シシガシラ 1977年 福島県 獅子頭が水の音を聞くと箱から出てしまうので、普段は太鼓や笛の音で水の音をかき消して水の傍を通っていた。が、あるとき酔っていたのでそれをするのを忘れて滝の傍を通った。獅子頭は滝の音を聞いて箱を飛び出し、滝に飛び込んだ。その滝を神楽滝という。
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コマジシ 1928年 京都府 石の高麗獅子に性が入って宙を飛び、町に行った。そこで獅子は悪さばかりして暴れまわった。浪人がその獅子の足を切ると、獅子は倒れたがすぐ立ち上がって逃げていった。翌朝見ると、高麗獅子の足が切れ、血がにじんでいた。
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ニシカナノイノシシマイ 1986年 埼玉県 突然の突風とともに三体の竜神の面が天から降ってきた。それを村人が舞い始めたのが獅子舞の始まり。また、江戸川上流から流されてきた龍神の面を被って旱魃の時に舞ったたところ、降雨があり、以後毎年舞うようになった。また、荒神と恐れられていた獅子が上流から流されて香取神社に着いた。七日七夜とどまって神の使いとなることを望んだ。氏子たちはこれを救い上げて獅子舞を舞うようになった。
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ウタレヌカネ 1932年 京都府 昔、成相寺で鐘を鋳ったが、何度作っても、赤ん坊の形をした穴が空いてしまう。寄付集めの折、餓鬼ならいくらでも上げるが金は1文もない、と断った百姓家があったとわかり、村の者はその赤ん坊をさらい、鋳型に流し込んだ。鐘は無事完成したが、撞くとオギャーと赤子の泣く声がし、両親が2匹の大蛇となって現れ、鐘に巻き付いて撞かせなかった。
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チンショウ,アマゴイ 1974年 滋賀県 俵藤太郎が竜宮からもらい三井寺に献上した赤銅の撞鐘は、三井寺炎上のとき山法師が叡山でついても一向に鳴らず、大きい撞木でつくと鯨のほえるような音で「三井寺へゆこう」と鳴った。法師らが怒って山上から転がし、微塵に砕けた破片を集めて三井寺へ送ったところ、あらわれた小蛇が尾で破片をたたいて一夜のうちにもとどおりの鐘にした。
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サクラガイケ 1975年 静岡県 備後阿闍梨皇円が、蛇身となって遠江国笠原庄桜が池で弥勒の出世を待とうと願い、臨終の時(使いの者が)池の水をすくったところ、池の水が大いに荒れた。それは皇円の入寂と同時であった。今でも静かな夜には鈴の音が池の周りで聞こえるという。この池では、毎年8月彼岸の中日午の時に、半切り桶に赤飯を盛って、泳ぎの上手な者がこれを池の真中辺りまで押していき放す。すると、池の水が渦巻き、飯器は池に沈む。
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リュウ 1988年 奈良県 池に竜が住み村人を食ったので退治することになった。池の堤でかがり火を燃やして騒いだが、竜は現れない。そこに通りかかった武士が池に矢を射込んだ。竜は武士をつかんで天高く昇って行った。やがて雷光がして真赤な雨が降り、竜の体がズタズタに裂かれて落ちてきた。村人は竜の屍骸を埋めて竜象寺を作った。武士はとうとう現れなかった。春日明神の化身であったと言う。
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カネ,(ユメノオツゲ) 1989年 長野県 文永寺の住職が、寺に鐘が欲しいと思っていたところ、白い長い鬚の年寄りが夢のなかに現れて、「黒瀬ヶ淵に行け、鐘を授けてやる」と言った。行ってお経を唱えると、池が明るくなって小さなかわいい鐘が浮いてきた。吊して叩くたびに良い音がして大きくなった。その鐘が評判になると飯田の殿様が鐘を取り上げてしまったが、鐘が寺を恋しがって泣いて鳴るので、やがて寺に返された。
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バンバアイシ 1960年 神奈川県 昔、ある信心者の夢枕に神が立ち「一の釜西方を流れる相模川の深いところにいる。自分の体は石で夫石は川下の江ノ島にいる。上流から訪ねてきたが、水が少なく下流に行けないから八幡宮まで連れて行って欲しい」と告げた。夢から醒めて一の釜に行くと、川底に老婆のような形の石があったため社の境内に移した。その後日照りが続いた時また夢枕に立ち、「自分を一の釜に入れると雨を降らしてやる」と告げたのでそうすると雨が降った。その後石はしばらく放置されたが、川下の人が井戸端の敷石として使った。しかし、一家中の人が病気になったため、行者の進言で八幡宮へと返された。
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サンモンノリュウ 1979年 茨城県 山門の龍は彫刻者の精霊が宿り時に本物となる。龍の水浴びを見た人は、必ず病魔に犯され衰弱する。寺の和尚と龍供養をして龍の瞳に五寸釘を打ち込むとおとなしくなった。昭和に池の水を汲み続けると大雷雨となって、作業が中止になり池の水は前にも増して増加した。
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オオニュウドウ 1960年 三重県 滝壺の中に大入道がいる。覗き込んだら、大入道は鞨鼓太鼓を首から提げて踊っていた。雨乞いの時は、滝壺に大きな石や柴を投げ込む。すると滝壺の主である大入道が怒って雨を降らせるという。
