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怪異・妖怪伝承データベース
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検索対象事例

アマゴイ,タイ
1934年 香川県
昔三味線島という島があり、田井という強欲な地主がいた。旱魃の時、島人は天災と年貢の取立てに悩まされ、雨乞いをしたところ、雨が降り続き、田井の屋敷は島と共に沈み、島は2つに分かれた。その付近でとれる鯛は田井一族に似ているという。

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タタリ
1940年 香川県
島に商売敵の酒屋が2軒あり、一方の主人が他方の主人を謀殺したところ、両家に次々と不幸が起こり、果てはひとつの島であったのが大波によって東西に分断されてしまった。
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コイ
1931年 長野県
500~600年前、百姓が用水池の主の鯉を捕らえてその尾を切り、池に捨てた。鯉は悲しみのあまり老松の下蔭で泣いた。その百姓の家には間もなく病気が襲い、死に絶えてしまった。今も鯉の泣き声が聞こえるという。
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タコ
2002年 山口県
昔、甚平という漁師が住んでいた。魚を捕ることが巧みで近隣の者は皆知っていた。ある日甚平が岩の近くで魚釣りをしていると、急に船が傾いた。見れば大きな蛸の足が船縁を掴んでいた。甚平はその足を包丁で切って持って帰った。その味を覚えた甚平が翌日も岩へ行ったところ、その日も蛸が現れた。こうした日が5日続き、8本の足が3本にまで減った日に、甚平はこの蛸を捕ってやろうと包丁の代わりに縄を持っていった。それきり甚平は帰らず、主のいない船が夕方に浦へ流れ着いた。村人達はきっと蛸に食われたのだろうと噂した。それ以来その岩を甚平岩と呼ぶようになった。
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クビキリダ
1985年 茨城県
昔、日照り続きで大変困った時に、隣の人が水を盗ったと言って争いになり、持って居た鎌で相手の首を切って殺してしまった。その後その田は祟りで、災が起きると言うことが言われて、荒れ果て、水が溜って池のようになっていた。
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コサブロウイケ,ソマガイケ
1936年 岐阜県
兄弟2人の杣がいた。弟は山仕事に行き、兄の小三郎は渓流に行き岩魚2尾を釣った。一匹は弟に残しておこうと思ったが食べてしまい、のどが渇き渓流の水を飲んでいた。すると水はどんどん増し小三郎は杣小屋ごと水につかり池となった。以来その池を小三郎池または杣が池といい、大旱の時にその池に雨乞いをする。
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コイ,イケノヌシ
1928年 新潟県
池の主の鯉が三太郎という男の釣り針にかかり、右の目を傷つけ、怒って大暴風雨を起こし、三太郎を殺した。この池の魚は今でも片目のものが多い。
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クモ
1984年 山梨県
余沢から白沢へ向かう途中に雨乞いの滝がある。現在余沢で空き家になっている家の先祖の男が雨乞いの滝でヤマメ釣りをしていた。わらぞうりをはいて来たが、滝の壷からクモが出てきてアジ(糸)をぞうりの結び目にひっかけるので、その糸をとって近くの木に結びつけた。どこからともなく「いいかー」という声が聞こえたので「いいぞー」と答えるとアジで大きい木を引き倒したので、男はびっくりして逃げて帰ってきた。
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カニ,ダイジャ
1990年 石川県
笠原の藤太が田んぼを作った。そこへある若者がきて、この田んぼにどうやって水を入れるのかと聞いた。藤太が弱って一夜のうちに水を入れてくれたら娘を嫁にやってもいいというと、その晩に大雨が降って田んぼに水が入った。男の正体は大蛇で、家を七回り半巻いてしめあげてきたが、娘が残り飯をやってかわいがっていた蟹が切断した。切られた蛇をカラスがくわえていき、それが落ちたところは池になった。
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ジュンレイムスメ,ヘビ
1961年 山梨県
昔、釜無側の下流の浅原村に3人暮らしの親子がいた。ある年の夏に、1人の巡礼娘が雨宿りを乞い、そのまま逗留した。息子の浅吉とその娘は夫婦となるが、2、3年過ぎたある夜、妻が行燈で障子にうつるが、それは人間の女の姿ではなかった。1家は怖くなり、暇をやると、嫁も承諾し、暴風雨の日に釜の蓋を貰い受けて、釜無川の濁流の中に投げ入れ、その上にとび乗り、蛇身と変じて姿を消してしまった。すると俄かに洪水は引いて水害は免れ、その後も水害は起こらなかった。沿岸の人たちは恐れをなしてしばらく釜を使わなかったので釜無川という。
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スイジン,ダイジャ,ヘビ,ダイサンオオジ
1929年 東京都
