(ホウリキデカジヲケス) 1929年 福島県 好間村字大館の長奥村に智頓和尚という当時屈指の坊様がおられた。ある時「唐の金山寺が火事だ、早く消さなければならぬ」と言い出し和尚は寺男に命じて庭の石に水をまかせた。すると一天掻き曇って大雨が降ってきた。その響きは、和尚には「チドンチドン」と聞こえたそうだ。後に金山寺から御礼だとして涅槃像を送ってきた。
類似事例 |
|
カジ,(ホウリキ) 1935年 大阪府 寺の蓮池に、唐の芦山、東林寺の火事が映ったので、知誉上人が、念仏を唱えつつ、手桶で水をかけたら日が消えた。しばらくして、東林寺からお礼の使者がきた。
類似事例 |
|
イイヅナ,ボウサン 1939年 茨城県 飯綱使いのとても偉い坊さんがいた。庭石に水をかけて金閣寺の火事を消したり、術で蝮を集めて封じたりした。
類似事例 |
|
チショウダイシ 2002年 智証大師が帰朝の後、坤の方に向かって水を灑ぎ、印を結んだ。門弟が問うと青龍寺が炎上しているので火を消すためだと答えた。3年して、法全和尚の門弟から青龍寺が燃えている時に美香の大雨がやってきて炎上を消したとあった。
類似事例 |
|
アコウボウチョウスイホウイン 1931年 岩手県 龍福山長谷寺という寺に阿光坊澄水法印という年齢不明の老人がいた。文禄2年9月21日の午の刻に盥に水を持ってこいと命じ、庭に出てその水を指ではじいていた。何をしているのかと尋ねると、高野山が火事なのでその火を消すのだと言った。そのとき、事実高野山は火事になっていたという。
類似事例 |
|
チショウダイシ 2002年 滋賀県 智証大師は入唐して青龍寺に住んだ。帰朝ののち、比叡山の座主のときに、弟子に香水を取らせて散杖で西の空に三度灑がせた。弟子が問うと、青龍寺が火事で、金堂の戸に火がついたのでそれを消した、という。翌年の秋唐の人が来て、「昨年4月に青龍寺の金堂に火がついたが日本から雨風がきて火を消した」という書状をもってきた。弟子は合点した。
類似事例 |
|
ボウカイシ 1956年 宮城県 ある日、松島寺の覚満禅師が、小僧に手桶を持たせて、柄杓でしきりに石に水を注ぐ。小僧が訳を尋ねると、禅師は「今、宋の径山寺で火災が起こっており、その火を消すのを手伝っている」と答える。その翌年、宋の径山寺から、消火の手伝いの礼状と、防火鈴が届く。現在その鈴は、瑞巌寺の宝物となっている。
類似事例 |
|
レイユメ 1933年 岐阜県 ある夜、京都の立山の本山が火災に遭おうとしていて、源治の夢に予防せよととうお告げがあった。直ちに石の祠堂に水をかけると、その志が通じ本山は無事だった。
類似事例 |
|
チショウ 2002年 滋賀県 智証大師が比叡山の千光院に住んでいるときに、弟子の僧を呼んで持仏堂の香水を持って来い」という。弟子が香水を持ってくると、和尚は散杖で西に向かって2、3度灑いだ。弟子が問うと、「宋の青龍寺の金堂の妻に火が付いたので消すために香水を灑いだ」と答えた。次の年に宋の商人が来て「去年青龍寺の金堂の妻に火が付いたが丑寅の方角から大雨が降って火を消した」という。弟子は驚き尊んだ。
類似事例 |
|
カジ,(ホウリキ) 1935年 大阪府 成合寺の愚白という僧は、ある日弟子に字を教えていたが、加賀が火事だといって、寺の前の石に水をかけさせた。石はいくらでも水を吸い込んだ。後日、加賀からお礼に人が来て、成合寺の法被とバケツの人が沢山来て火事を消し終わると、いつの間にか消えたという話をした。沢庵和尚にも同様の話あり。
類似事例 |
|
(ホウリキデカジヲケス) 1929年 青森県 或る日始覺山本覺寺五世貞博上人が、村人を呼び集め急いで山門に水を注ぎかけさせた。火事でもない所に何故水をまくのか村人はわからなくて上人に尋ねると、「只今京都の智恩院が大火である。せめて山門なりとも助けたいから皆に水をかけてもらったのじゃ」と述べた。後日智恩院から使僧がお礼にやってきた。
類似事例 |
|
〔ホテイオショウ〕 1975年 中国 布袋和尚は、経山寺(径山寺)の僧で、寺の規則をみだし、寺を追い出されたところ怪異が起きた。あわてて呼び戻したところ、怪異はおさまったので、絵に描いて寺の鎮護としたという。
類似事例 |
|
リュウ 1988年 奈良県 江戸時代、百拙和尚が竜象寺を再考したとき、本堂の天井に狩野春甫が竜の絵を描いた。その竜が夜中、広大寺の池に水を飲みに抜け出すので、竜の目に釘を打ち、ウロコを3枚墨で塗りつぶしたら、抜け出なくなった。
類似事例 |
|
テング 1962年 静岡県 最勝院の住職が碁を打ちに夜外出すると、寺で火事が起きた。駆けつけた住職が念珠をもんで叫ぶと屋根の上に四つの烏天狗が現れた。寺は焼け落ちたが大半のものは助かったという。
類似事例 |
|
オニガワラ 1977年 東京都 愛宕下天徳寺という寺の鬼瓦は兜巾(ときん)をかぶっている。ある時、火事の火の粉が燃え移りそうになったが、この瓦から水が出て、火を消した。
類似事例 |
|
リュウジョ,リュウグウヒメ 1977年 福島県 楢木淵の竜女が常在院の源翁和尚に説法を頼み、救われた。お礼に寺の殺生石の下に水を引いた。竜女がその後お産のときに温めて抱いた石も寺にある。
類似事例 |
|
〔ケイザンセキ〕 1986年 大分県 宝陀寺開山の悟庵禅師が中国の火災のため水を送った。
類似事例 |
|
アオジシ 1989年 長野県 京から仏師がやって来て、仏様を彫らせてくれと頼んだが、住職は信用せずに獅子舞の獅子を依頼した。仏師は滝に打たれて製作し、やがて獅子はできたが不出来だったので滝壺に投げ込んだ。すると獅子は真っ青になって浮き上がり、うなりをあげた。鍋が割れ、雷鳴がとどろいて豪雨になった。後、ここを鍋割といい、青獅子は雨乞い獅子になった。
類似事例 |
|
カヤカケスギ 1976年 愛媛県 ある日観念寺の鉄井和尚が小僧に、「天竺に大火事がおきているので、裏山に水をかけてくれ」と言った。2,3日後和尚は、「水をまいてくれたお陰で火事がやんだ。お礼に品物を送るので高須の浜へ取りに来い」と小僧に言った。浜では箱が流れ寄ってきた。帰りにその箱を開けると、蚊帳が舞い上がった。その蚊帳は瑞巌寺の大杉にかかっていた。
類似事例 |
|
モクゾウ 1931年 長野県 安養寺という寺に、開基の和尚様の木像が安置してある。ある年の火災のとき、木像は尻に火傷を負い、ひとりでに境内の池に飛び込み、火傷の手当てをした。以後、その池の田螺には尻がない。
類似事例 |
|