ヤクシサン 1961年 鳥取県 向原のお寺の薬師さんは海から上がられて下市の部落に安置してあったが、病人が出たり変な夢を見たりしたことが続いたので伺ってみると、「灘の音のしない所に祀ってくれ」というので向原に祀るようになった。乳の病にあらたかであるという。
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ヤクシニョライ 1991年 愛媛県 若宮神社の薬師如来は桜木法親王の一行が大僧都に落ちて来た時背負っていたもの。ある時、別府から来た坊さんが気に入って持って帰ろうとしたが、どうしても門を出なかった。坊さんは諦めて帰ったが、間もなく亡くなった。このお薬師様を運び出そうとする者は、短命に終わる。
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オヤクシサン,オンセン 1936年 鳥取県 長者の娘が病気になった。菖蒲にあるお薬師さんに平癒を祈ると、お薬師さんが娘の枕神に立ち、帰って柳の木の下を掘ると湯が出るのでそれを使えと告げた。その通りにすると、金色のお薬師さんの像が出てきて、熱い湯がわき出した。
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ヤクシイシ 1933年 兵庫県 西平野村から阪急の線路を越えて大仏原に向かう小道の中程に松林の中の古墓に囲まれたお堂の中に薬師石がある。この石は昔ここに、家を建てようとした大工が邪魔になると言って掘り起こそうとしたが上手くいかず、大工は腹痛を起こして三日経って死んでしまった石で、現在その前に薬師仏が祀られている。
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タヌキ,ダンザブロウ 1975年 新潟県 佐渡国二ツ岩という山に、弾三郎という古狸がおり、非常に霊力がある。この狸は人に金を貸していたが、返さない者が増えたので貸さなくなった。ある時医師の伯仙が佐渡で病人を治したところ、病人の家の主が大金を礼にしようとしたが伯仙は受け取らなかった。すると主は自分は弾三郎という狸であり、これは兵火や洪水によって埋もれた金を、貧者を救う目的で拾い集めたものなので受け取ってほしいと請うが、やはり白仙は受け取らなかったという。次の日、礼に短刀を置いていった。
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スイジン 1968年 佐賀県 ある家で祀っている水神は、病人が出たとき法印から、井戸に金物が入っているから祀るようにと勧められて祀った。
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ヤクシサマ 1974年 山梨県 尾崎集落の薬師様が盗まれて横浜の寺に売られたが、いくら直してもひとりでに尾崎のほうを向くのだという。
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(キンセンノタイシャク) 1975年 愛媛県 Dという人が小銭を人に借りたまま忘れた。貸した人が返してくれないかと念じる気が伝わって、D氏は気が狂った。そのうち「サガシに金の壺がある」と言い出し、信じて探しに行く人もいた。あまりサガシを荒らすと「シロノッサンに乗り移られる」と心配する人もいた。D氏は今治のお不動さんが拝むと金を借りていたことがわかり、それを返すと治ったという。
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ヌレヤクシ 1956年 宮城県 槻木では昔、日照りの時、村人が鰌沼に集り、村の娘1人を竜神の人身御供とし、水責めにして雨乞いをした。およしという美しい娘に恋慕した勘作という若者が、恋がかなわぬ憂さ晴らしにある年およしを人身御供にすすめる。およしが沼へ行くと、旅僧が来合わせて不心得をさとし、竜神も喜ぶまいと、代わりに薬師像を与えて去る。突然大雨が降り村は生き返る。薬師堂を建ててまつり、およしはかたわらに庵を結んで一生薬師に仕えた。
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クルマカエシノオヤクシサン 1981年 東京都 鎌倉幕府の命で奥州平泉の御利益のあるお薬師さんを鎌倉に運ぶ途中、白糸の地で運ぶ車が全く動かなくなったので、そこにお堂を作ってお護りするようになった。お薬師さんが白糸の地を望んでいるのだという。
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(ゾクシン) 1973年 三重県 北畑の薬師は清泉寺にある。耳の悪い人は、穴が開いた石を上げるといいといわれている。
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カイビ,ヒノタマ 1980年 愛知県 明治初年、正衆寺の裏山より怪火が現れ、村人は驚いた。大きな火の玉で、雨の夜に須佐の中頃に出て四散し、又一つとなって消え失せた。村民が不思議に思いその場所を掘ると古太刀、よろい、かぶと等が出たのでこれを祀った。そのあと、怪火は現れなくなった。慶長の昔、九鬼嘉隆が当地に攻め入った時に戦死した武士や村人の魂が迷い出たものという。
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ヤクシニョライゾウ 2003年 愛知県 小佐の東方寺が廃寺になり須佐の光明寺に統合されて数年後、小佐の百姓作右ェ門が魚を捕りに出かけたところ、大漁だった。そのとき、「すくいだま」という網の中に石が入っていたので何気なく捨てた。もう一度網を入れるとまた石が入っていたので捨てたが、3度目にそれが薬師如来像であることに気づいて村に持ち帰った。村人は信仰していた薬師如来の再来と喜んで、これを敬った。
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(ジヌシサマノタタリ) 1961年 鳥取県 旧家といわれる屋敷の東北の隅に祀られている荒神の脇に地主様が祀られている。家人に病人が出たときに拝み手がきて、地主様の神体の石を見つけて祀ったという。
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カネ 1943年 岐阜県 根本の元晶寺の鐘を降ろして「アラヒ」(小字名)というところで洗うと、どんな旱天でも雨が降るという。
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オニ 1979年 岐阜県 美並村の粥川にいた鬼が村人を苦しめたので、勅命で藤原高光が弓で退治した。この鬼の首が念興寺にあり、持ち出すと天が荒れるといわれている。
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オウゴンブツ,フドウソン 1983年 茨城県 下総国藤代宿において、8歳の女子が男子を生むことがあり、このことで金銀をもらったので暮らし向きがよくなった。そこで屋敷内に井戸を掘ろうとしたところ大きな石が出てきて、その石の中に小さい黄金仏がでてきたという。それは不動尊であった。
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ヤクシノゾウ 1967年 福島県 大平寺は以前、大平山の上にあったが、安永年中にこの地に移した。大平山の上にあった頃、盗賊が薬師像を盗み出して逃げたが、この地で脛が痛み出しついには切れて動けなくなった。ゆえにこの地を脛折という。
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ミツムネサン 1931年 山梨県 お蔵の裏に御祠を建てて三峯様を勧請していた。ある晩盗賊がお蔵から反物を盗んだ。翌朝それらの反物は一町ほど離れた実成寺の台門先に置いてあった。三峯様のおかげである。
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オウマイシ 1943年 香川県 後陽成天皇の文祥年間の頃、細川国広という人が前田から小倉山に行く途中、老婆が道をさえぎった。国広が石を投げつけると老婆は飛び去り、今度は馬に化けた。馬を投げ飛ばすと大石になった。これが御馬石で、小倉山の入り口の畑の中にあり、他に移すと夜の間に元も畑に帰るといわれる石である。
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