ウツワノタタリ,コヅカ 1982年 鎌倉真言宗の僧・円空は怪しき加持祈祷を行って、柏木成子町の町人が目の上に痰病ができて両目が腫れたのを治した。これは家の中にある器の祟りで、これを掘り出して清浄な地に埋め変えると病気が治ると円空が言ったことによる。実際家の下から小柄が発掘されたので、円空が持ち帰って鍛冶を行うと両目は少しずつ見えてきたという。
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アメ 1974年 神奈川県 鎌倉の光明寺に住む檀通和尚が病気の際、弟子の祐天和尚は祈祷堂に籠もって快復を祈ったが何の効果もなかった。そこでさらに念を込めて祈ると、それまで晴れていたのに雨が降ってきたという。
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エンクウ,ジュウイチメンカンノン 1980年 岐阜県 円空が長く滞在したことがあり、ひどい雨が降った。それで円空が十一面観音を彫って祈願した。するとすぐに雨が止んで、川の水も引いたという。
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(コンピラサマノレイゲン) 1986年 香川県 病快癒の願いを込め金毘羅大権現に向かっている最中に、同宿の人に勧められて金毘羅山近くの里の目医者・松坂玄養を訪ねることにした。大阪から丸亀に向かっている明け方に左眼が薄く見え始めた。同日の九つ頃に金毘羅様に拝礼している間に右眼が見え始めた。それから両眼が見えだした。更に神前で祈祷勤めの僧に金銀の幣帛で十七度頭を撫でてもらうと、翌朝には障子骨がわかるほど回復した。
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(シリョクノカイフク) 2004年 京都府 ある貧女が我が子を捨てる。子は高僧に拾われて僧となり,父母を探すため四天王寺で連日説法を行った。ついに僧は盲目となっていた母と再会し,母のため三宝諸天に祈祷を捧げる。すると母の目が元のように開いた。
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ジュソ,カイフニンギョウ 1978年 ある中納言が病気になり、治る気配が全く無かった。修験で有名な僧を密かに呼び占わせたところ床下に呪物が埋まっているのでそれを除けば治るというので床下を掘ったところ怪しい人形が出てきた。それを祓わせたら病気は治った。
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アミダブツ,オニ 2002年 大分県 豊後の国高田の水川というところの男が、中風になり、足も萎えてきて大小便も居ながらにするようになり、誰も寄り付かなくなった。3年になった時、夢に鬼が2人出てきて連れて行こうとするので、阿弥陀仏を一心に念じると阿弥陀仏が光を放ってやって来た。さらに念じると、男の胸に光をさしかけなさった。鬼たちは「この男は高家の者だ」といって失せた。その後この男は立てるようになった。
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コウボウダイシ 1980年 ある酒好きの男が去年から酒を飲まなかったものの、ついに手足が不自由となった。多くの医者に診せても治らなかった。ある日駕籠に乗っていたとき、いやしき僧に出会う。その僧に事情を話すと、僧は男に薬と飲み方を教えた。その薬を数日飲んでいると平癒した。男は日頃弘法大師を信じていたので、示現したのかと思った。
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ヤマノカミ 1995年 福島県 身体の具合が悪い高校3年の息子を持つ母親が占師に拝んでもらった。その御神託に従い、昔母親が住み40年前に閉山した大宮鉱山の山の神に祈願してもらった。すると息子の病気は治り、無事に卒業、就職できた。
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ムジナ,トンチボ,ヤマノカミサン 1995年 新潟県 足し算引き算もできない息子がラジオ屋になりたいというので、石倉大明神に1年7ヶ月願をかけた。ある晩枕元にでっぷりと太った女の人が現れた。息子は一人前になり、石倉さんにお礼を伺うとカミオロシで便所、電気、井戸が欲しいといった。イシクラさんで井戸はどこに作ろうかと思っていると感じる場所があり、そこを掘ると大蛇の骨が出た。イシクラさんの水は難病を治すという。皆はトンチボというが、息子のことも治してくれたのだし、ヤマノカミサンと言わねばならない。