大昔、近江の琵琶湖に住む漁夫が、不漁の続く際娘を捧げるかわりに大漁を祈った。すると魚が良く捕れ、水神が蛇となって娘をもらいに来た。娘は白鳩になって逃げ出し新島まで追い詰められた。新島の三島明神の大三王子は怒って大蛇を斬り、頭を八丈島、尾を大島、銅を新島に飛ばした。だから八丈島の蛇は人に食いつき、大島の蛇は人に巻き付くのだという。
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カッパガミサマノミタラシイケ
1956年 宮城県
磯良神社,通称河童神様の御手洗池はどんな日照続きでも水の涸れることがなく,それが用水堀に続いていた。昔,近所の安彦甚之丞という者が,ある夏仲間と二人で用水堀をくぐって泳ぎ回っているといつのまにか水底から水の無い所に出た。そこには立派な家があり,窓から覗くと美しい娘が機織をしていた。「ここは人間の来る所ではない。早く帰りなさい。」「ここに来た事を三年経たぬうちは人に語るな。語れば必ず禍がある。」と言われたので,夢中で逃げ出すと何時の間にか元の用水堀に出ていた。一人はつい口を滑らせてしまい,原因不明の高熱で急死してしまったが,甚之丞はなかなか話さなかった。
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カミワリザキ
1956年 宮城県
追波、志津川両湾の間にある岬の端。本吉と桃生の郡界であったが境が明らかでなく、ある日大きな鯨が漂着し、双方の村人が所有を争って決着がつかない。その夜、大音響とともに岬の先端が真二つに斧で打ち割ったように裂け、海水が狭い割れ目に入っていた。双方の村人は神のお裁きとして和解し、これを郡界と定め、鯨も二つに分け合ったという。
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イケノヌシ
1985年 新潟県
野々見の池の主と池尻の池の主が嫁入りを断った件から争いになり、池尻の主が負けて川が血で染まった。それから池尻の池は水を抜かれて田になったが、「アカ(銅)の鍬で三日うなえば元の池に戻して見せる」という人がいる。
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フチノヌシ
1928年 静岡県
昔、一人の物持ちがいた。その家は淵の主から膳椀や金の融通を受けていたために栄えていたが、あるとき、淵の主が家を訪ねた際、蓼を出したら、しまったと叫び淵に落ちた。その姿は魚に変わり、オトボウと連呼しながら流れていった。それ以来、家運も傾いた。
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フルダヌキ
1956年 宮城県
鯨島には昔、古狸が住んでいた。朴島の漁夫が夜釣りをしていると、鼓の音がして名を呼び、屋島の戦や壇ノ浦の戦の浄瑠璃を聴かせ、続きは明日の晩聴かせてやるといった。翌日村の仲間一同で島の近くへ夜釣りに出たが何事もなく、漁夫はみんなから冷笑される。次の夜独りで行ったら後段を聞かせてくれた。以後、独りで行けば誰でも聞けたという。島の東南中腹に奥深い洞穴があって、古狸のすみ家という。
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カイジン,ワダツミ,ユナイナマ
2003年 沖縄県
昔、富豪が海神の使者の魚・ユナイナマを捕まえて切った。これを海神が怒って、津波を起こして富豪の家を陥落させてしまったという。
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ピシノシタ,カミサマ
1986年 沖縄県
来間の島民が神様によって連れ去られていなくなっていく。あるとき、信仰心の厚い女が潮干狩りにピシに出かけ、その下に連れ去られた人たちが家を建てて住んでいるのを見つける。女が「どうしてこんなところに連れてこられたのか」と尋ねると、「ヤーマス・ウガンを中断しているために神様が怒ったからだ」と答えたので、女は島に帰るとヤーマス・ウガンを再興した。
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ヒノカンノオンガエシ
1981年 沖縄県
農業と漁業を兼業していた男がある晩、大勢の人々が「よいとこさ、よいとこさ」と掛け声をかけながら通っていくのに出会った。何をしているのか聞くと、竜宮の神様の命令で木を島の上にのし上げるのだという。力を貸してくれと言われた男は手伝ってやった。そのお礼に、風邪を持ってくるゆうがらすを除けるために臼を3回叩くことを教えられ、男の家庭は助かった。隣の家の人々は悪い病気になり、全員死んだという。
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フチ,ビジョ
1957年 岩手県
ある翁が3日の間刈っておいた柴を、渕の水の渦巻くさまが面白いので投げ込んだところ、迎えに来た美女に背負われて水底の屋敷に行って来た。
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エンコ
1980年 広島県
十代ほど前の人が田植えの時期、馬鍬を清水の川で洗っていたら坊主が現れ泣き出した。理由を聞くと馬鍬があるから川を渡れないという。正体を見抜いた人が、今後村の者を連れて行かないと約束するなら馬鍬を除けてやるといったら承諾した。それから毎朝、家の牛屋のカンノキに大きな黒鯛がぶら下げてあったが、柱に鎌を打ち付けるとそのようなことは無くなった。またこれ以来、村の者はエンコに肛門を抜かれないという。
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