イナリサン,トオカミ 1976年 神奈川県 休みの日にトオカミをして神様などを呼び出した。大抵はイナリさんを呼び出した。失せ物のときは豊川稲荷を呼び出すと良いと言われていた。神様が乗り移ることをノリキになると言い、からっ正直な人がノリキになった。
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イナリサマ 1987年 山形県 稲沢集落の稲荷様は、以前は人家近くにあったが、よくないことがあるので山の上に移したという。
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キツネ 1960年 奈良県 近所の八百屋の婆さんが、家に祀っていた稲荷さんのホコラが古くなったので山に捨てて帰ったら、急に発狂したようになった。驚いた家人が稲荷下げを呼んで拝んでもらうと治った。これは狐がついたからだという。
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キツネ 1939年 秋田県 ある男が祭りを見に行った帰り夜も遅く、大平山の社のあたりで寒気を催し、目に見えない何者か大きな物に掴まれるような心地がした。次の日は稲荷の祭りの後片付けから戻る時に、気分が荒く募り、3日ばかり狂い続けて鎮まらなかった。それから半月、油揚げを欲しがり、飯も多く食べ、後に癒えた。大平山の社にノレキが住んでおり、それが狐を憑けたそうだ。狐憑きはノレキに頼んで離してもらうよりほかない。
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イナリ 1964年 群馬県 石や木で作ったイナリ(稲荷)が家の神で、一家ごとに祀っている。
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タヌキ 1984年 埼玉県 白石の下の家にある日の夕方、得体の知れない男がやってきてイロリにあたらせてくれという。おじいさんとおばあさんがあたらせてやるとそれからちょくちょく来るようになった。どうもおかしい、その男はタヌキの化け物ではないかと思った。翌日は餅を食べていき、次の日にやってきたときに酒を飲ませると、火の側でウトウトしだし、見ていると木の葉が出てきた。そこで石を焼いて焼き餅だといって投げてやるとその石が股の間にのったので、タヌキは逃げ出してそれ以来2度と来ることはなかった。それはムジナ沢のタヌキである。
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キツネ 1956年 東京都 娘がゲンカクの池の傍の稲荷に憑かれた。修験者が狐と問答をした。狐は饅頭を食べたいと言ったので犬のこない所に置き、稲荷へは油と油揚げを供えたら落ちた。修験者は東京浅草で修行した者で、憑き物をよく落としていた。
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イキリョウ,ノロイ 1950年 むすびと紙切れ「イナリがデナイヨ」が門の前に置かれるということが3回あった。祖母は拝み師に相談に行くと、稲荷を祀ることとお守りを置くように言われた。そうするともう事件は起こらなくなった。
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ネコ 1932年 長野県 50~60年前、お稲荷様に毎日20人ほど参詣し、その人たちを一匹の黒猫が歓迎した。猫が老衰したとき、参詣者のひとりである亀吉が家につれて帰り、かわいがった。その後、お稲荷様をお猫山と言うようになり、その土を持ち帰ってまくと鼠が出なくなると言われている。
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オサキ 1975年 群馬県 明治40年頃寺の住職がオサキに憑かれ、動物のような振舞をするなど奇怪な行動を繰り返した挙句腹を食い破られて死んだ。憑いた理由はオサキモチの家の法事に格の低い衣を来て行った事と、その家が貧しくてオサキに十分な餌を与えていなかったためである。その後稲荷社を建てて毎月供物をあげてそのオサキを養った。
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キツネ 1972年 長野県 風呂に入ろうと女の人に誘われて喜んでいたが、気が付くとグランドに半裸で立っていた。帰ってから数日寝込んだ。これはお稲荷様に小便をかけていたからだろうといわれた。
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イナリサマ,キツネ 2001年 青森県 某家では、家人の夢の中で稲荷様が「祠を建てて祀ってくれ」と言い、また家の裏山でキツネがコンコンと夜ごと鳴いた為、祠を建てて祀った。
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キツネ 1981年 和歌山県 戦後の食糧難の頃の話。裕福な家に餅米と小豆を買いに行った女の人の目にその家の稲荷の祠が御殿のように見えた。帰ってから一升ほどの餅米を1人で食べてしまい、赤ん坊と女の人がゲラゲラ笑い出したあとで肛門が痛いと言い出し、最後には拝み始めて「われこそは稲荷大明神」と唱え始めた。夫は妙見様の洗米を頂いてきて食べさせたり、天井や床に見えるという赤や黒や銀色の狐を女の言うままに木刀で叩きまわった。7日ほどして正気に戻った。稲荷が粗末にされていたので、たまたま来た女に憑いたという。狐は人に憑くとき入る場所を探してくすぐるので、探られた者は笑うのだという。
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オカマゲエロ 1982年 群馬県 ジクナシ(臆病者)の男の子が厠に行けず、家の中から庭に小便していると、向うの山から「きさまのちんこはでっけえなぁ」と言うので、「でっけえから来てひんなめろ」と言い返したら、「ようし、なめるど。おおい、なめべえ」と言って近寄ってくる。家の者が皆起きて鍬や鉈を構えて待ち構え、みんなでとっちめたらオカマゲエロ(蛙)のでっけぇのだった。
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オオムカデ 1933年 大阪府 無家賃でも借り手のつかない屋敷に女が一人で住む事になった。ある夜、目が覚めて障子を見遣ると、その外側を幅約1尺、長さ約1丈余りもある大百足が音を立てて移動しているのを見た。その後、家を取り壊して百足稲荷を祀る事が決まった。
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キツネ,トビサカイナリ 1922年 東京都 東京のある氏族が、小間使いを雇い、ある日使いに出したところ帰ってこなくなったので探すと、富坂稲荷の祠の前で踞っていた。狐に憑かれ顔つきも変わり、大食いになり、正気を失った。主家では小間使いを家に返したが、今度は主家の妻が狐に憑かれ、以前の小間使いのようになった。場所が悪いのかと転居したが、今度は長女が狐憑きとなった。家は没落し、次女は大変な苦労をした。二人の狐憑きは白昼提灯を下げて歩く等の奇行をするので、あらゆる加持祈祷を行ない、医者にもかけたが、一生正気に戻ることはなかった。
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シリハグリ 1960年 岡山県 昔お万という娘が東林寺にやってきて、お尻をはぐるのを常としていた。これは昔、墓地に狐が住んでいるとは知らず、墓地でお尻をはぐって放尿していると、それが狐の昼寝をしている頭上であったので、狐が喜びそれ以来娘にとりつき墓地に来させて尻をはぐりうろつきまわるようにならせたものだという。
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キツネ 1937年 福井県 禄高を減らされた武家が伏見稲荷を勧進したところ、元の禄高に復帰した。この家の武士が住居を新築する時、この稲荷をともに移して祀ると出世した。稲荷堂の下に穴を掘り、狐の出入りを自由にして油揚げを供えていた。狐が移動する時、城壁の上に座っているのを見たが、そのうち狐が白くなっていったという。
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キツネ 1976年 東京都 稲峰山に住む、稲荷の使いの狐が誤って茶の木で目を突き、苦しんだが治った。そこでここの稲荷を「茶の木稲荷」と名づけたという。
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テング 1956年 神奈川県 トウガミをする時に、ナカザの耳元で唱えごとをすると、イナリサンが寄ってきて、目隠ししたナカザに乗り移る。伺いごとが終わると余興をするが、普段は何もできない人でも、ナカザになると障子の桟を渡ったり、屏風の上にのったりすることができたという。豊川様が一番乗り移りやすく、天狗が乗り移るとすごく荒れるという。
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