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怪異・妖怪伝承データベース
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検索対象事例

カタハノヨシ
1984年 山梨県
長作の観音様にはお祭の時のほか、無事お産をすませたあともお礼参りに行く。これは、天皇の皇女が身ごもって、長作のヨシを刈ってそこで産んだ。それ以来長作のヨシは一方しか葉がないので片葉のヨシといって、その皇女を観音として祭っているという。お参りに来た人は片葉のヨシを買って行って乾かしてお産の時には蒲団の下に敷く。東京・大月・上野原などからも参拝者がある。

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チチガミ
1956年 宮城県
老杉の根方に小さな泉があり、堂の中に姥神の石像を安置してある。用明天皇の妃玉依姫が下紐石の上でお産をした時乳の出がわるかったが、神託でこの泉を発見し飲んだところ乳が出たという。乳母神像の乳房を削り取って粉にして御飯に炊き込むと産婦の乳が出て、嬰児も丈夫になるという。お礼参りに奉納する縫いぐるみの乳房が沢山堂にかかる。
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フダンザクラ
1940年 三重県
白子山子安観音の境内に桜の古木がある。この桜は四季花を絶やしたことがないという。昔、寺が火災に遭ったときに桜だけが一本芽吹いていた。聖徳天皇がこれを聞いて南庭に植えるよう命じたが、一夜で枯れてしまった。天皇は不思議に思って、これを観音寺へ再び返したという。不断桜の葉は妊婦の安産守りになる。葉が裏向きであれば男の子が、表向きであれば女の子が生まれるといわれている。
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カンノンサマ,ホンゾンサマ
1971年 山梨県
長作観音堂は安産、女の神様といわれて家内安全を祈る。観音様はホンゾンサマとよばれる如意輪観音の木像で、見ると目がつぶれるといわれている。昭和2~3年ごろに学校の運動場を広げるための移転に関してみ女にお伺いをたてたところ、反対されたため、そのままになった。しかし、昭和38年に改築されたときには、移動で観音堂は後にさがるが、一段高くなるからよいであろうということで踏み切った。
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カンノンサマ,ウジガミサマ
1971年 山梨県
長作の観音様と氏神様は主従関係にあるといわれ、宮中から氏神様が観音様を迎えに来たが断られて、3度目にそこで覚悟したので氏神様を別名ソウガク(総覚)の森と呼ぶ。
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カンノン,ユメマクラ
1967年 福島県
相馬の松川にある夕顔観音は、夕顔に乗って海上を漂い、今の磯部の浜の鵜の尾岬についたという。そして村人の夢枕に立ち、白河の浜に着いたからその上の山に祀ってくれといった。観音を祀ると、いつの間にか傍に小石が生まれ出ていたので、それを観音様の生んだものときめて、お産の神として参詣が絶えないという。
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カタハノアシ
1989年 山梨県
奈良田の片葉の葦は天皇が植えたのではなく、天皇の後を慕ってその方向になびいたもので、また1説には葦の葉はすべて婦人の神である奈良田神社の方へ向いているという。村人や西山温泉の湯治客はこの葦をお産のお守りに用いたりしていた。特に塩ノ池周辺の葦でないと利益が薄いという人もいる。
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ケリアゲカンゼオン
1983年 鹿児島県
日向の国の志布志という里で、日頃から観音を信仰している女がいた。その夫が猟師だったので、夫の悪行を嘆き、何とか善心を起こさせようと観音に祈念していた。嘉吉2年5月に夫がいつものように山に入ると俄に雷が鳴り響いた。恐れた夫は観世音の聖号を唱えると、かの尊像が空中に現れて、夫の頭上に落ちてきた雷火を左足で蹴り上げて助けた。帰って観世音の像を見ると左足を上げていたという。
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カンノンサマ
1929年 長崎県
原城の近所に浅間神社があるが、以前は観音が祀ってあった。ある時、殿様に可愛い子ができたが、奥方の乳が出なかった。そこでこの観音に願を懸けたところ、満願の日に乳が出るようになった。それ以来乳が出ない人はここにお参りすればすぐに出るようになったという。
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フタマダダケ,カンノンサマ
1915年 千葉県
観音様の21年目の大開帳を行う年には、組村内の何れかの家に、二股竹の筍が生える。生えた家は掘り起こして観音様に献上し、寺で大切に育てられる。先年二股竹が生えたのに惜しんで謙譲しなかったら息子が大病になり、献上すると平癒したという。この観音様の信者は筍を食べない。
