ダイジャ,ムスメ 1929年 長崎県 2匹の大蛇に困っていた農民たちは、島原城主に頼んで蛇狩りをして1匹を殺し、1匹に痛手を負わせた。島原城下の杏庵という医者のところに毎夜更けにくる女がいた。女は治療の末完治し、その後杏庵との間に子供ができた。ある時、正体が大蛇だとわかり、子供にくりぬいた片目を残し、去っていった。その後、寛政4年4月4日に眉山が崩れる地震が起きた。眉山の下の蛇町の人は大蛇に逃げ道を阻まれて家にいた人々は命が助かった。地震は蛇の崇りだといわれ、その責を負って島原城主は自害した。
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シロウナギ,ヘビ,ムスメ 1929年 長崎県 雨宿りしていた娘と医者が結婚して子供ができた。ある時、昼寝をする母子を見ると、蛇が子供を抱いていた。妻は普賢岳の池に棲む蛇であり、昔医者に助けられた恩返しに来たという。子供が泣くので池に行くと、蛇は片目をくり抜いて差し出した。それを武士に取られたので、再度もらいに行くと、もう片方の目を渡した。しかし、またとられてしまい、怒った蛇は大地震を引き起こした。
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ダイジャ 1979年 茨城県 御前さまが一休みしていた根が大蛇であった。これから山を噴火させるが口外すると命はないと言った。御前さまは下山してこのことを話した為に命を落としたが、村人は総出で蛇狩をして、噴火を防いだ。
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ダイジャガオコシタオオミズ 1987年 長野県 ある日,二人の猟師が本沢にやってきた。岸の茂みに大蛇がおり,恐ろしくなった若い猟師は年上の猟師の制止にもかかわらず鉄砲で大蛇の頭を撃った。大蛇は死なず,淵に飛び込んで見えなくなった。覗き込んでみたが影も形もなく,やがて淵の中からもうもうと霧が立ち昇り,真っ黒な雲が空を覆った。その日から3日間大豪雨となり,近辺の村に大きな被害が出た。5日目になってようやく晴れた。村人の中に,蛇が流れ下っていくのを見たものがおり,きっと赤沼の池の主が池と一緒に流れ下ったものだと言い合った。
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オオウワバミ 1976年 茨城県 常陸国霞ヶ浦のある農夫の女房が、昼弁当をしたため、耕作の合間に一休みしようと、畑脇の大松に寄りかかり寝ていると、この松に棲んでいた大蝮蛇が女を呑もうとした。周りの人が見つけて、蝮蛇が呑みかかろうとするときに、女の頭から火炎が燃え立った。女が目を覚ましたので、集まっていた人たちが女を引き連れ退かせた。女に、何かありがたい物を身に付けているのかと尋ねたら、特にはないが、髪が乱れていたので、反故紙のようなもので元結の代わりにしているといった。その紙を開いて見たところ、それは剣先御祓いの紙で、中に大神宮と書かれていた。
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ダイジャ,イケノヌシ 1971年 福井県 ある爺さんが田が乾いて困り、蛇ヶ池の主に、雨を降らせてくれたら3人の娘のうち1人を嫁に差し上げると約束した。はたして雨が降り、主は娘を迎えに来た。末の娘が嫁入りすることになり、針の袋を持って出た。男が池に入ろうとしたところを突き落とし、針の袋を投げ入れたら水が騒ぎ出した。数日して爺さんの家が火事になった。すると2匹の大蛇が出て来て家に巻きつき、水をくれと言ったが、村人は驚いて逃げてしまったので、蛇は焼け死んでしまった。
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カイジン,ドクヘビ,ダイジャ 1929年 東京都 神代の昔、三宅島中根の漁夫が不漁の為に大漁と引きかえに、海神に向かって娘を差し出す約束をした。だがすぐに後悔し、かわりに妾を差し出したが、毒蛇(大蛇)は許さずどこまでも人々を巻き込み荒れ狂って娘を追い続けた。娘は神々の加護により神通力を得、白い鷹、白い鳩、虫になり逃げ回りながら守られた。神々は大蛇を退治して切り裂き、島に撒いたので、三宅島には今も蛇が多い。
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オロチ 1971年 滋賀県 近江の国、栗本郡と野洲郡の境に大川があった。三上山で2川に分かれそのうち南川は土山に当り大渕となっていた。その渕に昔から大蛇が住んでいて、近辺の住民は困っていたが手の打ちようがなかった。嵯峨天皇のとき、雷が鳴り天地振動することがあり、時の博士が占うと先の大川に住むおろちが天皇の命を奪おうと振動させているということだった。そこで天皇は近辺の農民を招き大蛇を退治すべしと命令した。近隣農民数万人が打寄ってついには退治した。その時の出来事から様々な地名がつき、また褒美として大光明寺を給わった。
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ヘビニョウボウ 2001年 長崎県 男が大蛇にもらった目玉が、不思議な玉として評判が高くなったため、殿様に取り上げられた。池の辺りで、子供に泣かれて困っていると言った所、大蛇が現れて第2番目の目玉を渡した。これも取り上げられ、それを知った大蛇は島原の温泉岳を爆発させて皆殺しにした。その祟りで、肥後まで損害をこうむったという。
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ヤモリ 1974年 長野県 信濃国松代の山里に、有名な力自慢の者がいた。水無月の頃に彼は友人と山に入ったところ、きわめて大きな蛇が出てきた。そこで彼は上あごと下あごを持って口を裂こうとして失敗し、鎌で大蛇の口から喉にかけて切り裂いた。その体の太い所だけを家に持ち帰ると、親は大蛇は山の神に違いなく、必ず祟りが起こるといって家を追い出した。里長が何とか宥めた。彼の身体に蛇の匂いがついて抜けず、医者が薬を与えると消えた。その医者が言うには大蛇ではなく野守だという。彼はその後、山に入って官木を盗んだ罪で死刑になったが、野守の復讐だと思われた。
