アサヒチョウジャ 1956年 宮城県 浅田某が他所から来て長者となり、家を建てるとき土中から唐戸が出た。夜、手伝い人を全て帰して夫婦だけで蓋を開けようとするが、雷のためやめる。翌日唐戸がなくなっていた。しかし村人の中に黄金花を見たものがあり、長者が隠したと噂され、「朝日さし夕日輝くその下に、漆万杯、黄金億々」と言われた。長者が没落するとき、1人の女中が庭の小池の小魚をとって食べたところ、何年たっても老いず、上方の実家に帰って長寿したという。
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ヒカリモノ 1974年 神奈川県 武州稲毛に傘はり長者の屋敷跡がある。この屋敷の先祖は傘を張って生計を立てていたが、ある夏の夜、庭に出て涼んでいると、西から大きな音を出して飛んでくる光りものがあった。この者が竹で払うと、棹の先に少し当たったら、光がちり落ちて、光物はそのまま飛び去ったという。さて翌朝庭を見ると、そこに銭八文落ちていた。そこから思いもよらない幸運に恵まれて、家は栄えて子孫は繁栄したという。しかしその銭を失くすとそれから不幸が重なった。
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モンノコシチョウジャ 1956年 宮城県 ウドが森のふもとモンノコシに長者がいて、信楽寺の和尚と境争いをして和尚が負け、生き埋めになる。和尚は小僧たちに生き埋めの場所に21日間通うように遺言し、干柿一連を持って生き埋めになった。塚の中から毎日鈴の音がして21日目の夜、長者屋敷の塀がみな倒れ、家族残らず疫病で死に絶え、22日目に鈴の音は止んだ。黄金万杯と漆万杯が長者屋敷の近くに埋められているという。
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ムゲンノカネ 1981年 和歌山県 無間の鐘はシチサコの土と水でつくり、中にエビス・ダイコクを入れて焼く。そのときに大きな音がしたら願いが叶い金持ちになるが、なにか対価を払わねばならない。ある人は正月に餅をつかないことを条件にし、ある人は死後狼に死体を食わせることを条件にして金持ちになった。
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カネ,(ユメノオツゲ) 1989年 長野県 文永寺の住職が、寺に鐘が欲しいと思っていたところ、白い長い鬚の年寄りが夢のなかに現れて、「黒瀬ヶ淵に行け、鐘を授けてやる」と言った。行ってお経を唱えると、池が明るくなって小さなかわいい鐘が浮いてきた。吊して叩くたびに良い音がして大きくなった。その鐘が評判になると飯田の殿様が鐘を取り上げてしまったが、鐘が寺を恋しがって泣いて鳴るので、やがて寺に返された。
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イヌガミチョウジャ 1984年 新潟県 長者ケ原に住む犬神長者は佐渡島のできはじめたころ、真野湾一帯に多くの田んぼを持ち、小木湾をその苗代にしていた。ある大田植えの日、その日じゅうに植え終えようとしていたのに、日が傾いた。長者は、鉄の扇を広げて「日の神よしばしとまれ」とあおぐと、太陽はその場に止まり、田植えを無事に終わらせたが、それ以降不吉なことが続き、長者は佐渡を去らねばならなくなった。長者を慕う茶坊主と犬が後を追いかけたが、間に合わず、そのまま石になった。
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ムゲンノカネ,ヒル 1935年 新潟県 慶長の頃に但馬生まれの某人が、佐渡の相川に来て金鉱を発見し裕福になったが、すぐに逼迫して大晦日には家に居られず、山に入って鉱穴に寝ていた。一方家では妻が牡丹餅を作ろうとして餅米を搗いている内に、ふと無間の鐘の事を思い出し、すり鉢を鐘に見立てて擂り粉木で撞いたところ、その家運も立ち直り、昼夜に千貫ずつ金塊を掘り出して長者になったという。但し一代限りだったという。無間の鐘を撞いた者の墓には7代の間蛭がいるといい、この男の墓にもいたという。
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イヌガミチョウジャ 1984年 新潟県 長者ケ原に住む犬神長者は佐渡島のできはじめたころ、真野湾一帯に多くの田んぼを持ち、小木湾をその苗代にしていた。ある大田植えの日、その日じゅうに植え終えようとしていたのに、日が傾いた。欲張りでわがままな長者は、鉄の扇を広げて「日の神よしばしとまれ」とあおぐと、太陽はその場に止まり、田植えを無事に終わらせたが、それ以降不吉なことが続き、長者は佐渡を去らねばならなくなった。
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ヒル,ムケンノカネ 1933年 神奈川県 無剣山という寺の鐘をつくと百万長者になれるということを聞き、文右衛門は寺を訪ねた。住職は、握飯を池に入れ、飯粒一つ一つが蛭になる様を見せながら、死後蛭に苦しめられてもかまわないならいい、と鐘をつかせた。文右衛門は長者になって大往生したが、出棺の時には棺が軽く、門の前に片腕が落ちていた。
