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検索対象事例

フナユウレイ,シキボトケ
1932年 福岡県
満月の頃にまよい船が出て、話し声が聞えたりする。およそ30年前、4人連れで盆の15日の晩に沖へ鯖を捕りにいくと、人の首が海面に浮かんできて、笑ったり転がったりした。捕れた魚はみな草鞋であったという。4人は発狂して死んだ。船幽霊は盆にしか出ない。しきぼとけはしきゆうれいと同じもので、船がそこへ行くと動かなくなる。

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フナユウレイ,シキユウレイ
1932年 福岡県
盆の13日に漁に出ると船幽霊にあう。夜に海面一帯が白くなるのをしきゆうれいという。この中に入ると船が動かなくなったり、柄杓を貸せといわれたりする。
類似事例

フナユウレイ
1985年 静岡県
盆の8月13日の夜に船を出すと船幽霊がでるという。そのためにこの日は親から早く帰って来いといわれ、日の入りまでにきりあげて必ず港に戻る。もし帰りが遅くて船幽霊に海上で出会うと「杓を貸しょ杓を貸しょ」という声がするが、幽霊の要求通りに杓を貸すものでないという。どうしてもというときは杓の底をぬいてわたすとよいという。これを守らないと杓で海水を入れられて沈没するといわれている。
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フナユウレイ,ホッコクユウレイ
1929年 長崎県
盆と大晦日には船を出さない。特に15日と大晦日の晩は柄杓をくれと言う不思議なことがある。盆の船幽霊はほっこくゆうれいだと言う人もいる。
類似事例

