フロ,ハシゴ,オケ,マエシラセ 1964年 福島県 知り合いの者が死ぬとき、はしごが落ちた音や、ふろのふたをする音がした。また、家の前庭をおけがころげていく音もした。
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フルイド 1978年 愛知県 府下の商家の古井戸に常々ごみを入れて埋めていた。ある日これを片付けようとして男2人を入れたが出てこない。水を入れて中に入ったが熱くてたまらない。更に水を入れて探ったとこ2人の死体を発見した。古い井戸には毒があり発熱するという。
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モウジャ 1958年 香川県 湯灌を行う時、納棺するまでりんをたたく。もしりんが途中で鳴り止むと亡者はどこかへ行ってしまう。
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タマシ 1939年 青森県 葬式が通る沿道の井戸には、タマシが入るから、蓋をしておくといわれている。
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タタリ 1997年 青森県 明治か大正の頃、おしぎという貧しい女が大根を盗んで殺された。後に祟りがあったので、墓地に地蔵を作った。
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ビクニノタタリ 1984年 埼玉県 むかし白石の炭焼きが、袋の中にお金を持っていると思って通りかかった比丘尼を殺してしまった。しかし、袋に入っていたのは碁石だった。それ以来、そのあたりでは良くないことが続けて起り、それは比丘尼のたたりということになったので墓を建てて祀った。
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〔タキブチノヌシ〕,ヒ,シロイコロモヲキタオンナ 1957年 愛知県 滝渕という古い渕を工事のために埋めてしまったら、その責任者の家の井戸の石垣から火が出たり、スズミから火が出るなどの怪異がおこり、家が焼け、結局絶家してしまった。滝渕の主の祟り。この井戸からは夜になると釣瓶を手繰る音がし、白い衣を着た女が水を汲んで居る所などが見かけられた。
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アイヌジンタチノレイ,アズキヲアラウオト 1970年 山梨県 古宿のある家の前にアズキ洗い地蔵がある。これは昔、アイヌ人の墓があって、明治40年の大水害で埋まった後に畑となってアイヌ人達の霊を誰もとむらう者が誰もいなくなった。そのため、アイヌ人達の霊が供養してもらいたくて霊魂となって、夜にアズキを洗う音を出したので、その音がする地に立てたものである。以後、アズキを洗うような音は止んだという。
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カナワノイ,ウシノトキマイリ 1933年 京都府 鉄輪という嫉妬深い女が神に祈って丑の刻参りをして気疲れ、井戸の前で死んだ。ゆえにこの井戸を鉄輪井という。この場所を婚礼の行列は通らない。
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タライ,トリ,シタイ 1979年 徳島県 昔、井上神社の近くの渕で、つづらを持った19歳の男性が悪者に襲われて渕に落ちて死んだ。死体が上がらなかったため、たらいと鶏を使って探した。鶏が鳴き、たらいが回った場所に死体があった。
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ヒノタマ 1982年 宮城県 公民館は昔小学校で、そこの井戸におばあさんが落ちて死んだ。それからは夜になると、宿直室に火の玉が出るようになった。火の玉は人が両腕を肩まで上げて肘を折り曲げた形で、部屋の三隅に止まったという。
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フルダヌキ 1955年 岡山県 ある雨の夜寺に老人がやってくる。老僧は青石を焼いておいて老人に在所を尋ねる。日が暮れたので宿を乞いたいということであった。老僧は夕飯も過ぎたが蕎麦焼きならあるといって焼いた青石を老人の膝に投げると、老人はあっと叫んでそのまま出て行くが、谷で死んだ。翌朝行って見ると谷底に穴があり、そこで古狸が焼け死んでいた。膝と思ったのは陰嚢であった。その土地の名を玉落谷という。
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ガンバコ 1976年 長崎県 昔、おじいさんが葬式に来て棺桶を預けて行った。何日しても取りに来ないので棺桶を開けてみると中にお金が入っていた。それで家が栄えた。
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オニ,タタリ 1989年 兵庫県 年桶について、養父郡吉井部落では昔鬼に毎年1人ずつ人身御供をしていた時の入れ物であるといい、美方郡小代村熱田では昔悪い事をする人があったのでみんなで殺したが、それから祟りがあり色々と災いが起こったので神として祀ったという。また旅人を泊めて後で気がつくと死んでいたので、その死体を隠すのに年桶の中に入れておき、正月がすんで片付けようと思ったら黄金に変わっていたという伝承もある。
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ジゴクヅカ 1982年 群馬県 地獄塚は昔の戦死者を葬った塚で、掘ると火の雨が降るという。
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(ゾクシン) 1973年 香川県 死の直前、その人の名を井戸に向かって呼ぶと、生き返るといわれている。
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コロサレタシュゲンジャノカンムリ 1970年 長野県 村の修験者が塗り上げた畦を足駄で踏んでくずしたので、石を投げつけて殺し付近へ埋めた。ところが夜、その家に終夜投石が続き、見ると誰もいなかった。朝になると縁の上に殺された修験者の冠がおかれていた。これを家に祀ったが、その田は水害で田にならなくなった。
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タタリ 1981年 和歌山県 行をする和尚さんがお金をたくさんもって岩穴にこもった。鐘の音が聞えなくなったらこのお金を皆で使ってくださいと言い置いていたにもかかわらず、村人がお金欲しさに和尚さんを殺してしまった。その土地では祟りで口のきけない人や奴隷、癩病になる人が多いという。和尚のこもった岩穴はこうもり岩と呼ばれるようになった。
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キツネ 1989年 長野県 ある人が飯田の方へ行ったとき、昼寝していた狐に石を投げたら当たった。狐は痛そうな泣き声を上げて山の方へ逃げた。帰路、狐の寝ていたところに来るとにわかに薄暗くなり、日が暮れた。困ったと思っていると、向こうから弔い行列が来る。怖くなって道端の木に登ると、木の回りを回って、根元に棺を置いて火を焚いて帰っていった。棺が焼け落ちると中から死人が出てきて、木を上ってきた。その人がてっぺんまで上ると枝が折れて落ちた。悲鳴を上げると、辺りは元通り明るく、その人は土手の下に落ちていた。
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オトウミョウマツ 1989年 長野県 話者の家の墓には、一際大きな赤松があり、「お灯明松」と呼ばれていた。毎晩、夜になると松のてっぺんが燃え、それが遠くからでも見えたからだという。
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