イケノヌシ,カニ 1959年 鳥取県 サカナル山にある七池・七フクジンという場所の池の主は大きな蟹で、ある時洪水に流され滝つぼの中で死んだ。この滝をカンバサレの滝と呼ぶようになった。その時の蟹の爪が付近の旧家にあって、小便壷にされていたという。
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オオカニ 1961年 鳥取県 伯耆の船上山麓には大松7本と7池があり、池の主は大蟹だった。ある時洪水で蟹が流され、下の池の滝壷にはさまれて死んだ。池田家ではその蟹の爪が小便壷にされていたという。
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ドクジャ 1976年 静岡県 桜村に池の社という方5町程の2つの池がある。毎年8月彼岸の中の午の刻に半切り桶に赤飯を盛って水泳が達者なものが池の半ばまで押し行き池の真中で手放す。池の水が渦巻いて桶は水中に沈む。伝えによると昔、国主が入国した頃、妾とこの池辺りに遊興した。すると俄かに池に波が立ち妾が池に引き込まれてしまった。国主は怒って池に焼いた石を投げ入れさせ続けた。7日7夜続けたところ毒蛇が死んで浮かんできた。頭は牛のようで、背に黒い鱗があり、白い角が生えていた。また肥後の阿闍梨皇円の霊魂がこの池に入ったとも言われる。
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カニ 1989年 静岡県 池代の「金山」は実は「カニ山」。巨大な蟹がそこまで行って、木に挟まって死んだところ。
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ダイジャ 1989年 静岡県 松崎町池代と南伊豆町に7つの池を持つ大蛇がいた。あるとき、甲州の薬売りがこの大蛇に呑まれ、その娘2人がきて仇討ちをした。大蛇が死んだ岩がジャバサミ。それから池は浅くなった。
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タツ 1980年 神奈川県 松の大木の根っ子に大きな穴が開いていて、そこから水が流れ出していた。激しい嵐の日に竜が天からこの松の木に下りてきて土に入った穴で、その竜の胴体が五反田のあたりの田んぼにうずまっていると言う人もいる。
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ダイジャ 1961年 静岡県 250年位前、甲斐国八代郡篠原村の絹屋が松崎の伏倉の旧家、セキセイ太夫の所へ泊まっていた。絹屋はアザノガハラ(字野原)の池の主である大蛇をとりにいくのに名刀をもっていき、その刀が大蛇除けになった。しかし、その刀をすりかえられ絹屋は大蛇に呑まれた。絹屋の娘の姉妹はアネグスヤマ(姉越山)とイモウトクボ(妹窪)で大蛇をまちかまえ、計略をめぐらしておびきよせて射た。大蛇は蛇鋏みという穴に入り込んで、7日7夜うなって死んだ。その大蛇の骨を埋めたところを大蛇院といった。
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リュウ 1970年 奈良県 昔、大旱の時、雨乞いをしたら竜が現れた。竜は、雨を降らせたが、大竜に殺され、3つに切れた竜の体が落ちて来た。村人はそれを竜頭寺、竜腹寺、竜尾寺の3つの寺を建てて祀った。
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ウナギ,タキノヌシ 1985年 和歌山県 平治川の滝には大きな鰻がいるが、捕ってはならないと言われていた。昔、ある人が捕ろうとしたら死んでしまった。夫婦と子供が5人いたが、家もなくなってしまったという。
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ゲンベエブチ 1956年 宮城県 昔,渕の崖上に源兵衛というものが住んでいた。梅雨頃,夜更けに若い女がきて「私はこの渕の主の鰻で,明晩川上の賢渕の主の蜘蛛と一騎打ちをする。その時あなたが『源兵衛ここに控えおるぞ』と声を掛けてくれれば勝てるのでよろしくお願いします。」というので源兵衛は承知した。翌晩鰻と蜘蛛の大合戦が始まったが,あまりの怖ろしさに源兵衛ここにいるぞと言えなかった。翌朝見ると鰻の首が噛み切られて源兵衛の家の方を睨んで浮かんでいたので,それを見た源兵衛は気が狂って死んでしまった。その後この渕を源兵衛渕と呼ぶようになった。町の人々が供養のために建てた小祠が近年まで残っていた。
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オオカニ,オオウナギ 1967年 宮城県 大昔、湖水の主の座をめぐって、大ウナギと大蟹が争った。7日7晩の戦いの末、形勢が不利となった大ウナギは、あるマタギ(狩人)に加勢を求めた。しかし、恐れを成したマタギは与えられた矢を射ることなく逃げてしまい、大ウナギの体は大蟹のハサミで3つに断ち切られ、その死体が流れ漂った。山が破れて水が流れ出し、身を隠す場所をなくした大蟹も姿を消した。