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リュウコツ 1940年 東京都 昔、小僧が草を刈っているときに、誤って小蛇の頭を口からまっぷたつにしてしまった。この小蛇は井の頭の龍だったので、たちまち真体になり、川には三日間血が流れた。小僧はその祟りで死に、頭の上部は中野の寺まで流れて祀られているが、下部は井の頭弁天にある。これが龍骨で、雨乞いしても雨が降らないとき、これを持ち出すと必ず雨が降るという。
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(ゾクシン) 1982年 新潟県 村民が真言宗仙蔵院に集まり、藁やサンバイシなどで大蛇を作り、本堂に飾り、住職より雨乞いの祈禱をしてもらい、次に大蛇をかついで法螺・太鼓を囃して上堰潟まで練り、大蛇を水中に流して帰った。すると大蛇が雲を呼び、雨を降らせるのだといわれている。
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テング,リュウ 1932年 香川県 讃州で満濃池の主の龍が小さな蛇となって日に当たっていると天狗にさらわれ、比良ヶ嶽の洞穴に入れられた。比叡山で水瓶をもった坊主も同じようにさらわれてきた。水瓶に水が数滴残っていたので、龍は坊主と共に逃げ出し、後に荒法師に化けていた天狗を蹴殺した。
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コウボウダイシ,オニ 1930年 岡山県 昔、この辺りに鬼が住んでいた。弘法大師が通りかかったとき、鬼が退去を拒んだ。そこで大師は鬼に小さな木像を与えた。しかし鬼は木像の有難味が分からず、転がしていた。その木像を盗んだ者がおり、船で去ろうとしたが動かず、木像を海に捨てて去った。鬼はこの話を聞いて木像の尊さを知り、海中から拾い上げて祀った。
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ヤクシノメン 1939年 島根県 山田寺の薬師の面の漆を塗り替えるために、京都の漆屋へ送ったが、その木が大金になるというので他の木で面を作り送り返した。すると面が怒ったので、八代の山田寺へ帰れと言って面を海へ投げたところ、同郡の温泉津の濱へたどり着いた。子供が面を拾って舞を舞っているのを八代の庄屋が見た。その夜、面が庄屋の枕神に立ったので、庄屋は面を山田寺へ持ち帰ったという。
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トリノハカ,ネコ,ユメノツゲ 1956年 宮城県 寛文年間(1661~1673),宗禅時住職が次のような夢を見た。「自分は檀家の某家で飼われていた鶏である。某家の飼っている古猫が一族を毒殺しようとしていたので,私は毎夜鳴いて警告したが,主人は夜鳴きをする鶏は縁起が悪いといって私を殺して川に捨ててしまった。私は今六郷堰の杭の間を漂っている。主人にこのことを知らせてほしい。」住職が翌朝六郷堰に行ってみると,確かに杭の間に鶏の亡骸が浮いている。住職は急いで某家を訪れ,夢の告げを話した。その時大きな黒猫が駆け込んできて汁鍋の上を飛び越えていったが,その拍子に尻尾の先を鍋の中に漬けていった。これに気付いた和尚が家人に猫のあとをつけさせると,猫は竹薮の中で竹の切り株に尻尾を漬けていた。切り株の中ではトカゲ・ムカデ・ハンミョウ・毒蛾などが腐っていた。毒汁を溜めた場所は,一説では愛宕神社下の断崖の中腹,古杉の根元の洞の中だとも言う。主人は鶏に恩を仇で返してしまった事を悔い,供養碑を建てた。
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コウホウタイシ 1970年 福島県 昔弘法大師が印度に修行に行った折、木を3本空に向けて、日本に着かせ給えといって投げあげた。それが日本に渡り、阿賀野川をのぼったのを、ある人が拾いあげて床の間に飾った。やがて弘法大師がたずねてきてその木で虚空蔵様を作りあげた。
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ダイジャ,アマゴイ 1944年 愛媛県 庄屋に一人娘があった。娘は蛇と通じ、大蛇のひいた白糸についていって瀧壺に入ってしまった。娘の親が娘を捜して瀧に入ると瀧の下には青畳が敷いてあり、娘と大蛇がいた。娘は蛇に連れられてここに来たためもう帰ることは出来ないといい證文を書いた。娘は、この證文を雨乞いの県画として瀧壺にかけると雨を降らすと約束した。その年は日照りであったが、瀧壺のまわりで祈願をすると、小さい蛇が降りてきて、雨が降ってきた。庄屋の家は絶えたが、この県画は残っており、神官が保存している。今でもこの瀧壺での祈願は有効的である。しかし、他村の人が行っても、蛇は出てこず鰻が出てきて雨を貰うことはできない。
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カニ,ダイジャ 1990年 石川県 旱魃の際、田に水を入れてきれたモノに娘をやると言った。すると一人の若者がきて、一夜のうちに水を入れた。若者は輪島川の淵に住む大蛇で、娘を連れて行こうとした。娘の家を7巻巻いて戸口から入ろうとしたが、中に大きな蟹がいて、蛇を九つにはさみ切った。その骸が落ちたところは池になった。頭が落ちたところは親池と呼ばれ、笠原の家に祟りをなした。これを聞いた泰澄大師が法力をで退散させた。
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