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怪異・妖怪伝承データベース
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検索対象事例

ヤマオトコ,オンナ
1931年 岩手県
紫波郡と岩手郡の間にある南照山連五の山奥に家があり、里まで遠いので近親婚が多かった。ある年、そこの家の娘が出産した後に姿を消してしまった。家の縁側に山男の草鞋が置いてあった。あるとき、里の青年が山奥のマダ林で失踪した女と出会い、自分は実家に戻ることはできなくなったから、達者で暮らすように家族に伝えてくれと言われた。その後、女もマダ林も見かけることはなかったという。

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キツネ
1973年 三重県
昔、山仕事をしていた男性が、女性の家に柴を運ばせた。遅れて家に帰ると、女性がいない。狐にやられたと思い祈祷師に尋ねると四日市の方にいるという。数日後、男性は四日市に探しに行った。すると宿に巡査が女性を連れてきたという。
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カミカクシ,サムトノバア
1996年 岩手県
若い娘が梨の木の下に草履を脱ぎ捨てたまま行方不明になり、30年余のち、親類の家に極めて老いさらばえたその女が帰ってきた。女は、人々に会いたかったから帰ったのだとつげ、再びあとをとどめず行き失せた。その日は風が激しく吹く日だったので、遠野では今でも風の騒がしい日にはサムトの婆がかえってきそうな日だと言うとのこと。
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ヤマノカミサマ
1928年 鹿児島県
勝浦というところで、美しい娘が行方不明になった。娘の着ていたものはみつかったが、その姿を見つけることはできなかった。3年後、父親が山の中で娘とであった。そのとき娘は「山の神様と結婚して幸せに暮らしています。それで永久に村へ帰ることはできません」と言い、走り去ったといわれている。
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ヤマオンナ,キツネ,ヨウジガサラワレタハナシ
1956年 宮城県
昭和10年(1935)頃、ある中年の婦人が3つになる女児を連れて仲間と一緒に薪を伐り出しに出かけ、仕事をする間、女児を傍らの草むらに寝かせておいた。しばらくすると女児の姿が見当たらない。山中を探しても見つからず、翌朝、前日よりもさらに大掛かりな捜索を行なうと、二タ山越えた隣り部落の山の中腹の岩の上に、木の葉を敷いた上にポカンと腰を下ろしていたのが発見された。女児に尋ねると「アァチャン(母ちゃん)といっしょに寝た」とこたえた。村人は山女か狐の仕業だと語り合った。
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キツネ,(オンガエシ)
1956年 宮城県
明治中期,この土地に名医がおり,夜中に難産の往診を頼まれた。山の手の沢の奥に別荘風の邸宅があり産室に通された。手当てをし双生児を取り上げた時点で,名医には産婦が異類の者だとわかっていたが,最後まで手当てをしてやった。そこへ年老いた両親が出てきて厚くお礼を述べ,名医は御馳走と包み金を貰って帰宅した。包みの中は本物の小判であった。翌日,前夜の場所と思しいところに人をやったが,そこは人里からやや離れた沢の奥で家などはなく,ただ岩の横穴が一つあっただけであった。部落で尋ねると,その辺りにそういう家は一軒もなく,また昨夜部落で婚礼振舞があった際膳部が一人分なくなったということであった。
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ロウバ
1921年 岩手県
上閉伊郡松崎村字ノボトにある家の娘が秋ごろ行方不明になった。何年か後、娘は山姥のような老婆になって戻ってきた。やってくるたびに大風雨があるので、青笹村との村境に石塔を建て封じると、それからは来なくなった。
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ヤマノモノ
1983年 岩手県
大勢子供がいる家族の娘が、桑刈りの合間に行方不明になった。それから何年もした風雨の激しい日に娘は帰ってきた。何年も山で暮らし、髪も顔も山の者になっていた。家族は味噌汁など作って歓待したが、娘は「辛くて食べられない」と泣きながら山へと帰って行き、山で山の者として暮らした。
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ヤマウバ,ヤマンバ,メシヲクワンヤマンバ,メシヲクワンヤマウバ
1984年 岐阜県
男が山奥で出会った美しい女を飯を食わせない約束で妻にする。女はよく働き次々に子どもを産んだ。ある日、障子に穴をあけてみてみると、大食いの山姥であった。正体を知られた山姥は山中へ逃げ込んだが、事故で谷底へ落ちて死んでしまった。男はいい嫁がいなくなったと嘆いた。
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イワナノセイ
1935年 岐阜県
昔、若者が霧茂谷で獲った岩魚を持ち帰ると、妻が泣いて岩魚を逃がすことを望んだ。岩魚を放すと妻は姿を消し、その夕暮れに本当の妻が里から帰ってきた。