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ミズウミノヌシ,ダイジャ 1928年 東京都 昔のある日、漁夫は船に一杯の魚と引き換えに、湖の主の大蛇に三女を嫁にやることになった。蛇が迎えに来たとき、娘は鳩になって富士山の山頂に逃げた。そこにいた事代主命は娘を連れて大島から三宅島に逃げた。そこにわなを仕掛けて大蛇を酔わせ、火之迦土に作らせた霊剣で、差出命が大蛇を斬り殺した。蛇は3つに斬られ、尾は大島に、頭は八丈島に飛んでいった。だからそれらの島では蛇が多いのだという。
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ダイジャ 1961年 静岡県 昔、大蛇が長者が原の方から天城山の池へ通っていた。その当時、尾張の針屋が刀をさしてきた。大蛇がその人を呑もうとすると刀が自然にぬけて大蛇にむかい、針屋は呑まれなかった。それを見ていた人が刀をすりかえたので、その次には呑まれてしまった。針屋の娘が大蛇を退治しに来て、小杉原のアネガクボとイモウトガクボというところで、大蛇を射た。最後の矢が大蛇の目に当たり、蛇は転げて岩にはさまった。その岩はジャガバサミという。また、大蛇の歯と使った矢を伏倉のナカインキョが蔵している。
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ダイジャ 1931年 長野県 長者の一人娘が大蛇と契り、それに怒って親は縁を切ろうとした。そこに貴公子が現れ、涙を拭おうとしたところ、娘は貴公子を刺した。貴公子は大蛇に変じ、娘をくわえて空をかけのぼった。そのとき嵐が起こり、村の建物は吹き飛ばされた。その跡地には玉石(蛇石)があり、女の泣声が聞こえるという。
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ダイジャ 1967年 福島県 沼沢には昔、雌雄の大蛇が住んでおり、霞が窪と呼ばれていた。建久の頃、領主佐原十郎義連はこの地を開き人民の安定を図ろうと、従者を従えこの霞が窪に向かった。すると水が逆行して雷がとどろき、忽然と小山のような怪物が水上に現れた。主従力を合わせ立ち向かったが、乗っていた筏は水中に引き込まれた。しかしまもなく大波が逆立ち、波間に大蛇が横たわり、義連はその上にまたがっていた。義連の兜にはえんぷだこんの観音様をいただいていたので大蛇の腹を割くことができた。
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ダイジャ 1943年 香川県 昔字黒羽に一匹の大蛇が住んでいて、田畑を荒らし、人々は心を悩ませていた。ある時、大蛇の前に女人が現れ、その大蛇をめがけて小刀を投げつけると、大蛇は死んだ。女人もかきけすように消えた。女人は毘沙門天の出現であったので、村の人々は塚をたてまつった。
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ヘビ,カンノン 1989年 長野県 じんがの下に住んでいた医者が、村人の栄養不良を憂えてねずみなど捕って動物性たんぱく質をとるようにすすめた。するとその家の老爺の夢に蛇が現れ、自分たちの餌が無くなるから止めろと言った。しかし止めなかったところ、医者の息子が蛇に底なし沼に引きずられそうになった。助かったが、その日の夢に蛇が出て今度は「止めないと皆殺しにする」と言った。村人は蛇を退治することにして、護摩を焚き観音を頼むと、蛇が雲を引いて舞い上がったという。後に医者の老爺は亡くなったという。
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ダイジャ 1990年 長野県 昔、すさまじい大雨が降ったとき、尾沢川は増水して山を崩し谷を削った。尾沢山の主の大蛇が怒り、大暴れして里の方に下ってきた。牧野の滝の神様は里人に害があってはならないと大蛇をしかりつけ、三度目に大蛇は言うことを聞いて帰っていったという。
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ダイジャ,ダイジャノチ 1989年 長野県 温田から来る途中に沼があり、大蛇が住んでいた。大蛇は男に化けて矢野部落に住む娘に通い、娘は子を孕んだが、男の正体が分からない。親が入れ知恵をして娘は男のほっかぶりの手ぬぐいに糸のついた針を刺した。親が糸の跡をつけていくと、蛇が蛇の親に「鉄の毒で死ぬが、子供を残した。ただ、蓼を飲ませると子が落ちる」と語った。娘の親は娘に蓼を飲ませ、子を堕ろした。沼から流れてくる水が時々赤くなるのは、蛇の血のせいだという。
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ヘビ 1957年 愛媛県 庄屋の奥さんが音なし奥という山で蛇になった。それから、主人が病んで庄屋は滅びた庄屋の田植えには必ず雨が降り、その日は庄屋に蛇が出ると言う。
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ダイジャ 1959年 神奈川県 数百年前、生麦に住む男が亡妻との約束を破って再婚した。亡妻は大蛇となって池から現れ、男を襲った。男は亡妻の霊に謝罪し、供養した。何年か後、一帯に悪疫が流行し、稲荷神社へ走る狐の声を聞く者や、大蛇が魔疫病をくわえて稲荷の森から海上に立ち去る姿を夢で見る者が出た。村人は稲荷大神のお告げに従い、かやで大蛇を作って家々を回ったという。
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