カイギョ,ヤマメ 1934年 静岡県 明治34年の夏、淵に1尋もある奇怪な大魚が泳いでいた。網を投げると網がズタズタにされるので鎌に長い柄をつけて突き刺して捕らえた。大きさは4尺に近く、暗灰色で虹色の斑点があった。怪魚の正体はヤマメのずば抜けて大きなものであった。
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ジゾウ 1923年 静岡県 ある年の6月23日、漁夫たちが漁に出ようとすると、鰹は1匹も獲れなかった。網には木造のお地蔵さんがひっかかっていて、海辺の松の木の下に安置して祀ったところ、大漁になったという。
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カイセキ,レイセキ 1995年 滋賀県 今から数百年前、神社のご神体として祀られる1丈5尺の大怪石が、夜のうちに川から現れ、夜毎光を発する。
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ガマ 1976年 京都府 後堀川天皇の寛喜3年夏、高陽院殿の南の堀で蝦蟇が数千匹左右に分かれて戦っていた。数日間続き、京中の人はこぞって見に行ったという。
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コイ 1940年 栃木県 角田将監という人が、長元元年に大風があったとき、庭の大榎が枯れたのでそこに井戸を掘った。一丈ほど掘り進んだところ、地中から清水と共に三尺あまりの大緋鯉が出た。奇瑞と言って、神主の持田某と京都に上ったところ、時の天皇に禁鯉宮の勅額を賜ったうえ井戸を掘ることと鯉の合火を禁じられた。後に生活に困難を来したために禁制は解かれたが、氏子は今でも鯉を神聖視している。
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タヌキ 1932年 兵庫県 300年前、洲本の三熊山頂上に岩と木で作られた穴に、柴衛門という大狸が棲んでいた。悪戯はするが人々に好かれていた。ところが土手を下った所に棲むこの狸の嫁のお増狸は嫌われていた。ある時2匹は連れ立って大坂に芝居見物へ行った。そこで雌狸は侍に殺され、雄狸は芝居小屋で正体がばれ殺された。これを知った洲本の人々は霊を慰め、島外へ出る時は三熊山山上で作っている狸の土人形で無事を祈る。
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ジゾウカツオ 1922年 静岡県 ある年の6月23日、猟師が鰹漁に出ると、木像の地蔵が網にかかった。その地蔵を海辺の松の木の下に安置して供養すると、網が破れるほどの鰹が獲れるようになった。
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(ジゾウノネスガタノイシ) 1990年 長野県 尾張の人が魚釣りをしていたところ、乗っていた石が動いた。不思議に思って見ると、その石が地蔵の寝姿になっていた。持ち帰って祀った。6月ごろになると湿気て地蔵様の姿は浮かび上がる。
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ダイジングウサマ,ヒノタマ 1967年 栃木県 1920年ころのこと。火の玉が飛んできて毎夜石田家の裏の柿の木に止まって、評判になった。足利の長岡の神社の神主に見てもらうと、大神宮様が合祀を嫌って逃げ出したのだというので、別の社に移したところ、出なくなった。後日、行商人がピカピカ光る砂石を拾って、不思議に思って聞いてみると、それが大神宮様の御神体だった。以来大神宮様の御神体は砂石である。
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カメマツリ 1976年 大阪府 例年4月酉の日には、亀祭をする。元禄年中、5尺余の大亀が来たので人々が憐み、首に大坂鋪屋町と書いた札を結びつけて河口の沖に放った。後にその亀が地引網にかかった時も、札のおかげで海に放たれた。それからこの町では祭を始めたが、その後水火の難はないという。
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(ジュウチョウ) 1981年 正徳4年4月12日、奥州しゆ原山に大きさ10間余り、亀甲で腹は蛇形、首は鳥で耳の長さ4尺8寸、尾の長さ2間2尺、翼があり、足の長さ2間で太さ3尺の獣が現れた。息は火炎のようで鳴き声は雷鳴のようであった。鉄砲10挺で撃ち止めた。見物の男女で毒気にあたり病死するものも出た。この件は江戸へ注進した。
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ガマ 1976年 大阪府 桓武天皇の延暦3年5月、蝦蟇が2万匹ばかり難波の南から四天王寺の境内に入りどこかに行った。
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カニ 1989年 静岡県 奈良本の太田の池に畳20畳もある巨大な蟹がいて、田を荒らすので、庄屋の太郎左衛門が伝家の弓矢で退治した。その蟹を祀った祠のある森が蟹ヶ森。
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オオアワビ 1976年 允恭天皇が淡路国で狩りを行ったが、1匹も捕れなかった。占わせると、明石の海底に真珠があるので島の神として祀れば獣を捕らせようという。そこで海人に潜らせると、大鰒があり、光が漏れていた。再び潜って大鰒を抱いてあがると海人は息絶えた。縄で海の深さを測ると60尋あった。鰒を裂いて真珠を取り出すと、大きさは桃の実ほどあった。これを祀った後に狩りをしたら、多くの獲物が得られた。
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ガマ,ヘビ 1974年 東京都 文政3年11月中旬、ある夫婦が東叡山根岸の弁才天の祠に参詣した。その夜に、下男の夢に蝦蟇が現れた。台所の流しの下に住む癩蝦蟇だと言う。今日参詣した際同道した婦人の月の障りの為にそこに住む蛇の行法が破れた。その蛇が仕返しに来るが守ってやると言った。翌日流しを見ると大きな蝦蟇が死んでいた。主人の夢の中に蝦蟇が現れ、自分は死んだが、数々の種を残したので、なお主人の家を守ると言った。翌日の夜、今度は蛇が現れて、自分もこの家を守ると語った。
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ヒカリモノ 1975年 兵庫県 昔允恭帝が淡路島に漁猟した時,海中に光物があり一向に魚がとれなかった。そこで男狭という海人が、縄を腰につけ海底に潜ったところ、大きな鮑をとってきた。中に光を発する真珠があり、その真珠は氏神の社に祭られた。男狭は息切れして死んでしまい,彼が腰につけた縄は60尋の長さであったという。
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ヒノタマ 1958年 神奈川県 明治前期、8月24日の三島さまのお祭りの晩に素人芝居を見ていたら、急に傘くらいもある火の玉が出て境内を転げまわった。見物していた人は誰でも見えた。
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カイギョ 1937年 大阪府 長さ7尺5寸、重さ20貫目、背筋は薄黒く苔が生え、目はかがみのようであり、足は亀、形は鼬のようであるといわれるような大魚が淀川に現れると、その年は大豊年であるといわれており、この大魚を豊年魚ということもある。その正体は、長年淀川に生息した巨大な山椒魚である。
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ズドボン,オオオトコ 1973年 富山県 明治の頃、大きいズドボンを見た。外の村人もその朝、六尺以上の大男を見たものがいる。
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ダイジャ,ガマ 1941年 朝鮮 平北宣川の街から3里くらいのところにある険しい山は、2つの頂がある。険山には大蛇が住んでいた。ある日、少年が大蝦蟇を連れて黍畑の番をして夜更けを待っていると、大蛇が現れ少年を一呑みにしようと襲いかかってきた。すると大蝦蟇が青い煙を噴いて蛇に応じた。大蛇は力尽き、大蝦蟇も夜明けとともに死んでしまった。その後大蛇と大蝦蟇の墓ができたが、洪水で流されてしまった。今でもその墓のあたりに夜行ってみると、蛇の青い目玉が光るという。
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