カミナリ 1921年 新潟県 越後国上山に塔を建てたが、度々地主神の依頼を受けた雷神に破壊された。そこで神融上人の法華経によって雷神がとらわれた。雷神は子供の姿を現し、許しを請うたので、井戸を掘ること、近くで雷鳴を鳴らさないことを条件に許された。
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ライジン 1941年 大阪府 落雷の被害で困っている地域があった。ある時、雷が井戸に落ちたのを見た勇敢な青年は、大石で井戸を閉鎖して、雷神を監禁した。二度とこの地に雷を落とさない事を誓わせると、青年は雷神を放免してやった。以来、この地に落雷はない。
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リュウ 1974年 奈良県 むかし和州が干ばつに見舞われた時、一匹の竜が人々の苦しみを思って雨を降らせた。すると大竜が怒ってその竜を3つに裂いて下界に投げた。その裂かれた竜が墜ちたところに3つの寺を建てたという。
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イントク 1980年 岡山県 備中国倉敷あたりに住む老農夫が、ある日投身自殺を図った女を助けた。そして雷雨が激しかった或る夜、彼は仏壇の前で念仏していると、しきりに門の戸を叩く音が聞こえてくる。よく聞くと先の女の声がする。何事かと思い、急いで門の戸に向かった時に仏壇に落雷した。これは女を助けた陰徳のお蔭だという。
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カミナリ 1975年 愛知県 敏達天皇の御時。尾張の農夫が夏の頃、田に水を引いていると、空が曇り雷雨になった。農夫が木陰にいると雷が落ちた。その形は小児のようであった。農夫が打ち殺そうとすると雷は命を乞い、汝のために異なる子を産ませようといった。ほどなく農夫の妻が懐妊した。生まれた子は怪力で、元興寺の鬼を殺した。小児は僧になり、道場法師と名乗ったという。
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カミナリ,ヘンゲ 1921年 雷が落ちたのを許してやった御礼に大力の子供を授かり、この子供が成長して僧になり、変化を退治したという。
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カミヲユイタルドウジ 1989年 兵庫県 岩の下にある大穴から人の嘆き悲しむ声がする。法道仙人がこれを聞いて哀れみ、法華経を読み念仏三昧を修した。すると童子が出現し、岩上で遊んだ後昇天した。この岩に小石を投げると、善人の投石はそのまま乗り、悪人の投石は転げ落ちるという。
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チボチノイケ,タタリ 1987年 長野県 佐久町余地のちぼちの池をめぐる話。ちぼちは禅宗で小僧の意。昔,この寺に和尚と小僧がいた。日照りで寺の井戸が涸れたので,和尚は小僧をちぼちの池まで水汲みに行かせた。小僧はその苦しさに耐えかねて池に身を投げ,以後夕方になると池の端に白い坊主のようなものが現れるという噂が立った。また,村の田畑が荒らされるようになり,村人はちぼちの祟りかもしれないと言って恐れた。その頃自成という名僧がこの村を通りがかり,池の辺で金剛経をあげると,池の底から「ありがたいお経を聞いておれも浮かばれる」という声が聞こえた。それ以来化け物は出なくなり,田畑も荒らされなくなった。自成は村人に請われてこの寺の住職となった。
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オニ,ユウレイ 1979年 岐阜県 昔一人の僧が美濃の国、今須の村にさしかかり、一夜の宿を乞うたが、どこの家でも断られた。仕方なく村のはずれの、墓場の六体地蔵の影で一夜を過ごすことにした。夜になると鬼が5、6匹出てきて、妙という老婆の幽霊をいじめるのを目撃した。僧はどこかの家で成仏できない人がいるのではと考え、一軒一軒尋ねると庄屋の母親であることが分かった。その老婆は生前欲深く村人に恨まれていたため、成仏できないのだろうということになり、僧は供養の為にお寺を建てさせた。その後鬼や老婆の幽霊は出なくなったという。
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ヒカワミョウジン,ジュウイチメンカンノン 1974年 東京都 天暦年中に近江国甲賀郡の連林という僧が、東国修行の為に氷川へ来た。その日の夢に白髪の老人が現れて、地中に長年埋もれているので掘り出して安置してくれれば、この地の守護神となると告げた。そこで近辺を探してみると、ある場所が金色に輝いており、掘ってみれば十一面観音像があった。そこで社を建てて祀ったという。治暦2年の関八州の日照りでは、この社に雨を祈るとたちまち大雨となった。