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ユメ,ロウソウ 1985年 高知県 夢の中に現れた小僧が示した場所に行くと、老僧が待っていて体全体に円を書いた。そして息を三度吹きかけると、病気が治った。
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イキリョウ,キツネツキ 1955年 ある若者の父親が病気になったので、拝んでもらったところ、部落の近所のある人物の生霊が憑いていたが、その恨みは人違いであることを説明すると、生霊は去り、父親の病気も良くなったという。
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シリョウ 2002年 山口県 昭和58年の夏、アマ漁をしていると、海底の岩場に子供の靴が挟まっているのを見つけた。子供にちょうどよさそうなので持って帰ろうかと思ったが、結局そのままにして漁を終え家に帰ると、子供の様子がおかしい。診療所に連れて行ったが埒が明かず、法華寺の住職に伺いをたてると、子供の霊が憑いているという。何か心当たりはないかと尋ねられたので、靴のことを話すと、原因はそれで、靴の持ち主が憑いたのであると言う。早速住職に祈祷してもらい死霊を成仏させたら子供は元気になった。
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トウショウグウノシンチョク,(アマテラスオオミカミノシンチョク) 1983年 愛知県 三河国の小笠原家領内に住んでいた半七という百姓が、十数年前に同国内で油を売っていた時、東照宮(徳川家康)の神勅が下ったとして玄碩と改名して医師となった。玄碩は心に浮かんだ通りに薬を調合すると諸所の病人は悉く癒えたという。後に玄碩が伊勢国度会郡を歩いていると、空中に天照御神が現れて、玄碩の心が真っ直ぐだからこそ東照宮の神慮に叶ったのだという神勅をえたという。
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コンジン,アラガミノタタリ 1978年 徳島県 ある女性が肋膜に水が貯まり、どうしても治らない。祈祷師に拝んでもらうと金神さんを汚していることがわかり、早速汚れたものを捨て金神様を祀ると数日で水がたまらなくなった。さらに、荒神さんを清めて祀りなおすと病人は全快した。
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カイコクノソウ 1977年 神奈川県 昔、病気で死にそうな父のところへ向かう息子が川を渡ろうとしていた。だが、この息子はお金がなかった為、船頭は船に乗せてはくれず、泳いで渡ろうとしたこの息子は川に流されて死んでしまった。後にここを通りかかった僧がこの船頭に人情を持つようにと言ったが、船頭はこれを聞き入れなかった。そこで僧が錫杖を地面に突き立てると、川の水が全てその穴に流れ込んでなくなってしまった。船頭は飯の種を失い、村民からも白い目で見られるようになり、とうとう逃げ出してしまった。
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レイケン 1974年 東京都 麻生で寛政八年の秋ごろ、ある人が霊夢を見たといって椙田稲荷の近くに住む老婆に祈祷を頼みに来て、老婆は祈祷など知らなかったが、稲荷を拝ませ腹をさすってやると、その人の病気が治った。それ以来参詣者が増えて、望む者には洗米を配った。また、老婆が稲荷に尋ねて答えることに、間違ったことはなかった。あまりに人が増えて無縁の人の参詣を禁止したら、流行はおさまった。
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カメ 1934年 兵庫県 水戸の龜屋という穀物問屋の主が、眼病を患いついに失明してしまった。主はたまたま人丸塚の事を聞いて参篭し、不思議な夢を見た。大きな龜が主を乗せて、清水の側に下ろしたという夢で、実際に清水があったので、神のお告げと思い、その水で洗眼すると視力が回復した。
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カミナリ,ヘンゲ 1921年 雷が落ちたのを許してやった御礼に大力の子供を授かり、この子供が成長して僧になり、変化を退治したという。
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キツネ 1982年 大阪府 大坂の法清寺に、山城国山崎から客僧が来て、加持祈祷と号し、女を集め、金銀を取り、狐を遣って富家の人々の娘を狂女にし、また加持祈祷して正気に戻すという。
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