カワノカミノタタリ 1980年 熊本県 肥後国の城下に平川円蔵という者がいた。ある時彼が神社の神木を、迷信だとして切り倒したところ、女房に神木に住んでいた球磨川の神が憑依し、様々な奇怪を現したという。
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タノタタリ,タシロノカミ 1971年 京都府 村と村の境にある三日月形の小さい田は、地頭も祟りがあるといっているが、作らないと二村に祟りがあるという。ふたつの村の尼が身を清め別火をしてつくった。この米は伊勢の御神の初穂にあげる。池を田代の神と伝えている。
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テンノウハカ 1985年 茨城県 天王墳は、誕生仏の出た土地であり、五重塔もあったと推測される。この墳のものを取ると、祟りがあると言って篠の原野になっていて、手を加えるものもない。
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ヒビヤシンメイ 1974年 東京都 寛弘2年9月16日に、日比谷あたりにおいて御神幣と大牙が降ってきたので、村中の者が怪しんでいたところ、どこから戸もなく7歳ほどの女の子が現れた。その子は眼色が変わり狂いだして口ばしることには、自分は伊勢内外宮の神であり、鹿島の地にいる悪軍を退治した後だという。そしてこの地に自分が来た証拠に2つのしるしを降したので、早速社殿を建てて祀りをせよと命じた。神が抜けると、その女の子もどこかに消えた。
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タタリ 1977年 三重県 己亥の年の4月に、城北の瀬古村の女が伊勢神宮に詣でたが、障りがあって帰った。しかしまた思い立って参ろうとしたが、豊宮川の岸で自分の耳が長くなるように思えて心が乱れ、他の人には角があるように見えたという。その女は川を渡らずに一緒に行った者が宿に連れて帰ったが、宿から走り出て五里ばかり西に行った川に入って死んだという。その夕方は風が強く吹いて氷が降って雷鳴が聞こえたが、日頃から悪心だけであって、人もあざるような女だったという。これらは神の祟りといわれる。
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ヤシキノタタリ 1995年 秋田県 天保4・5年の凶作で全滅した家の屋敷跡に植えてあったボケの花を掘っていったら祟りになった。
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タタリ 1935年 三重県 弘化2年、弁天島と呼ばれる島の近くを舟で過ぎていた庄屋の兼次郎は、一條の水柱が立っているのを見て、島に近づいてみると何かの頭が見えたという。その三日後に弁天島に渡った親子の木こりが谷に落ちて死んだ。これは神の祟りと考えられた。
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(イヌガミ) 1980年 岡山県 備前児島郡の農民は昔犬神を祀ろうと思ったが、犬を殺した場所のわずか数間離れたところには、五穀は実ることなく、また家を建てるとその家に怪事が絶えないという。
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タタリ 1976年 京都府 近年、高野川の堤の道から小野毛人の真鍮の墓誌が発掘された。村の宝幢寺に納めたところ、祟りがあったのか、もとのように土中に埋めたという。
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シンボク 1983年 愛媛県 蓑島伊右エ門正勝の屋敷裏の山中に神木があったが、これを切って薪にしてしまった。するとその夜から子供が発熱して苦しみ始めた。占い師が神木の祟りだとしたので、「代わりの木を植えるから子供は助け給え」と叫ぶと熱は少し冷めたが、子供は遂に死んでしまった。
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スギノキ 2002年 香川県 昔、二ノ坂神社には二丈ほどの杉の木があった。これを伐って売ったところ、触った人には祟りがあったという。
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(シンボクノタタリ) 1977年 滋賀県 神木で仏寺をつくる事は恐ろしいことがある。光仁天皇の時には近江国の小野神社の木を西大寺西塔の造営に使ったところ祟りが起きたという。
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コウジン,ヤマノカミ 1983年 岡山県 川上郡備中町西油野の小谷では、荒神は山の神とされており、よく祟るものだと考えられている。この部落には屋敷に2つの荒神を祀っている家がある。このうち丑寅の荒神は、昔この家を建てる時に山の神の木を伐ってしまい、祟るので祀ったものだといわれており、また、未申の荒神は、この土地に以前建っていた屋敷の祟りがあると法印に言われたために祀ったのだといわれている。
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テング,ヨウキ,カイイ 1974年 丹波の山中に天狗の道という所があり、そこに家を建てると祟を受けるという。伊藤仁斎のある門人がそこに家を建てたところ、毎夜鳴動が続き住めなかった。他所から来た人にその事を告げず家に住ませたところ何もおこらなかった。
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イワイジン 1970年 鳥取県 イワイ神は土の神様で、よく祟る。神谷家では法印に「この屋敷の下に死んだ者がいる。それが祟っているからよく祀れ」といわれ、屋敷内を捜したら小さい祠があったので、イワイ神を祀り始めた。
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ウミカラクルカミ,フナユウレイ 1931年 東京都 伊豆七島には、悪いことをして殺されたものが盆に出てきて、海岸の村を脅かすという信仰があり、村人はうら盆や、大晦日の晩に海に出る船幽霊と同じ性質を持っていると考えている。この話は伊豆七島のほぼ全般で信じられている。
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キジン,ボクセン 1974年 福岡県 継体天皇の時、豊前国上毛郡の求菩提山にある護国寺に鬼神がいて人民を悩ませていたが、開基卜仙が法力によって調伏させ、瓶に封じて嶺の上に埋め、その霊を祀ったという。
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メイドウ,タタリ,オノノケヒト,オニビ 1974年 和歌山県 紀伊国高野川の北に非常に険しい山があった。この山に人が登る事があると忽ち鳴動し、樵夫が木を伐ると祟りをなして病気になるという。ある至孝の農民が、病床の母に頼まれた山鳥を狩りに山に入り、鳥は得たが道を失った。杉の陰に燐火と思うものが燃え農民を呼ぶ声がした。見ると貴人がいて、自分が祟りをなしていた、地面の下を探って寺に移してほしいと言う。山を下りて後、法師と山を探ると骨があり、それは小野毛人のものであった。
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イトダヤマノカミノタタリ 1979年 長野県 昔、此田で子守と赤子が山へ行って行方不明になった。それ以降、この山に関係するものに祟りが及び、山の持ち主は必ず死ぬかけがをしたり、山の木を伐った人は災難にあうという。これを糸田山の神といい、山の持ち主はこれを家に呼んで祀るようにする。この山はバチ山ともいわれている。
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ダイジャ 1972年 静岡県 奥伊豆に人を喰らう大蛇がいた。甲州から弓の名人が退治しに来たが返り討ちにあう。遺された双子の娘は弓術に精進し、観音から授かった弓矢で大蛇の目を射て本懐を遂げる。その後里人は大蛇の祟りを恐れ一宇を建てた。これが蛇骨寺の由来である。
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