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リュウ 1988年 奈良県 池に竜が住み村人を食ったので退治することになった。池の堤でかがり火を燃やして騒いだが、竜は現れない。そこに通りかかった武士が池に矢を射込んだ。竜は武士をつかんで天高く昇って行った。やがて雷光がして真赤な雨が降り、竜の体がズタズタに裂かれて落ちてきた。村人は竜の屍骸を埋めて竜象寺を作った。武士はとうとう現れなかった。春日明神の化身であったと言う。
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オオカニ,オオウナギ 1967年 宮城県 昔、三階滝に住む大カニは、体が大きくなって身を隠せなくなったため、大ウナギが住む近くの不動滝を我がものにしようと、夜ごとに目玉を月のようにらんらんと光らせてウナギを攻めた。ウナギはある鉄砲撃ちに加勢を頼んだが、鉄砲撃ちはカニの迫力に動転し、鉄砲を打てずじまいだった。結果、大ウナギは大蟹のハサミで7つに断ち切られ、頭が飛んだ。
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シチニンミサキ 1957年 愛媛県 城辺町大浜の黒崎バナには悪いミサキがいて、ミサキにサソわれるという。話者の祖父がいなくなり、大きなダケ(滝)があるので探しに行くと、ダケに草履があり、体も頭もコズになって死んだ祖父が流れていた。また、あるおばさんも落ちて、頭などが砕けてしまった。こうして非業な死に方をした7人の人が七人ミサキになるという。
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コサメ,アメマス,シチネンドオシ 1981年 和歌山県 七日巻きと呼ばれる渦を捲く淵がある。そこの主は大きなコサメ(アメマス)で、春になると女に化けて淵から出てきて、通りがかった男を2,3日さらうことが続いた。肌の冷たい女だから正体は魚か蛇だろうということになり、七年通しと言う名の鵜で退治することになった。七日巻きに七年通しを入れたら、コサメが一口で七年通しを呑んでしまったが、しばらくしてコサメが浮き、七年通しがコサメの腹を破って出てきた。そこには金比羅様を祀った。
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ダイジャ 1915年 鳥取県 昔、池に大蛇が住んでいて、時々人間に害をなした。領主の亀井家がこれを聞き、踏鞴師に命じて、池の水を熱湯に沸かさせた。その後大蛇は海岸に出て砂浜の上で死んだが、その祟りにより領主の亀井家は一家残らず疱瘡で死んで血筋が絶えたという。
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マツ,オキナ 1922年 岩手県 上閉伊郡金澤村の折合の瀧に五葉の松と栗の木とセノ木の3巨木があった。枝葉が繁って景観が悪くなるので伐り倒すことになったが、何度伐っても翌日には元に戻っており、なかなか伐り倒せなかった。偶然、山中で出会ったセノ木の精を名乗る老翁の智恵を借りて伐り倒したが、栗の木は倒れるときに大洪水を起こした。その水の勢いで栗の木は下流の角端へと流され、水を押し塞いだ。村人はあわてふためいたが、川上から大石が転がってきて、巨木を真っ二つにした。
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ゴンダラ 1956年 宮城県 昔,折立の町外れ(志津川街道)の小川近くの崖上(現共葬墓地)に長者屋敷があった。この屋敷の娘に,いつの頃からか若衆が通ってくるようになった。娘がだんだんやつれていくので,乳母が問いただしてそのことが判明した。化生の者かも知れないということで若衆の裾に糸をつけた針を留めさせ,翌朝家人が調べると血痕が一筋家から小川まで続いていた。海の川口が血で染まっており,巨大な鱈が死んでいた。解体して馬に積んだら五駄分もあったので,以後その地を「五駄鱈(ゴンダラ)」と呼ぶようになった。娘は同じ場所に入水して後を追った。その小川を思い川または毒川と呼ぶようになった。その後,鱈の魚群が小川を遡行しないうちは近海で鱈漁を行わず,またこの折立海辺で一番早く鱈が獲れたという。一説では,若衆が死んだのは長者の家の奉公人達が打ち殺したためと言われる。
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ヒサゴヌマノヌシ 1956年 宮城県 昔,瓢沼の水を掻き出していると,一抱えほどの大鯰が現れた。作業が殆ど終わる頃になって,突然町の方から半鐘が響いてきたので人々は火事場へ向かったが,町には何事も無かった。人々が沼に戻ると先程造った堤は壊され,大鯰の姿もなくなっていた。
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オオヒレトウゲ 1987年 長野県 昔,北相木の三滝に住んでいた竜が,諏訪湖へ行こうと思ってこの峠で休んだとき,自分のひれを外したまま落としていった。
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