ブツゾウ,ツボ 1936年 島根県 毎年田を耕すときには必ず雨の降る田があった。ある日、その田を耕していると、鋤に触れるものがあるので見ると、中に仏像の入った壷があった。
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カカトリバタ 1982年 群馬県 かかとり畑は昔、女の首切り場であったので、ここを耕す者は妻を失うといわれた。その後、水田になった。
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タカクラノヤマ 1964年 福島県 高倉の宮という尊い方の休まれた山があり、この山では畑を耕しても、しもごえはかけない。
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ヤマイダ,ヤマエーダ 1956年 宮城県 昔からヤマエーダ(病田)と呼んでいる60坪ほどの田畑がある。隣村に住む地主の所有であったが,その後当町に寄付された。原因は不明だが,この田畑を耕す者には必ず不幸か不思議が生じるので,今も耕す者がない。
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コウデンニカンスルゾクシン 1939年 千葉県 間違って他人に自分の田を耕されると、人が死ぬといわれ、非常に嫌がられるという。
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ゴガツセックノウシマツリ,(ゾクシン) 1974年 愛媛県 南予地方では旧5月に牛の休み日がある。この日に牛を使うと、日照りになるとか火災があるとか、牛が足を折るとか言ってこれを忌む。昔、深田太郎右衛門が禁を破り、5月28日に牛を使ったところ、牛もろとも消え失せたという。
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(インヨウノカタチヲシタイシ) 1978年 新潟県 山本氏の先祖が畑を耕していると、鍬の先に触れたものがあった。陰陽の形をした自然石だったので飾っておくと、病人が絶えないようになった。埋め直すと、貴人が枕元に立って掘り出すように言った。畑に行くと、地上近くに石があり、洗い清めて信仰した。後に雁田神社になった。
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ツルギミサキ,マイケンサマ 1983年 岡山県 畑を耕していたときに出てきた刀と兜を埋め戻して塚を築き、ツルギミサキ(埋剣様)と呼んで祀っている家がある。このように、土中から出てきた刀を祀る例は多い。
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ダイジャ 1955年 神奈川県 昔、ある人が畑を耕していると、土の中の丸い穴から大きな蛇が出て来た。地面にさしたフズキグワに着物を掛けたまま逃げ出した。蛇はそれを人間と思って呑んでしまった。そのため、蛇は死んでしまい、ある家でその骨を秘蔵していたという。
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コクソンサマ 1991年 高知県 黒尊の酒井玉喜氏が黒尊様の前の畑を耕していると時折鍬にあたるものがある。何かと思ってみると永楽通宝だった。
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オトモレツダ 1954年 山梨県 オトモレツ田は人柱が入っているといい、持ち主が転々と変わった。この田を耕すとおとむらいがあるといわれていた。
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オオヒト 1927年 山口県 昔、まだ世界が平地だったとき、大人が牛を引いて耕作した。そのときの畦が山である。ところが、九州で大人は深く耕したので、牛は死んでしまった。だから、九州の山は高い。牛をたおしてから帰ってきたときの足跡がある。
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コシカケマツ,テング 1990年 長野県 農家の人が畑を耕していたところ、突然山鳴りがして峰の松の木がねじ曲がった。大てんぐが腰掛けたためだといい、その松をてんぐの腰かけ松と言うようになった。この木を傷つけたり枝を燃やしたりすると、病死するか大怪我をするという。
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オーサキ 1983年 東京都 キツネをオーサキと言う。昔の人の話では、それが畑へ行くと、そこのうちの畑の石ころを拾っては畑に投げるという話を聞いたことがある。
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ヤマノカミサマ,スイジンサマ 1974年 鹿児島県 狩人が山で、その晩生まれた子が数年後の5月16日に水神様にとられるという神様の話を聞いた。それはその晩生まれた狩人の息子であった。数年後の5月16日、狩人は息子を柱にくくりつけて事なきを得た。昔は5月16日はきゅうりに子供の名を書いて川に流したという。
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トウバダ 1985年 茨城県 仏供養の塔婆の形をした田が五枚続いて並んであった。この田を作った家では、祟りのために病人、気狂が出ると言われて、誰も耕す者もなく、荒れていた。
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テング 1956年 茨城県 天狗が遊びに出ると、麦畑の麦穂が一面黄金色に輝いていた。翌日また遊びに出てみると、麦が刈り取られ畑はすっかり耕されていた。そこで天狗は「人間はたいした事をやる。一夜のうちに地面をムシロのようにくるくる巻いてしまった」と感心した。
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ヤマノカミ 1983年 香川県 山の神はそれぞれの家で祀っていることが多い。山の神のゴメイニチは毎月7日だが、正月・5月・9月のゴメイニチには山に入ってはならないという。
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イケノヌシ,タタリ 1978年 新潟県 タナの池には主が住んでいるという。昔、池の周りの畑を耕していた老人が、出てきた石を池の中に放り込んでいた。するとどかーんという大きな音が池の中でした。その音を聞いてまもなく、その老人は何でもないのに船が転覆して死んだ。池の主の祟りだという。
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ヘビ 1967年 福島県 昔、1人の若者が沼のほとりで休んでいたら、1匹の蛇が現れ若者の歌を聞いているようだった。若者が鎌で蛇を切り殺したところ、蛇は2匹の大蛇になり若者に襲いかかった。鎌で切るほど蛇は増えたが、沼に蛇を投げ込むことができた。すると沼はたちまち大海のように荒れ始めた。家に帰った若者は、まもなく身体中に鱗のようなものができ死んだ。沼はその後田になったが、耕す人は皆身体に鱗のようなものができ死んでしまうので、耕す人もいなくなり、今は蛇塚として残っている。
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キツネ 1990年 大阪府 ある村に百姓狐がおり、村の者の手伝いをして食料にありついていた。別の村にいた狐は毎朝大和川べりを歩いて開墾地を探し、半軒四方の畑を耕した。けれども畜生の悲しさですぐ場所を忘れ、また次の日も開墾地を探して鍬を担ぐ狐の姿が見られたという。
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