タケノオオスケ
1987年 山形県
夏の夜中の12時~1時頃、魚の幽霊が「タケの大助今のぼる」という声を出して登ってくる。この声を聴くと3年以内に死ぬ。だから夜魚釣りをしている人も、声を聴かないように夜中はほとりに上がって休む。タケの大助は目が提燈のように下がり、頭は大きく、毛は長く、尻尾はなくて頭だけという姿。
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シチニンミサキ
1960年 愛媛県
40年前に魚島の沖で7人の人が乗った船が嵐にあって遭難したが、誰も助けに行かなかったのでみな死んでしまった。それから30年後のある日、港で18歳の少年が右の足に錨を、左の足には石をくくりつけて海の中で死んでいた。また昭和30年5月にもある船で同様の死体が見つかった。20年前に死んだ青年の幽霊という。島の人は7人ミサキのたたりという。
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フナユウレイ,アカイタマ
1979年 徳島県
潮の具合で魚が引くと、舟の前に真っ赤なものがばーっと集まる。これは船幽霊である。また、赤い玉が飛ぶ。
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オンナノコエ,ユウレイ
1932年 熊本県
昔、肥後国の菊池川を船に米俵を積んで子ども連れの夫婦が下ってきた。その船が暴風雨で沈んだ。それ以後、この沖合いで小雨が降ると男女の声で「堀れ堀れ」と聞える。また、魚のよくとれる晩、帆をかけて進んでいた船がハタと止まり、人の姿が白く現われた。幽霊だったらしい。
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フナユウレイ,シユウサイサマ
1932年 長崎県
大正11年の秋の午前2時ごろ、雨が降り出し、漁船の乗組員が萬燈のように灯をつけた汽船を見た。船幽霊であった。しゆうさいさまという神様は自分の罪を人に被せたために、淵に沈められて死んだ人が祟ったのでこれを祀ったものであるが、海に出ると柄杓を貸せという。
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ウミデシンダボウレイ
1972年 愛知県
毎年8月15日はお盆で漁師も殺生を遠慮する慣わしがあった。50年前の8月15日、船を出して釣りに行くと船ばたを白い手がつかんでいた。覗き込むと額に三角巾をつけたやせこけた亡者がコツコツと骨がこすれる音を立てながら、「柄杓をくれ!」と言っていたので底の無い柄杓を渡した。亡者たちは舟に水を入れて沈めるため必死で水を汲もうとしていた。
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アオイヒ,ボウレイ
1929年 鹿児島県
ある夏の真夜中、港に泊まっていた漁船の所に、丘の方から青い火がちらちら輝いて舟に近づいて来た。船頭が目を凝らして見ると白骨の岩窟から亡霊が四五人歩いて来るので恐ろしくなって船室に逃げ込んだ。その姿は舟上で消えてしまった。もしかすると内地から来た人の亡魂が故郷恋しさに船で帰るのではないか。
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フナユウレイ、モウレンブネ
1956年 宮城県
黄昏時になると,沖の方からホーイホーイとこちらに呼びかける声が聞こえ,灯がちらちらと見える。やがて「桶貸してけれ」と無気味な声が聞こえてくると,漁師達は「もうれん船だ。亡霊船だ。」と囁き合って逃げ支度に入る。静かだった海がうねり始め,霧が立ちこめてくる。「桶貸してくれ」という声がなおも追いかけてきて,海霧の向こうにうっすらと船の形が見える。とても逃げ切れないと思ったら,アカ桶の底を抜いて投げてやる。そうしないと海水を掛けられて船が沈むか,暗礁に乗り上げて難破する,と今でも漁村の老人は信じている。
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フナユウレイ
1983年 愛媛県
水死人などの霊が迷っているのが船幽霊になる。夜に一人で釣りをしていると船の下に白いものが見え、船を漕いでも進まなくなる。これが見えた時はタデミサワ(船タデに用いる竿)で船の下をなでると消える。また、船幽霊の火を、正月十一日のタタキゾメに綯うユグチ(縄を輪にした船具)の輪の中からのぞくとその幽霊の正体がわかる。正体がわかれば害はない。
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ハマユウレイ
1982年 三重県
浜幽霊といって、漁をしていると向うにも舟が出てきて、杓をくれという。それで底抜けの杓をくれてやった。底のあるものをやると舟に水を入れて溺れさせられたり、島だと思って一生懸命泳ぐと島じゃなかったりした。
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フナユウレイ
1936年 大阪府
昔、船幽霊がよく出た。暗夜なのに帆がはっきりと見えて、嵐の吹いた方に船が進んでいく。船からは人の話し声がした。
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フナユウレイ,ユウレイセン
1953年 千葉県
釜石の鯖釣船が夜中に難破した。伊勢海老を見に行った人が声を聞いて、舟幽霊かと思った。
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ソコユーレイ
1933年 長崎県
平島では船幽霊をソコユーレイと呼び、船につくと船は少しも動かなくなる。万灯のような灯をつけて幽霊汽船が来る際、人の声だけがして汽船の走る音は聞こえないという。また、江島の船が、天気が崩れたので帰ろうとすると、裸でヤアヤアと言いながら6人が泳いできて船にかじりつき、船が動かなくなったという。追い払っても再び泳いできたという。
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ウミユウレイ
2001年 愛知県
師崎では旧12月31日には船を出さない。この日に船を出せば船の周りに船幽霊が現れて、「あかとりくれい」といって近づいてくるという。あかとりとはひしゃくのことで、ひしゃくを投げると船幽霊は幽霊船のあかをどんどんかい出してこちらの船へ入れるという。そんなときには底の抜けたあかとりを海に投げ込んでやるという。
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フナユウレイ
1978年 高知県
文化年間のこと、宿毛市柏島に船幽霊が出たと伝えられている。これは船上で死んだ人々で、行き会うと必柄杓を貸してくれと言われるのだという。だが、言われたとおり貸してしまうと、海水を船に注がれ沈められてしまうので、底を抜いた状態のものを貸してやれば良いとされている。
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フナユウレイ
1978年 高知県
舟幽霊は舟と共に水死して成仏できない人々であり、雨の日に現れることが多く、これに憑かれると急に船が動かなくなったり、行く手に島や礁の錯覚が見えたりするのだという。いずれの場合も「杓子を貸せ」と言われるという伝承が付随しており、これには杓子の底を抜いて渡すものだとされている。また、櫓綱の穴から覗くと正体が見えるとか、その穴から灰を落としてやると消えるとか、「わしは土左衛門だぞ」と仲間であることを告げると消えるなどとも言われている。
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フネユウレイ
1985年 愛媛県
水死人などの霊が宙に迷っているのが船幽霊になるという。夜ひとりで釣りをしているとき、船の下に白いものが見えるとそこを脱れることはできない。タデミサワで船の下をなでると、消えるという。船幽霊の火はコグチの輪の中からのぞくと、正体が男か女かわかる。
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