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(ゾクシン)
2002年 香川県
高仙山は産の神である。祭の時に切り分けてくれるお供えの餅をもらって帰ると、産気づいたときにお産が軽いという。
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カンノンサマ,ウジガミサマ
1971年 山梨県
昔から長作の観音様と氏神様は密行しているといわれて、両者の間にある河川に藪ができると、河川が荒れるといわれている。
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イヤギヲサス
1933年 鹿児島県
子どもが産まれると母親が臍を接いでいる間に、家人の誰かが、神様に悪い運を授けられないうちに、先手を打ってイヤギ(運命)を差す(運を授ける)という。ズシキー(薄)の幹を三本1尺3・4寸に切って、サヌマ(茶の間)の東口の桁の上に差すのがその方法である。次子は、薄の間隔が遠いと遠くに産まれ、近いと近くに産まれるという。
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ヘビ
1966年 静岡県
昔、田村将軍が天竜川を渡ろうとしたときに、アリマタの池の蛇が松の木を倒して渡してくれた。そして蛇は田村将軍の妻になり、9尺四方の部屋で子を産んだ。ところが、蛇が赤子の腰のあたりのコケラ(鱗)を舐め取ってしまわないうちに田村将軍に覗かれてしまい、蛇は子どもを置いて逃げてしまった。その子は後醍醐天皇を祀る奥山の半僧坊に祈祷して鱗を取ってもらった。今でも「コケカクシ」という袴が祀ってあるという。
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ウバイチョウ
1977年 神奈川県
常倫寺の境内にある大銀杏には、つらら状に乳房がついている。昔、子を産んでも母乳の出なかった旗本の妻がいたが、この夫婦がこの寺に詣でた後に銀杏の下に立ったところ、この乳房から乳が滴り落ちたのだという。この子供はその乳のおかげで逞しく育った。
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コヤスカンノン
1973年 香川県
森氏が大阪・兵庫の店などから寄付を募ってお祭りしたのが観音様である。子安観音は落雷があったときに自分の子に雷が落ちないようにと持ち帰った。子安観音にある割れ目はその時に落ちた雷のあとであるという。
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ユウレイ
1976年 東京都
専称院の幽霊観音にまつわる話。この村の娘が身ごもったまま死んだが、夢枕で腹から子を出して改めて埋葬してくれるよう頼んだので、家の者が言うとおりにしてやったという。異説では、鎌で腹を切って子を取り出したら母子ともに死んだのでこれを祀ったともいう。
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ジングウコウゴウ,ウ
1984年 福井県
常神社の祭神は神功皇后で、敦賀市の常宮神社の元宮ともいわれている。それゆえに、常神浦の人たちは産が軽いと信じている。それは、昔神功皇后が三韓を攻めるにあたって風待ちのために浦で待機している際に皇后は臨月になり、敦賀の常宮の浜で皇子をお産みになったが、砂の中に埋めて出征されたので、鵜が寄り集まってきて羽毛の中で育てたので、産の神としてあがめられている。
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ヤマノカミ,ウマ,(ウマレルコドモノセイベツウラナイ)
1967年 福島県
お産のとき主人が馬を引いて山の神の境内にお迎えに行くが、境内に着くまで馬が止まらないと産が重いという。帰る途中で会う人が男なら男が、女なら女が生まれる。あとでお散米をもってお礼に参る。神さまの乗った馬はたいそう汗を流すという。
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(ゾクシン)
1973年 三重県
野登り観音に関する俗信。野登り観音の大祭は4月7日で、豊作の神だという。祭に参拝する人は、くま笹を必ず折っていって、田の水口にたてるとモグラがもぐらず、いい米がたくさん取れるという。牛に食べさせると、病気をしないといわれている、など。
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(ゾクシン)
1975年 愛媛県
出産の時に、夫が家にいると難産するとかお産が長引くという。箒を立てて産むと、安産するという。また、「一のひもとく、二のひもとく、三のひもとく、アブラオンケンソワカ」と唱えたり、ローソクで灯明をあかして「それがくいるまでに産ませてください」と言って祈ると安産できるという。産湯を日向に捨てるとトックリができるので、日向には捨てないという。
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