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テング
1995年 静岡県
若夫婦が赤子を小屋に置いて畑仕事をしていたら、大鷲が赤子をさらって岩岳山に飛び去った。若夫婦は大鷲を追って山に行き、2度と戻ってこなかった。それから50年程して、乞食の老婆が小屋の近くで息絶えていた。村人は赤子と老婆の墓を並べて作った。赤子を持ち去った大鷲は、岩岳山の天狗の使い。
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サル,ヤマジョロウ
1975年 高知県
猟師の定次が家に帰ると、見知らぬ女が夕飯の支度をしていた。しばらくは夫婦のように暮らしたが、程なく女は子を宿し、ある夜赤子の泣き声がしたかと思うと女と赤子は跡形もなく消えていて、寝床には野猿の毛がつもっていた。赤子は山女郎となったという。
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サクラノセイ
1957年 長野県
安曇野の林に猟に入った久兵衛は、美しい山桜の林に迷い込んだ。若く美しい女と出会い幸福の時間を過ごし、再会の約束後女の姿は消え桜も散った。里に戻って再び山へ出向いた久兵衛だが、山桜の花びらに埋もれて死体で発見され、女は桜の精と噂された。
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ウタゴエ,ワカイオンナ
1967年 茨城県
子供をなくした母親が、毎日木の実を搗いて子供にやるのだと言って、団子を作っていた。その母親の姿が見えなくなった時に、白子山の白石がなくなった。誰が持ち出したのかわからないが、その石のあった辺りから、若い女の歌声が聞こえるようになった。
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オクリオオカミ
1954年 岡山県
真庭郡三原村栗原の某女は、隣村のナメラスジと呼ばれる城山の麓から送り狼につけられて、わき目もふらずに自家に帰り着き、表戸を閉めて隙間から外を窺うと爛々と二つの目のみが闇の中に見えたので、中からののしると忽ちにして消え去ったと言う。
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キツネ
1949年 福島県
一人の男が田圃を耕していると、きれいな女性が来て腹が痛いといって泊り込み、ついに夫婦となった。三人の女の子が出来た。あるとき、油断をして白い尻尾を見られて、悲しんで山に逃げ帰った。夫が小さい子を連れて乳を貰いに山にいき、家に帰るように懇願した。しかし、家には帰れないが、稲と鉏を田圃に置いておけば手伝いをしてあげようといった。そのとおりにすると、苗の植付けは終わっており、秋にはよく実って、男は金持ちになった。
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テナシムスメ
2001年 青森県
ある時、若旦那が留守の間に、娘が子供を生んだ。このことを若旦那に知らせようと手紙を若者に持たせてやったところ、道のりの途中にある娘の里の継母の企みによって、娘と子供は家を出されてしまうことになった。途中、水を飲もうとした拍子に背中の子供が落ちそうになり、精一杯腕を伸ばしたところ、両手が生えてきた。母子はお寺で世話になることとなった。
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オウムイシ
1975年 愛知県
三河国馬伏村の山間で、農家の女が草を摘んでおり、連れに「もう帰ろう」と言ったところ、石面からも同じく「帰ろう」という返事が聞こえたので、大いに驚き逃げ帰った。
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ヤマンバサ
1982年 新潟県
上州の藤原入り宝川という谷の奥の岩穴に住みついた女が、山ンバサといわれた。その山ンバサには若いとき夫婦になろうと誓いあった男がいた。あるとき、その男がその山奥へ猟師の仕事にいって、めぐりあい、いろいろと話し、山をおりようと誘った。女は山ンバサになってしまい、そのような気はなく、山の岩穴で藤の皮の草履つくりをするといった。その皮のきれっぱしなどが、里へ流れてくるうちは山ンバサは達者で生きていると思ったという。
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イトマキ,ヤマンバ
1929年 岩手県
松月の妻が糸を紡ぐとき、いつも手伝いに来る女があった。ある日その女が自分は山姥であるが他言せぬようにと告げ、糸巻きをくれた。いくら使っても糸がつきないので不思議に思って夫に告げてしまった。その夜妻はさらわれて、鍋倉山の穴の前に屍となって横たわっていた。村人たちが穴の中へ矢を射ると大きな音がして山姥は消え失せ、骨だけが残っていた。
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カラステング
1969年 愛媛県
村の者が男の子を連れて石槌山に登ったが子供の姿が消えた。家に帰ると子供は先に帰っていた。山頂で小便をしていると真っ黒い顔の大男が送ってやると声をかけ、目をつぶると家の裏庭に1人で立っていたという。烏天狗の仕業とされる。
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