コイノレイノタタリ 1970年 福島県 湖水の水が氾濫して、鯉がたくさん昇ってきた。その中に特に大きな緋鯉がいた。それを網元の家中で食べた。すると次々と家の者が病気になった。ワカサマに拝んでもらうと、鯉の霊の祟りだという。供養をするから恨みをとくようにと頼むと家の人は全快した。
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ハヤマノカミツケ,タクセン 1964年 福島県 のりわら(葉山の神がのりうつる人)に、世の中のこと(翌年の作柄のこと)、へい行病や火事のこと、個人のことの順番で託宣をきく。このとき、のりわらは幣束を上下に振り夢中の体であるが、急に幣を放り上げてうつ伏せになることがある。これを「神あがる」といい、「拝みあげ」と称して人々が「さんげさんげろっこんしょうじょう」と唱える。のりわらに塩水を飲ませると正気に戻る。少し休ませたあと、氏子はまた拝んで神をつけ、聞くことが終わるまでくりかえす。終わった翌朝、供物をもって山のお宮に参り、料理をたべて精進あげをする。使った幣束はうまやの入り口にさしておくと馬にけががないという。
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ホトケヨセ,ワカ,クチヨセ 1938年 福島県 ワカ(口寄せ)は伊南村の小鹽と今市の平ヶ崎にいる。仏寄せにはワカに水を一杯供え、ワカが弓を鳴らすうちに、「ホトケ」が寄ってくる。そうするとワカは眠ったようになり、色々の事を尋ねると仏が答える。
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カンノンサマ 1983年 山梨県 Aさんの「うちの守り神さん」である観音様は、馬頭観音と石である。もとは一対で林にあったが、明治20年ごろの水害で1つが流されて、残っていたものを持ってかえってきた。世襲ではなく観音様が夢枕に立ったので、占うようになった。オウカガイでは、「観音様おしえて下さい」と問うと、良ければ石が持ち上がり、悪ければ持ち上がらない。
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カミサマ,ユメノオツゲ 1943年 愛知県 村外れにお智重様という神様が祀られていた。子ども達の遊び場になっていて、井戸の垣根を壊したり、絵馬を持ち出したりしていた。村の者がこれではいかんと、入れないようにしたところ、病気がはやった。夢で神のお告げがあり、「私は子どもの神様なので、子ども達が近寄れなくされたのが嫌だ。元通りにしてくれたら、病気を治そう」といわれたので、入り口の戸を外したら、病気はおさまった。
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(ジシンノオウギ) 1940年 山梨県 夢のお告げを聞いた玉吉は、朝早くに万年橋に向かい、お告げ通り扇を手に入れた。家では長年家から出たことのない玉吉がいなくなったので大騒ぎをしていたが、ぼろぼろの扇で仰ぎながら帰ってきた。大水害の後で家は建て直したが地神は祭っていなかったので、早速屋敷神を祭って地神祭をした。しばらく後、玉吉は体も治り仕事をするようになった。村人がこれを聞き、病気になると扇であおいでもらうようになった。仰いでもらうと、すぐに病気は治ったという。
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オカマサマ 1969年 福島県 若い娘を目隠しし、笹とヘラを持たせて中央に座らせる。大勢の女が周りで唱え言を唱えるとオカマ様がのり憑く。囃し立てると歌に合わせて何でも踊ってくれる。思いきり踊らせてから「休んでください」というと眠ってしまい、顔に水を吹くとハッと目を覚ます。
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カンノン 1978年 広島県 ある年の洪水の時、上流の坪野村宇佐から小河村小浜沖の渕底へと観音が流れてきた。ある夜長老の夢枕に観音が立ち、川底に沈んでいることを告げた。村人たちが観音を引き上げ丁重に祀ったところ、観音がもとあった宇佐が返却を求めた。しかし観音が地に付いたように動かなかったのでそのまま祀った。
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キツネツキ,タヌキツキ 1963年 福島県 埋平では狐に憑かれたとか狸に憑かれたとかいう。狐は利口で離れる方法を知っているが、狸は馬鹿で離れずに苦しむ。そして、狐は爪の間から入り皮膚の下を動くのが見え、朝起きたときに毛が落ちている。伏見稲荷の掛物をかけたり、巻物を揚げたりするとあやまって出て行くが、お稲荷様という赤衣の祈禱師を呼んで追い出してもらうこともある。狐は中馬鹿な人を選んで憑く。稲荷にいたずらしたり、狐とぶつかった人は憑かれている。ただからかわれている人もいるが、その時は竹駒稲荷のお札をかかげてあやまる。
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キカズドウロクジンサマ 1987年 長野県 長久保の町外れにある道祖神。魔物や疫病が入りこまないようにしてくれる神様で,2月8日におはぎを供えてあんこをお顔に塗ると良縁が得られると信じられた。孫の耳が聞こえないのに悩んだおじいさんが毎日道祖神様にお参りしていたが,100日にもなろうかという天気のよい日,孫とお参りを済ませて帰ろうとすると南の空が俄かに曇り,雷が落ちた。孫を助け起こすと「でっけえ雷の音でおっかねえ」と言ったのでおじいさんは喜び,お礼として,家宝にしているお椀の底に穴を開け紐を通して差し上げた。以後,耳の病気にご利益があると信じられ,「きかずどうろくじん」と呼ばれた。
