネ,ムカエ
1990年 高知県
昭和20年から25年までの話である。臨終を迎えた人が死の直前に「船が来た、船が来た」と言って死んだ。
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フナユウレイ、モウレンブネ
1956年 宮城県
黄昏時になると,沖の方からホーイホーイとこちらに呼びかける声が聞こえ,灯がちらちらと見える。やがて「桶貸してけれ」と無気味な声が聞こえてくると,漁師達は「もうれん船だ。亡霊船だ。」と囁き合って逃げ支度に入る。静かだった海がうねり始め,霧が立ちこめてくる。「桶貸してくれ」という声がなおも追いかけてきて,海霧の向こうにうっすらと船の形が見える。とても逃げ切れないと思ったら,アカ桶の底を抜いて投げてやる。そうしないと海水を掛けられて船が沈むか,暗礁に乗り上げて難破する,と今でも漁村の老人は信じている。
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ユウレイ
1993年 静岡県
富士川と小俣川の合流の難所といわれたサンハナで船が遭難した際、ある魚屋が連れの遊女を見捨てて自分だけ助かった。その後、再びその魚屋が船に乗ってサンハナを通った際、船頭が女の幽霊を見た。船中で船頭と魚屋にしか見えなかった。船頭は舳先を叩いて幽霊を鎮め、魚屋に「今後ここを通ってはいけない、命をとられる」と言った。
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ウトジングウ
1992年 宮崎県
沖で暴風に遭い、気力が滅入って諦めかけたとき、古風な神様が晴れ晴れしいお姿で頭上を通り過ぎた。それで我に返り、仲間を励まして船を神様が去った方角へ漕ぎ進め、帰港することができた。
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フナダマサマ
1986年 香川県
四国では漁船にフナダマサマを祀って安全と大漁を祈る。ある漁師が夜になって漁に出かけた。夜が更けると急に海が荒れた。夫の無事を祈っていた妻がまどろんでいると、夫の船から白い衣を着た女が海中に入っていく幻覚を見た。翌朝浜辺には夫の船が打ち上げられていた。数日後、夫の死体が隣の島の浜辺に打ち上げられていた。
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キツネ
1922年 熊本県
維新前にFという若武士が、助けてくれと手を合わせる子持ち狐を殺した。それ以来Fは不運続きで、家族も早死にした。明治維新で零落し、その後材木番として働いている時に頓死した。狐を殺した刀はある老人が譲り受けていたが、その老人は情婦を殺害し、自分も首をさして自害した。刀にも狐の霊が憑いているといわれた。Fが生きている時にFの地主の女が不思議な病気にかかったり、その娘が行方知れずになったりした。
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ヒノタマ,シレイ
1970年 高知県
漁に出ていると、行く手を防ぐ者がいたが火をつけると消えた。その後、手先の自由が利かなくなり、寺で祈ってもらうと、茶水をくれと言って外に出ていった。この漁師の遭難死亡した姉が水をまつってくれと言っていた。
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カシコヌマ
1936年 福島県
ある男が賢沼で鴨を鉄砲で撃った。泳いで取ろう水中に飛び込むと、水が身体に粘りついて動けず、ようやくのことで岸に這い上がった。
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リュウグウ
1974年 静岡県
遠州天竜川を渡る為に鹿島村の船に乗っていた平野六太夫は、河の途中で船が動かなくなったので自ら飛び込んだところ、船は再び動いたという。周りの者は悲しんだが、三回忌の頃に帰ってきた。彼が言うには、船から落ちて竜宮界に行ってきたが、1日ぐらいだと思っていると3年も経っていたという。また竜宮の事を語るなと言われていたのに話してしまったためか、六太夫の子供は兄弟とも言葉がしゃべられなかった。
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ミズウミノオクリビ
1980年 滋賀県
夏の土曜の頃、夜の11時前に鰻を捕らえる筒を沈めに船で川に行った帰り、向こうの方に火が見えた。僚船かと思い呼んでみると、近づいてきたのは湖の送り火だった。逃げても着いてくる。ようやく港に来たら消えた。その人はその後1ヶ月ほど寝込んでしまった・
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クジラ,ユメ
1999年 佐賀県
親子連れの鯨から、弁天島にお詣りに行くので、捕獲しないでほしいと夢の中で哀願された。しかし仲間から促されて獲ってしまった。帰宅すると、玄関で銛が落ちてきて、子供に刺さり即死した。死んだ子供と共に入水して果てた。
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フチ,チョウチン
1968年 栃木県
大正の終わりか昭和の初めごろ、老人が深い淵に落ち、付近に住んでいた人に救われたことがあった。老人に聞いてみると、提灯の光の中の道を進んでいたら突然淵の中に落ちてしまったのだという。
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イナリマルノソウナン、フナダマサマ、モウレンブネ
1956年 宮城県
明治43(1910)年旧暦8月23日におこった稲荷丸の遭難についての体験談。「海の掟」を守らず不吉なタブーを弄んだ若者は水死し,釜神様に供えるための飯の釜を離さなかった少年は助かった。また,その帰途に亡霊船(モウレンブネ)が稲荷丸に向かって突進してきたが,船長が一喝すると消え失せた。生存者は今でも健在で,「海の掟」と亡霊船の存在を信じている。
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フナユウレイ
1965年 高知県
昭和初年のこと。夜、イカ釣りに出かけたら、ヤイヤイと舵の声がする。見ると真白い帆掛け舟が、風に向かって近づいてくる。「来てみりゃ来るといい」とどなると、ゴンゴンいってどこまでもついてくる。二人の舟はだいぶ流されていた。無我夢中で舟を陸に揚げて、帰った。舟ゆうれいである。
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ユメノオツゲ
1960年 大分県
昔一隻の船が大風である港に流れつき、一同は途方に暮れていた。すると、明日鷹が飛んできて帆柱にとまるのでその鷹についていけば日本に帰れるという夢のお告げがあり、果たしてその通りになり日本に帰り着いた。
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オオサカマル
1987年 山口県
夜、沖に昔沈んだ大阪丸という商船が出る。ボーっと光る。漁師が海で方向がわからなくなったとき、この灯りで無事島まで帰ることができた。
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ニワトリ
1929年 岩手県
明治二十九年、高貴な人が岩手の磯村に流鏑の身となり、月をながめておられたが、幽憤のあまり海中に身を投じて亡くなられた。里民はいたく悲しみ遺体を捜索するのに家鶏を舟に乗せて出ると、或る所で鶏が高く鳴いた。果たしてその場所に遺骸を発見することができた。高貴な方は垂仁帝の第二皇子是津親王である。
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ナガレボトケ
1990年 香川県
船が沈没するとき、お父さんが女の子を抱えて逃げた。けれども潮の流れが早く、女の子と離れてしまった。息子が潜水したら、沈んだ船の天上に女の子がくっついていたので、抱え上った。死人を上げたその年は漁が良かった。
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