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トビ 1975年 京都府 永承の頃、西塔の僧が京に出た帰りに、東北院の北の大路で、子供たちにいじめられていた鳶を助けた。その帰り、藪から法師が出てきて先ほどの礼をしたいという。僧が霊山で釈迦の説法を聞きたいと望むと、法師は下松の上の山に僧を連れて行き、ここで説法の声が聞こえるまで目を閉じて待てという。ただ、信心を起こしてはならないと告げた。その通りにしていると、説法の声が聞こえてきたので目を開いたら、紛れもなくそこは霊山で、釈迦を中心に菩薩衆などがいた。おもわず手を合わせたら、山が鳴動して草深い山になった。
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サンカイショウニン,ライジン 1974年 埼玉県 幸手の駅に何らかの理由があって、雷神を祀った社が造営された。当初はその道筋の幅が広かったが、庄屋が年々侵していった。下総国の本栗橋にある行念寺の開山・三海上人がこの話を聞いて、もしも土地を元に戻さないと雷の祟りに遭うと言ったが、庄屋は話を聞かなかった。そこで上人が思い知らそうと言って祈祷をすると、たちまち雷電が庄屋の家に墜ち、鳴ること7日間に及んだという。
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アニダブツ,ショウトクタイシ 1974年 山梨県 甲州塩の山中に長さ10丈ばかり、周囲3丈ばかりの大石が横たわり、水利を妨げ、百姓は頭をかかえていた。寺の本尊阿弥陀仏は聖徳太子の作であり、みなで二夜三日立ち替わり念仏を唱えた。すると雷が落ちて、翌朝見ると大石が割れて、間から水が走り出てきた。それよりこの山を烈石山と言うようになった。
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シンランショウニン 1979年 山梨県 ある日の夕暮れに、1人の旅僧がやってきて泊まった。翌朝、ここは清浄なところだから何日か行をやりたいというので、堂へ案内した。婆さんが家の内に水の出る所はないものかと捜していると、その旅僧が場所を示した。掘ってみると清水がわき出した。ただし、この水はこの家の入用だけしか出ず、女性が不浄の時には汲んではいけないと約束した。ある時、婆さんが約束を忘れて水を飲んだところ、水が止まってしまったが、坊さんに話して拝んでもらうと、また水が出てきた。後にこの名僧は親鸞聖人であることがわかった。
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カヤカケスギ 1976年 愛媛県 ある日観念寺の鉄井和尚が小僧に、「天竺に大火事がおきているので、裏山に水をかけてくれ」と言った。2,3日後和尚は、「水をまいてくれたお陰で火事がやんだ。お礼に品物を送るので高須の浜へ取りに来い」と小僧に言った。浜では箱が流れ寄ってきた。帰りにその箱を開けると、蚊帳が舞い上がった。その蚊帳は瑞巌寺の大杉にかかっていた。
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キャーチボラ 1995年 愛知県 百姓が日照りで困って、田の下のキャーチボラという洞に水があるのを見て羨やんでいたら、美しいお坊さんが「俺が水を上に上げてやる」と言う。「もしできたら6人いる娘を1人やる」と言ったら、洞の水が田に上がってきた。家に帰ってその話をすると、娘の1人が「私が行く」と言って飛び出し、帰ってこなくなった。7日目に帰ってきて、「機織りのチキリが要るので取りに来た。キャーチボラの龍宮の池に欲しいものを書いた紙を流してくれれば用立てする」と言った。あるとき、法事のお椀を借りて、1つ返さなかったらそれきり縁が切れてしまった。
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ライ 1915年 兵庫県 ある時、寺の井戸に雷が落ちた。和尚が井戸に蓋をしたため天井に昇れなくなった。雷は陳謝し、桑原には永久に落ちないと約束して、その証拠に手形を記して許された。それ以来、雷は桑原と聞くと他所に鳴って行く。その寺では猫の手のような墨の痕がついた古い紙を大切に保存している。
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ショウトクタイシ,カミナリ 1932年 奈良県 雨が降り続いた後、井戸に雷が落ちた。その後、上から聖徳太子が落ちてきて、大きな岩で井戸にふたをした。それ以来、雷はそこへ落ちない。
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リュウ 1970年 奈良県 昔、大旱の時、雨乞いをしたら竜が現れた。竜は、雨を降らせたが、大竜に殺され、3つに切れた竜の体が落ちて来た。村人はそれを竜頭寺、竜腹寺、竜尾寺の3つの寺を建てて祀った。
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キイ 1974年 岐阜県 濃州笠原村で、閑唱阿闍梨の霊合山の庵に石塔を建てようと山に行き良い石をみつけた。村の者を集めて石を取りに行こうと相談していた翌日、大雨が降って石が家の前の川まで流れてきた。
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