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ゴンゲンサマノタタリ 1964年 秋田県 Aさんの内神の御神体のささら獅子の念が移った石は長い間土中に埋まっていた。Aさんの長男が頭病みのため、サイドウニンに見てもらうと、この石がずっとヒナギの下に埋まっていて頭を足下にされているたたりで、それを掘り出して欲しいといっているのだと占われた。焼け面の茶色の石で、心なしか目鼻や毛がついているように見えた。それを権現様として着物のかわりに布をかぶせまつっている。子どもが腹痛を起こしたとき、この石でまじなうと治る。
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アミダブツ,オニ 2002年 大分県 豊後の国高田の水川というところの男が、中風になり、足も萎えてきて大小便も居ながらにするようになり、誰も寄り付かなくなった。3年になった時、夢に鬼が2人出てきて連れて行こうとするので、阿弥陀仏を一心に念じると阿弥陀仏が光を放ってやって来た。さらに念じると、男の胸に光をさしかけなさった。鬼たちは「この男は高家の者だ」といって失せた。その後この男は立てるようになった。
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カンノンサマ 1983年 岩手県 話者が祈祷師に拝んでもらっていたら、ロウソクのロウが溶けて観音の像になった。祈祷師に「観音様が憑いている。供養しなさい」と言われ、近所の観音林の観音堂を世話するようになった。
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イシボトケ 2003年 三重県 「潮ボトケ」「ぬれボトケ」ともいわれる。明治初年,当村の弥吉老人に次のような夢告があった。「我は本地地蔵菩薩である。因縁によってこの場所に現じた。心から祈願するものには腰より下の病を治そう。また,私は海水に浸るところにいて諸人の代わりに苦患を洗浄するつもりであるから,石を高所に移してはならない。」志摩町潮音寺住職児玉芳山もS8年4月下旬以降の祈念によって宿病が快癒した。
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キツネ 1922年 福岡県 稲荷信仰の厚い人には狐が乗り移って奇跡や予言を行なうという。普通の人が狐に憑かれると狐に化かされる。うまいものを持って歩くと石ころや馬糞などとかえられる。こういう時には怪しいものが自分の前や後ろを歩いていて、つまずいて転んだりするとかえられる。恨みがある相手に狐をつけようと思う時には、狐んの住んでいる穴に行って油揚などをやって頼むといい。また疱瘡を病んで寝ている者がいると、狐は見舞い客に化けて疱瘡を食いに来る。もし疱瘡を食うと、狐は千年の寿命を得て、病人は落命する。
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リョウシノボウレイ 1982年 宮城県 漁師が難破して覚悟を決め、供養の金を胴巻に巻いたまま浜に打ち上げられた。見つけた人は金だけとって死体を海に打ち捨てた。金を取った人は金持ちになり、子どももできて幸せだったが、子どもがいなくなってしまった。回国様に聞くと恐山にいるという。行って寺の和尚に相談すると、「その子を呼んでやるがわしの衣の陰から出るな、決してすがるな」という。やがて子どもが来て和尚に「自分は漁師の亡霊の生まれ変わりだ」と言った。金を取った人が泣き崩れ、気がつくとそこは寺ではなく衣杉の下にうずくまっていた。その人は家には帰らなかった。
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キツネツキ 1922年 岡山県 幼少の頃、落合村付近の某村に縁辺があり、そこに60前後の好人物な婆さんがいた。ある日婆さんが川に入り歩いていく。狐憑で、主人が引っ張ってきて寝かし、法印の錫杖を持ち出して念仏をやりだした。なぜ憑いたと問うと、食べ物がなくなり、婆さんが小便をかけたので憑いたという。揚げ豆腐、赤豆飯などを食べた後、婆さんは倒れ、狐は落ちた。
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ジゾウサン,ネツビョウ,ジビョウ,(ゾクシン) 1961年 愛媛県 水難除けの地蔵が河ヶ平にあり、もし子供が水死したときにはその子を遊ばせてくれるという。また、熱病の時には自分の年の数ほどの川石と三角形の握り飯を供えると治るといわれている。耳病の時には土器に穴をあけて糸を通したものか、竹皮の草履2足か、紅白の前垂れかけを供えるといいという。
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ダイジャ,アクリョウ,カンノン 1974年 東京都 姥ヶ池というところに一軒の家があり、姥とその娘が住んでいた。姥は旅人を泊めて殺しては衣裳をはいでいた。ある日浅草観音が笛を吹いて、旅人に危険を知らせ、旅人は助かった。また、浅草観音は姥が地獄に落ちるのを憐れんで、児の姿で姥を訪ね、姥は児と誤って娘を殺してしまった。その後母は池に身を投げて大蛇となったが、神にして祝ってその悪霊をなだめると守りの神となって、諸々の病をしりぞけるようになった。大蛇と化したが供養により守りの神となった。
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カンノンサマ 1960年 岩手県 某家の先々代が病気になり、ハジカミという物知りに観てもらうと、先祖が持ってきたカンノン平のカンノンカツラの観音様をまつらなかった祟りだ、と言われた。
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