キツネツキ,ヤマイヌ 1979年 静岡県 昔は狐憑きが多かった。狐に憑かれた人は、死んだ人の話をしたり、予知をしたりしたという。油揚げをくれとも言う。狐を落とすために、山住神社にお札をもらいに行くというが、その帰りに振り返ると山犬が帰ってしまうという。また、御岳の行者が来てお供え物をしんぜて、そのお供え物に憑き物を閉じこめて刀で切る真似をして、川に流したり焼いたりすると言う。
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(ツキモノ) 1988年 長野県 憑かれた人は原因不明の熱を出し、激しい腹痛や体の節々が痛み、譫言のようにあらぬことを口走った。「どこから来た」と家名を口にするのが特徴だった。離すときは、胡椒でいぶしたり山住様の神札を迎えたりした。どうしても離れないときは、ねぎ様に頼んで呪文・祈祷で落としてもらった。
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(ツキモノ),クダショ 1988年 長野県 憑き物に憑かれた人は、うなされて大声で家名を呼んだ。昼夜の区別無くしゃべり続け、あるいは床から起きあがって手を振ってわめいた。軽い場合は禰宜を頼んで祈祷をすると落ちる。重い場合は山住様へ参拝して祈祷してもらい、神札とお犬を借りてきて祀った。お使いのお犬がやってくると、クダショは逃げ出すという。
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キツネ,(ツキモノ) 1988年 長野県 キツネが人に憑いたことがある。憑かれた人は神と山の犬の使いを恐れた。離すときは送り御幣に油揚げと菓子など土産を持たせて、村境あるいは峠の大曲まで送り、口を利かず振り返らずに急いで帰ったという。
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ツキモノ,キツネ 1986年 長野県 きつねが人に憑いたことがある。暴れ出したり、油物を好んで食べるようになった。離すためには油揚げを屋外に供えきつねを送り出したりした。また、山犬のひげを包んで憑かれた人に近寄ると逃げ出す、そこで転ぶと正気に戻るといった。
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ツキモノ,キツネ 1986年 長野県 きつねが人に憑くことがあった。そうすると、きつねの真似をし、大食して油揚げを好んだ。法印様に頼み油揚げを供えて祈祷したり、手足を縛って祈祷しながら棒で叩いたりして離した。
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ムエンボトケ,ツキモノ,ヘビガミ,イヌガミ,イナリ,ヤマノカミ 1967年 愛媛県 昔、ある人に無縁仏がついたことがある。憑き物はほかに蛇神、犬神、稲荷、山の神。話者はそのような憑き物落としをする。蛇神が憑くと物を言わなくなり、犬神が憑くとワンワン吠えるようになり、稲荷が憑くと油揚げと強飯を欲しがるのでわかる。話者によると、ある人が外の村に嫁いだところ、その家が憑き物筋だったので、以来この村にも憑き物が入って来たという。
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(ツキモノ) 1988年 長野県 憑かれた人はしゃべり続け、気が触れた状態になったという。離すときは山住様を祀った。
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キツネ 1974年 山梨県 ある男がキツネに憑かれて、毎日釣りに出かけるが岩の上で寝ているだけで1匹も釣らずに帰ってくるようになり、お稲荷様のお赤飯やアブラアゲがなくなるようになった。男に何が食いたいか聞くと「お赤飯、油揚げ」と言い、戌年の人を嫌うようになったので犬をけしかけたら布団に潜って隠れた。「祠を建てて赤飯に油揚げを供えてくれたらそこにいく」というのでそうしてやったら、腕が膨れてコクンと音がして憑き物は落ち、おとなしくなった。
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(ツキモノ) 1988年 長野県 憑き物に憑かれると、行者を頼んでお犬様を迎え、これで追い払ってもらったという。
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ツキモノ,キツネ 1986年 長野県 きつねが人に憑くことがある。そうすると、犬におびえたり、油揚げを好んで食べた。祈祷や刀剣を用いて離した。
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ヤマイヌ 1985年 愛媛県 山犬は狼とも異なる魔物の一種であり、憑かれると人の後になり先になりついてくる。「家に帰ったら豆御飯を炊いてやるからトギ(供)をしてくれ」というとついて来なくなる。土産物を投げつけて助かった者もいる。
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イズナ,(ツキモノ) 1989年 長野県 イズナが人に憑くことがあるという。人が憑かれると、戸間口の戸を開けて人が入ってくると、馬鹿丁寧に「出て行け」と言ったり、目つきがきつねかたぬきのようになった。馬が憑かれると、いつもは食べない草を食べるようになり、よじけるようにして歩いた。イズナツカイという人に来てもらって幣束を切って祈とうしてもらった。そうすると人の体や馬から離れていくと言った。
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キツネ 1977年 和歌山県 村に狐憑きが出たときは、道の辻に小豆団子と油揚げを置いておくと治るという。祈祷師に祝詞をあげてもらうと抜けるが、2・3日安静にして眠っていると死んでしまうという。田辺の祈祷師を呼んで、カラシをたいて家の口からいぶしだしたという。
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キツネ 1955年 山梨県 狐に化かされると村中で鉦を叩いて大勢で見つけると狐が離れるといわれた。狐憑きの時には素人の信心者が5、6人いて病人を囲み祈った。富士信仰で経を読み、刀を抜いて脅かした。供物としては赤飯、油揚げが使われた。お寺の大門先に祠があり、そこから狐が来たと言う。素人の新人者ではぬけないと、上野から法印を頼んだこともある。
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ヘビ,(ツキモノ) 1989年 長野県 ヘビが人に憑くことがあるという。憑かれた人は話すことや行動が普通の人と違ってきた。法印様や御嶽行者などに頼んで祈とうしてもらい、病人の知らないところにお札を貼っておいたという。
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イヌガミツキ 1954年 島根県 病人が犬神憑きだとわかると、雨戸を閉めて外部と隔離する。どこからなぜ来たのかを聞いても言わない場合は、小豆飯で機嫌をとるとしゃべりだす。それでも病気が治らないときは、青竹で「帰れ」と責め立てる。すると狐のような恰好で飛び回る。出ていくときに伏せて倒れるが、その時手の平を開いていれば、犬神はその人から離れて帰っていくという。
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キツネ 1961年 島根県 人に憑く狐は普通の狐とは違う。狐を憑けるには丑の刻参りをする。憑かれると病気になり、その人の口を通じて狐が「○○から来た」と語る。この狐を落とすには小豆飯や油揚げを食べさせたりするか、病人を打ったり叩いたりする。
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キツネ,(ツキモノ) 1988年 長野県 キツネが人に憑いたことがある。憑かれた病人が寝ていたのに急に飛び起き、キツネのような鳴き声を発し、「どこのキツネだ」などと言った。親類などが枕元に集まって、御幣で払い、キツネの大好物の油揚げを作って木戸から外へ送り出し、キツネツカイと思われる家の近くまで行き、「帰ってくるな」と言って後ろを見ずに帰ったという。油揚げはその辺りに置いてきた。
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(ツキモノ) 1988年 長野県 憑かれた人は目が据わり、赤い物に飛びついたり油物を要求したりした。家名を呼んだり話をしたりした。祈とう師に拝んでもらって離した。
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