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マツ,カイブツ 1922年 岩手県 上閉伊郡栗橋村字古里に大きな松の木があり、日光を遮っていた。耕作物の邪魔になるので伐り倒そうとしたが、次の日になると元に戻っていて伐ることができなかった。ある日夢に一人の翁が現れ、木の伐屑を毎夕方に焼き棄てれば成就すると告げた。言うとおりにすると木は倒れ、それを用いて船を造った。しかし、不思議なことに船は一夜のうちに姿を消してしまった。あるとき、漁夫が橋野川の川上で得体の知れないものを見つけ、大权で突き刺した。一度帰り、次の日再び現場に行くと何もいなかった。探している内に漁夫は狂い、あたりは風雨となり大洪水が起こった。一夜たつと河口に突如として奇岩が現れた。人々は、漁夫の突き刺した怪物の化身だと言い囃した。
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〔オオカグラヤマ〕 1987年 長野県 群馬県との境にある。昔,山の麓で木こりが数人木を伐っていたところ,人気のない山なのに山の頂でかねや太鼓の物凄い音がしたという。驚いた木こり達は相談の結果,神社を建ててお祭をすることになった。その後は不思議なことや物音は起こらなくなった。また,この山に雨乞いすれば必ず雨が降るとされる。
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リュウグウ,ハギワラ 1936年 長崎県 いつのころか、長者原に夫婦がいて、長い間龍宮を信仰していた。あるとき龍宮に招かれ、龍王からはぎわらをもらった。そのはぎわらを先達にすると海が割れ、即座に家に帰り着いた。家に着き、はぎわらの天窓をなでて居宅と四方四万の蔵がほしいというとそのとおりになった。また、夫婦ともに28歳になりたいという願いも叶った。しかし、はぎわらを龍宮に返すと全てを失ってしまったという。
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ヒル 1933年 神奈川県 つくと長者になるという無剣山の鐘があった。鐘をつくものに対して住職は、握飯を池に入れ飯粒が蛭になる様を見せ、死後あのようなものに苦しめられても良いのならと言う。文右衛門はその様が恐ろしくてつけなかったが、その後長者になった。けれども年老いると飯が蛭に見えて食えず、餓死した。
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カネ,(ユメノオツゲ) 1989年 長野県 文永寺の住職が、寺に鐘が欲しいと思っていた。すると白い長い鬚の年寄りが夢のなかに現れて、「黒瀬ヶ淵に行け、鐘を授けてやる」と言った。翌朝、行ってお経を唱えると、池が明るくなって小さなかわいい鐘が浮いてきた。それを吊して叩くたびに良い音がして大きくなった。
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(チャボウズトイヌノイシ) 1984年 新潟県 長者ケ原に住む犬神長者は佐渡島のできはじめたころ、真野湾一帯に多くの田んぼを持ち、小木湾をその苗代にしていた。ある大田植えの日、その日じゅうに植え終えようとしていたのに、日が傾いた。長者は、鉄の扇で太陽はその場に止まらせ田植えを終わらせたが、それ以降不吉なことが続き、佐渡を去らねばならなくなった。長者を慕う茶坊主と犬が後を追いかけたが、間に合わず、悲しみのあまりそのまま石になった。今でもその石が沖のほうを向いてたっている。
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カキノキサマ 1940年 栃木県 高椅神社本殿東側にある柿の古木は、これに祈願すると願望成就するといわれている。大正10年頃に本殿を三尺ほど地上げしようとしたところ、柿の木の枝が屋根に触れていたので切らざるをえなかったが、誰も切ろうとせず、仕方なく枝を縄で縛っておいた。翌朝、柿の枝は一夜にして本殿の地上げに支障がないほど上に伸びていたという。
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ムゲンノカネ 1935年 静岡県 遠州佐野郡に無間山観音寺があり、この山に無間の鐘があった。この鐘を撞けば、現世では無量の財宝を得るが、未来は無間地獄に落ちるという。
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シラサギ,モチ 1928年 大分県 速水郡、もしくは玖珠郡の話として野田の長者というのがある。広い田野を持った長者がいたが、ある年の正月にもちを的にして矢を射たところ、その餅は白鷺になって飛び去っていった。その後、田は荒れ果て、長者は没落したという。
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(ホコラノバチ) 1980年 岐阜県 笠ヶ岳に長者屋敷があった。長者は祭り好きで、ある年の旧8月に自宅の祠で村人を呼んで祭をした。夏だというのにそば粉をまいて「雪だ」と言ったり、祠の周囲に「つららだ」と言って蛇をつり下げたりした。罰が当たって、長者は数年のうちに亡くなったという。
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チンショウ 1974年 東京都 井戸に鐘がなげこまれ、村人みなでひきあげにかかったが、何度やってももう一息というところで太縄が切れておちてしまう。ついにそのまま井戸を埋めて塚を築いた。
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