オニ 2000年 高知県 正月14日(小正月)の夜に子供達は、その日から使い始めた竹製の柄杓を持ち、家々の戸口で「カイツリ、カイツリ」と言いながら、集落内を回る。家人はその柄杓に若餅を入れる。また仮面や頬被りした若い衆が道中に隠れており、子供達は彼らを鬼と呼んでいた。
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カイツリ,カユツリ 2000年 愛媛県 小正月に子供達は、藁一本で作ったカイツリ・カユツリと称する物を持って家々を回り、それと引き換えに餅を得る。家々は交換した物を神棚に供え、その数が多いほど家が栄えるとした。
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ヒトツメコゾウ 1962年 山梨県 昔、さかね沢というところの山小屋に太郎助という若い衆が大勢の村の人たちと木こりをして寝泊りしていた。その頃は12月13日には仕事を休んで家に帰ることになっていたが、太郎助だけが残る。夜中に山小屋の外の音で目が覚め、入口を見ると一つ目小僧がじっと太郎助を見ていた。一つ目小僧が「今夜の酒のさかなは何だあ」とどなるが、「お前のまなこ玉だあ」とどなり返すと一つ目小僧は逃げ出した。太郎助は夜が明けると家に帰ったが、それが元で死んでしまった。それから沓沢では鰯をもみやからたちの枝に刺して門口におくようになった。それは小僧がのぞいた時にその目を刺すからだという。
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ガガモ 1984年 愛媛県 正月餅を搗いている時に子供がくじをくりだしたので、親が「くじをくりよったらガガモにやるぞ」と脅した。すると本当にガガモが現れ、子供をさらおうとした。驚いた父親が搗いていた餅を投げ与えたので難を逃れた。以来節季の餅つきをするとガガモがやってくるようになったので餅つきを廃止した。
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オニ,ジャ 1915年 愛媛県 亥の子の晩に子供たちは、「亥の子亥の子、亥の子の晩に餅搗いて祝わぬ者は、鬼うめ蛇うめ、角の生えた子うめ」と歌いながら、家々の門前を廻った。
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カガミモチ,(ヒ) 2000年 香川県 正月14日の晩に数人の子供達が家々の注連飾りを集めに回り、その日は1人の家に泊まる。翌15日にそれらを浜に高く積み上げて、「トンドヤサンキチゴ、モチノカゲヤイテクオ」など言いながら火をつける。その火で焼いた鏡餅を食べると、その一年は無病息災である。
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ヤマノカミ,ヨルノマモノ 1984年 福井県 山の神講には、新築の家に子ども達が集り、裸で大日堂まで走っていく。大日堂へ着くと、大将が腰に巻いたしめ縄を太いマツの木の根元におき、後の子どもたちも次々とツトを置いていく。それがすむと大日堂の中へ入って、持ってきたシトキ(水に漬けておいた米をすりつぶし、酒でこねたもの)を体に塗って宿へ帰る。このとき身体にシトキを塗るのは、お地蔵さんになるということで、山の神は「夜の魔物」だから、いたずらされないようにという。
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タヌキ 1984年 山梨県 曾祖母から聞いた話。ある家の土蔵の裏のケヤキの木の下に、毎晩丑三つ時に半纏を着て手拭をネエサンカブリにした娘が出て、ネンネンコロリヨの子守唄を歌った。戸の隙間から覗くと狸の尻尾が見えた。赤飯などをおいておくと食べ、次の日もまた化けてやってきた。毎晩来ていたが、いつしかこなくなった。
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ホゴツリ 1985年 愛媛県 お山塚という所の、杉の古木に半鐘がつるしてあったが、その下の小径を子供が夜通るとホゴつりが出るといわれていた。
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ジゾウサマ 1969年 福島県 大正初年ころ、7~13歳の子らが集まり、1人に南天と笹葉を持たせ、目隠しして座らせる。皆で周りを取り囲み唱え言を繰り返すと地蔵様が憑く。地蔵様には何を聞いても良い。ある時答えを聞いて笑ったところ暴れだし、大人が集まって竹箒を枕に寝かせたら元に戻った。
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クチヨセ 1955年 山梨県 口寄せは明治30年頃よく来た。毎年正月に来て1ヶ月位村にいた。シニグチ、イキグチとありイキグチは自分の思う女など自分の思うことを寄せた。シニグチは仏様を対象としたものだった。謝礼はイキグチで10銭位、シニグチの方がそれより安かった。
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シラガノオイサン 1982年 鹿児島県 大晦日の晩、子供の寝床の中に、密かに餅と銭を入れておく。そして元旦の朝になると、親が子供に「白髪のおいさんが来て、お前に年をやった」と告げる。
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カユ,アズキガユ 2000年 香川県 正月15日の小正月にかいつりということが行われ、子供達が重箱に黍わら等で作った小農具や小槌・枡を入れ、「かいつりを祝うていた」と言って家々を回る。家人は米や餅を彼らに与え、その夜や翌朝に、それを材料にして作った小豆粥を萱の箸で食べると、疫病を払い福を集めるという。
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ジゾウサマ 1972年 福島県 主に正月に、家の中で1人の子が目を瞑って中央に座り、周りで5、6人が唱え言を唱え囃し立てる。やがて中央の子が体を揺らし始め、地蔵さんが乗り憑いたとわかる。色々な質問に答えてくれ、気持ちのよい子、欲得のない子には地蔵さんが憑きやすかった。
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(ゾクシン) 1977年 和歌山県 年中行事に関する俗信。大晦日の夜におくどさんの火を小さくすると、自在から大グモが下りてくるので、火を大きくしたという。元日の早朝に風が吹くと、早稲が悪いと言ったという。5月5日に女性がお銚子に菖蒲をさして酒を飲むと、蛇の子をはらんでいても落ちるという、など。
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カユ 2000年 香川県 正月15日の小正月には、子供達が取り外した注連縄で枡を作り、各家を回って米や菓子などをもらい歩く習慣があり、それを粥釣といった。集めた米で作った粥を食べると、その年は病にかからない。
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ザシキワラシ 1974年 岩手県 小正月の年とりに、米を升にのせ、赤い膳を作って、奥座敷においておく。これはザシキワラシに食べさせるためだ。私の小さい頃、「泣くとザシキワラシが出てくる」よく言われた。
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カユ 2000年 香川県 正月14日の夕方に若者や子供達が、お盆に載せた一升枡に、松・竹・梅の木片を輪切り大根に差したものや、黍がら・木で作った模型の農具を入れて家々を回り、家人から米・麦・豆などをもらう。その時「カイツリカイツリ、ゴートゴト」「カイツリ祝うてくれ」と言う。15日朝にそれを材料にして炊いた豆入りの粥を食べると、夏に病気にならない。
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ヒイヒイザル 1993年 三重県 ヒイヒイ猿という猿が、黒田集落から娘を人身御供に取っていたので、旅の由井小雪が身代わりになった。小雪が神輿に乗って待っていると、松脂と砂で毛を硬くしたヒイヒイ猿が降りてきた。小雪は毛の隙間のある首と足を狙って猿を斬り捨てた。猿の頭は比奈知へ、足はサガラの橋へ飛んだ。猿は「去る」に通じて縁起が悪いから婚礼の行列はサガラの橋を通らない。比奈知では今もヒヒマツリという祭りをしていると言う。
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オニ 1993年 静岡県 節分の晩、子供の頭にすり鉢をかぶせる。鬼が来るからと言う。
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